フロントスポイラーとは|効果はある?
フロントスポイラーとは、車のフロント部分に取りつけるエアロパーツの総称です。
一般にフロントスポイラーと言われているものは、構造や取り付け方、取りつける場所によって、以下のように分類されています。
- フロントバンパースポイラー:フロントバンパーと一体化したもの
- フロントアンダースポイラー(リップスポイラー):フロントバンパーの下の部分に取りつける
- ハーフスポイラー:既存のフロントバンパーに取りつける
フロントスポイラーの効果|デメリットも
見た目のカッコよさが魅力のフロントスポイラーですが、フロントスポイラーを取りつけることで得られる効果は、視覚的なものだけではありません。
もともとはレース用に開発されたものなので、高速走行時の空気抵抗を考えられて作られています。フロントスポイラーを取りつけることによって、前方から車体の下に流れ込んでくる空気をコントロールして、車体が浮き上がることを防止する役割があるのです。
車体を地面に強く押しつけるダウンフォースが発生するので、高速でカーブを曲がる際に車体を安定させることができます。そのうえ、ブレーキを冷却させる効果もあり、ブレーキを多様した際に起きるフェード現象を防止することもできます。
フロントスポイラーは、走りを安定させ、ブレーキの状態を健全に保つ役割があるのです。
デメリット
高速での操縦性能を向上させる働きのあるフロントスポイラーですが、一般道の走りでは、その効果をあまり発揮することができないのが現状です。
一般的にはフロントスポイラーが効力を十分に発揮するのには、80km/h以上のスピードが必要だと言われています。しかし、街中で信号や渋滞のある状況では、せいぜい30km/h~40km/hのスピード。制限速度が60km/hあったとしても、60km/hギリギリでカーブを曲がるのは大変危険で、大きな事故を引き起こしかねません。
また、バンパーの部分に本来よりも余分なパーツをつけることになるので、その分重量が重くなります。これは燃費の悪化につながるでしょう。またダウンフォースが発生すると、それだけ空気の抵抗を高めることにもなるので、ここでも燃費が悪くなることが予想されます。
とくにレース用ではないドレスアップ用のフロントスポイラーは、重さがレース用のものほど軽くありません。取りつけることによって燃費が悪化することはデメリットと言うことができるでしょう。
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フロントスポイラーは車検に通る?
道路運送車両の保安基準に則った範囲でなら、フロントスポイラーを取りつけたまま、車検を通すことも可能です。
フロントスポイラーをつけたまま車検を通すことができる条件は以下の通りです。
- フロントスポイラーの部分の先端部分が、車体からはみ出して最先端になっていない
- フロントスポイラーの横の部分が、車体からはみ出して最外側になっていない
- 半径2.5mm未満の角部を残さない
- 先端部分が半径5mm以上の丸みのもの
- フロントスポイラーの最下部が、地上から90mm以上あること
- フロントスポイラーの材質が、堅牢で走行に耐えられること
- フロントスポイラーが、車体にしっかりと取りつけられていること
ひとつでも基準を満たさないと車検を通すことができず、公道を走ることが許されません。フロントスポイラーのカスタムを楽しむためには、道路運送車両の保安基準をしっかりと守ることが必須です。