理由5、目が合うくらい近づけるハゼやテッポウエビ

ギンガハゼ黄&黒とテッポウエビ 写真/ビッグブルー 大村健さん

ここまでワイドの魅力に触れてきたが、実はマクロも楽しめるというからすごい。一般的には警戒心旺盛なハゼやテッポウエビにも目が合うほどに近づける。

ギンガハゼと見つめ合うことも 写真/ビッグブルー 大村健さん

マクロを楽しめるといっても、マクロに特化した海ではないことを前提にお話します。というのも、海洋環境を守るためにサンゴの上に着底禁止、海洋生物へのお触り禁止など厳しいルールがあるので、ゆっくり腰を据えてマクロ写真を撮る環境ではないんです。唯一、砂地は着底が認められていますので、マクロ撮影をする際はハゼや共生するテッポウエビを被写体にしています。見渡す限りハゼ、といっても大げさでないくらいいるうえに、近づいても逃げないのでビックリされるダイバーも多いです。これは推測なのですが、極端に偏った生態系の海域なので、ほかのエリアと比べてもハゼの天敵になる生物が圧倒的に少なく、警戒心が非常に低いのではないかと思います。コンデジでお気軽に撮りたいビギナーフォトダイバーでも、超近距離からマクロモードでハゼとテッポウエビの2ショットが狙えます。とにかく数が多いので、砂の下に引っ込んでしまったら、すぐ別の個体で仕切り直せるのもうれしいところ。上手に撮れる環境が整っているため、タオ島のハゼがきっかけでマクロにハマるダイバーも多いです。沖のほうで群れに巻かれてワイドを満喫した後は、砂地でのんびりマクロなフィッシュウォッチングを楽しむといったような遊び方もありです。

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理由6、ダイビングポイントまで好アクセス!

楽しい島の雰囲気に癒される

写真/ビッグブルー 大村健さん

潜ってしまえば最高の海なのだが、宿やダイビングショップからダイビングポイントまでの道のりがえらく遠かったり、ちょっとした飲食店やレストランを利用しようにも、車がないと無理だったりする場所は結構あるもの。また、海以外には何もない…なんて場合もある。その点、タオ島は徒歩圏内ですべて片付く。ビーチから近い通りには、地元の屋台やタイマッサージ店などがびっしりと立ち並び、賑わいをみせているそうだ。これなら、ダイビング前後の時間も有意義に過ごせるだろう。

いままで訪れた場所の中で、タオ島と一番似ているなと思ったのが久米島のイーフビーチです。ビーチ沿いに一本道があって、その周りにレストランや売店、ホテル、ダイビングショップなどが点在しているイメージ。そこに行ってしまえば、あとは徒歩で完結できるような世界観です。来たことがない人は、びっくりするくらい発展しています。ダイビングポイントだって、遠い所でも大型ボートで1時間足らず。少し早起きして出港すれば、午前中に2ダイブして、お昼には港へ戻ってこられます。ダイバーによっては、午前中だけ、午後だけ、あるいはがっつり4本潜るというふうに複数の選択肢から自由に選べるのが魅力的。ポイントが近いところに複数あるため、オープンウォーターの講習も時間に余裕を持ってできます。たとえば、午前中に学科を終わらせてお昼を食べてから、午後から海洋実習を1〜2本。夕方までには港に戻り、5時くらいからは夕日を見ながらビールで乾杯…、なんて優雅なスケジューリングも可能です。ちなみに、夕方以降のスケジュールは、地元のグルメを楽しんだ後、本場のタイマッサージを受けるのが定番。相場は1時間あたり300バーツ。今のレートでは、日本円で1,200円くらいととてもお手頃に楽しめます。