理由3、野生のジンベエザメに出会えるチャンス!

万単位でいるギンガメアジの群れも圧巻

運が良ければジンベエザメとギンガメアジのコラボに会えるかも 写真/ビッグブルー 大村健さん

世界を回遊するジンベエザメにとって、プランクトンたっぷりのタオ島の海は、ハズれなしの食事処なのだろう。タオ島周辺および3大ビッグポイントなどの隠れ根では、溜まったプランクトンを食べるために、グルグル泳ぎ回るジンベエザメの姿が確認されている。ギンガメアジの群れも壮観。万単位の群れが塊となって右へ左へ移動するさまは、まるでダンスショーのようで美しい。

ジンベエザメは野生生物なので、狙って見られることのほうが少ないのですが、現れたときのインパクトは強烈。ただでさえ濃い魚影を周りに引きつれる形でジンベエザメのパレードが楽しめます。ジンベエザメポイントといったら、3大ビッグポイントの一つ「チュンポンピナクル」が挙がりますが、「セイルロック」で見られる場合も。このポイントは、ギンガメアジの群れが魅力。巨大ジンベエと万単位のギンガメアジのコラボレーションは、ワイド好きにはたまらない光景でしょう。運がよければ、ダイビング中に隠れ根でじっとしていると、その上を何度もパレードが通り過ぎます。タイミングさえ合えば、正面から写真が撮れたり、かなり近くに寄れたりと、ほかの海ではできない贅沢な体験が待っています!

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理由4、定番の生物が少なかったりレア種が多かったり!?

ユニークな生態系が魅力

日本では珍しいツキチョウチョウウオの群れ 写真/ビッグブルー 大村健さん

閉鎖海域にあるタオ島は、プランクトンに恵まれ魚影が濃いだけではないらしい。外洋とはまた違った生態系が構成されているところも特徴だという。たとえば、定番のクマノミは2種類しかいないし、アオヤガラやミノカサゴはほぼゼロ。一方で、ツキチョウチョウウオが大量に群れているなど、ユニークな海中風景が広がる。

もしタオ島が外洋の海にポツンと浮かぶような島であれば、黒潮などの海流に乗ってくる生物たちで溢れていたでしょう。しかし、閉鎖的な環境のため、生態系がかなり偏っているのが面白いところです。なかでも、ツキチョウチョウウオは 日本では珍しいと言われる魚種ですが、タオ島の南東にある「シャークアイランド」というポイントでは100匹くらいがぶわっと群れています。魚や海の生態に詳しい水中写真家さんが来島した際は、ジンベエザメそっちのけでリクエストされました。「世界でここだけしか撮れないと思う」と。ブルーの海にイエローの体色をもつツキチョウチョウウオが群れて泳ぐ姿は、幻想的でとても美しく、タオ島の海を象徴するシーンの一つだと思います。流れも穏やかなので、オープンウォーターレベルでもチャレンジ可能です。