色合いに違和感がないか

車の修理後
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もし板金塗装を行っていれば、全体的な色合いに多少の違和感が残っている場合があります。
よく事故を起こし板金する箇所は、運転席や助手席のドア部分やフロントバンパー、リヤバンパーなどです。

通常、板金塗装を行う際はボディの切れ目に沿って塗装を行い、全体的な違和感を減らします。例えばドアの板金塗装であれば、ドア1枚を丸々塗装してしまうということです。

事故車を修理する場合、小さな傷である可能性は低いので、大きな面で色合いを確認してみましょう。
もし一部分だけ他の色と違うのであれば、板金塗装を行っている可能性が高いといえます。

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ドアのヒンジ部に跡がないか

車の黒革の車のインテリア
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事故によってドアを交換している場合、ドアのヒンジ部、つまり連結部にどうしてもソケットの跡がつきます。ボルトの回りの塗装が円状にはがれている場合、ソケットを使いボルトを外していると考えられます。

意味もなくドア本体を取り外すことはあまり考えられないので、この部分に跡があれば事故によってドアを交換、もしくは板金修理していると覚えておきましょう。

一般的にこの部分を見る人はかなり少なく、事故を隠している場合でも跡をつけたままにしているといったことがあります。

確認方法としてはドアを全開にして連結部を見るだけなので、中古車を確認する際はぜひ行ってほしいポイントの一つです。

エンジンルーム内のボルトに跡がないか

エンジンルーム
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ドア部分のボルト同様、エンジンルーム内にもたくさんのボルトがあります。フェンダーを取り付けているボルトにも、ソケットの跡がないか確認しておきましょう。

ドアやバンパーが大きくヘコむような事故では、当然フェンダーもヘコみます。

交換だけではなく板金によって、ヘコミを直す場合でも一度は必ず取り外しが必要ですし、逆にいうと板金やカスタムによって交換しない限り、フェンダーを外すことはあまりないのです。

ノーマル仕様の車で、この部分にソケットの跡があれば事故を起こしている可能性が高いといえるでしょう。

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エンジンルーム内の一部の部品が新しい

車の整備
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フロントバンパーは事故を起こした際、よくぶつける箇所の一つです。

エンジンルームには、エンジンやラジエーターなど車を動かすうえでかなり重要なパーツが多く、大きな事故を起こしたとき交換する場合もあります。

特にラジエーターやエアコンのコンデンサーは、グリルの真裏に取り付けてあるので事故を起こしたとき、一緒に壊れてしまう可能性が高くなります。

走行距離が少ないにもかかわらず、このパーツを交換した跡があれば事故を起こしているかもしれないと考えておきましょう。

事故歴の有無でしか事故の確認ができない以上、自分の目で見て事故をしている車かどうかを確認するしかありません。

もしエンジンルーム内を見て、一部のパーツだけキレイだった場合、「このパーツはなぜ新しいのか」ということを販売員に聞いてみましょう。

その際、故障したから交換したなどの情報があればいいですが、そのような情報がないのであれば事故を起こし故障したため、交換したとも考えられます。

ラジエーターやオルタネーターなどのパーツは、簡単に壊れるものではありません。
走行距離が5万キロほどしかないのにもかかわらず、一部のパーツを交換しているのであれば、事故車だと仮定し、さまざまな箇所を確認することをオススメします。

必ずしも事故車だからすぐ壊れるわけではない

手でポーズする男性
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ここまで事故車を見分けるポイントをお伝えしてきましたが、覚えていてほしいのは事故車だからすぐ壊れるわけではないということです。

中古車のデメリットにすぐ壊れる可能性があるとお伝えしましたが、その理由として前の所有者がどのような乗り方をしていて、どこの修理を行なっているかが分からないためという理由があります。

所有者によってはディーラーで買い、定期的にきちんと点検を受けている方ももちろんいます。

しかし定期点検を全く受けない所有者も多く、そのような乗り方をしていれば、気づかない場所が壊れかけているという可能性もゼロではないのです。

中古車販売店も売る前に点検は行いますが、全てのパーツをきっちりと点検するわけではありません。

そもそも走行距離の多い車や製造日から年数の経った車は、さまざまな箇所にガタがくるため故障する可能性が高く、購入する際はある程度覚悟が必要だといえるでしょう。

しかし事故車でもしっかりと修理していれば、その後、故障する可能性は低く、事故をしているのにもかかわらず予算の都合上あまり修理を行っていない車は、今後、故障する可能性が極端に高くなります。

新車感覚で中古車を購入すると、思わぬトラブルが発生するということを、しっかりと理解しておきましょう。

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走行距離は年式に見合ったものを選ぶ

走る車
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中古車を選ぶ場合、年式にあった走行距離の車を選ぶことで、トラブルを減らすことができます。

車を乗らずに放置してしまい良く起こるトラブルに、

  • バッテリー上がり
  • 燃料タンクの錆

などがあります。

オイル類や冷却水などの水は、定期的に車の内部を循環させてあげないと汚れてきますし、錆や腐食が進んでしまう可能性もあるため、定期的に循環させてあげることが大切です。

エンジンの内部に汚れが溜まり、その汚れを取り除く必要がある場合、エンジンを分解するという重整備が待っています。

そしてこのような劣化は外側から確認することが難しく、購入してから不具合が生じるといったケースもあるのです。

また車を動かさなければ金属同士の固着も進行してしまい、曲がらなければならない部分がなかなか曲がらず、異音の原因となってしまうことも考えられます。

平均的な車の走行距離は1年で約1万キロといわれています。
つまり10年前に作られた車ならば、約10万キロ、5年前なら5万キロ前後走っている車を選びましょう。

ついつい走行距離が少ない車を選びがちですが、このような知識を持っておくことで中古車を乗る際のトラブル回避につながるのです。

リコールの有無を確認しておく

封筒
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車にはリコールと呼ばれる制度があります。

もし購入しようとしている車が決まっているのであれば、リコールの有無を確認しておきましょう。

リコールとは、製造時に保安基準不適合の箇所がある場合行われる措置であり、メーカーが国土交通大臣に届出を行い回収・修理を行います。

リコールの種類はさまざまで、エアバッグやECU関連、ブレーキ関連などが発表されています。

メーカーでの不具合なので修理費用は無料ですが、リコールを受けるためにディーラーに車を持って行き、作業が終わるまで待つのはかなりの手間です。

またリコール発表直後は、ディーラーも忙しく作業が終わるまで時間がかかってしまったり、予約もなかなか取れず、何度も連絡しなければなりません。

購入したい車のリコール情報を知っていれば、購入前に中古車販売店でリコールを終わらせてもらうといった交渉も行なえます。リコールはどのメーカーでも必ず発生しますし、リコールが発表されているから悪い車というわけではありません。

どんな車でも少なからずリコール対象に含まれてきます。欲しい車のリコール情報の詳細を知ることも、所有者になるために大切なことではないでしょうか。

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車種特有のトラブル箇所を調べておく

エンジントラブル
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車には車種特有の故障しやすい箇所があります。例えばスバルの水平対向エンジンであれば、オイル漏れしやすいといった欠点があり、プリウスでは電動ポンプの故障が多発しています。

また初代ヴォクシーにもエンジン異音や故障しやすいといった欠点があるようです。車種特有の故障箇所を親切に教えてくれる販売店は、おそらくないでしょう。

車種特有の故障は最も発生する可能性が高いトラブルだといえるので、事前に調べておくことをオススメします。

購入後に故障してしまうと、修理代に多額の出費が必要になってきますし、最悪の場合、廃車しなければならない可能性もでてきます。

車種特有のトラブルを知っておくことで、購入の際、確認することができ、販売員にも「車に関しての知識があるんだ」というアピールにもなるのです。

絶対的な信頼があるならば余計な口出しはしない方がいいですが、初めて行く店舗や初めて見る店員だった場合、買ってもらうためにいい事だけを強調している可能性があります。

その車に関しての知識があるのか、中古車の良い面、悪い面をきちんと説明しているかを見極めることも、中古車購入に失敗しないために大切なことではないでしょうか。

できれば試乗を行おう!

車に乗る男性
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新車と違い中古車の場合、できれば試乗を行いましょう。

理由としては見た目がキレイな車でも、実際乗ってみると、異音がしたり揺れが激しかったりといったトラブルを見つけることができます。

しかし中古車の場合、車検が切れている可能性が高いので試乗できないといわれてしまうこともあります。そのような場合、エンジンだけでもかけてみましょう。そして空ぶかしを行い、エンジンがきちんと回っているかの確認も必要です。

理由をつけてエンジンをかけさせてくれない、走らせてくれない場合は何か理由があるのかもしれません。よく分からない理由で断られたときは、選んだ車を購入するのは避けた方がいいでしょう。

全ての車を試乗させてもらえないのであれば、その店舗は避けましょう。試乗はかなり大切です。しかし車検切れなどで試乗できない場合もあります。

もしはっきりとした理由もなく試乗できないようであれば、購入者にとっていい店舗とはいえません。すぐに見切りをつけて他の店舗をあたりましょう。

消耗品の残量をチェック

タイヤ
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購入後すぐに交換しなければならないようなパーツがあれば、車を選ぶ時点でチェックしておきましょう。

購入する際の交渉ポイントとして、チェックすべき箇所は、

  • タイヤ
  • ブレーキパッド
  • ワイパー
  • エアコンフィルター
  • エンジンオイル

この5点です。

消耗品の中でもエンジンオイルとワイパー、エアコンフィルターは交換頻度が高いパーツなので、購入する気があるのなら残量や汚れ具合をチェックして値段交渉してみましょう。

また古い車であれば、交換しなければならない部品の一つにタイミングベルトがあります。

タイミングベルトはエンジン内に取り付けてあるベルトなので、交換するとなればエンジン回りのパーツを取り外す必要があり、作業量も多いため工賃が高くなりがちです。

10万キロ以上走っている車を購入予定であれば、タイミングベルトを交換済みなのか購入後交換しなければならないのか、購入を決めた場合店舗で行ってくれるのかをしっかりと確認、交渉しておきましょう。

消耗品が全て交換時期を過ぎているのであれば、交換費用も含めて交渉することで工賃を安く済ませることができるかもしれません。

中古車を安く購入したいのであれば、交渉力と車の知識は必須です。購入前に欲しい車の情報を調べておきましょう。

中古車を購入する時点でトラブルは避けれないという認識も大切

注意
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中古車購入で失敗したと感じてしまう理由の一つに、新車感覚で購入しているためという理由があります。

中古車のなかには走行距離が少ない車でも、車にとって良くない乗り方をしている、もしくは大きな事故を起こし修理している車もあります。

そのような車は今後故障する可能性が高く、外観だけでは見分けがつかないため、中古車選びの際、見極めが必要です。

新車と同じような感覚で購入してしまうと故障した際、車選びを失敗したと感じてしまうのではないでしょうか。

販売店での展示車なら新車とほぼ同じ状態だといえますが、全く知らない人が乗っていた車はどのような扱いを受けていたのか誰にも分かりません。

中古車販売店では、購入後1年間ほど保証がある車もありますが、1年では発生しない故障もあります。

全ての中古車が購入後すぐに故障するわけではありませんが、今後、中古車を購入しようと考えている方は、あまり過度な期待をせず、故障する可能性があるという意識を持つことが大切ではないでしょうか。

まとめ

車の販売説明する男性
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状態の良い中古車を自分で見つけるためには、いくつもの店舗を回ったりさまざまなチェックポイントを見る必要があります。

今回お伝えした中古車選びのチェックポイントは、中古車の査定金額を出すうえでチェックするポイントも含まれています。

その他にもありますが、一般の方がチェックできる項目は限られてきますし、下回りなどは見ることが難しいでしょう。

限られた時間の中で、自分自身でチェックできる項目はできるだけ確認しておくことをオススメします。

今回は中古車選びのチェックポイントをお伝えしましたが、信頼できる販売店や販売員を見つけることも中古車選びにおいて大切なポイントだといえるでしょう。

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