最近は輸入車に加えてマツダ車まで「カテゴリーを表す記号と車格を表す数字」が車名という例が増えてつまらないような気もしますが、そのクルマ固有の車名(通称名)はイメージづくりには非常に大事で、それで成功するクルマもあれば、失敗するクルマもあります。
今回はトヨタ車の中から、「その車名で損してないかい?」と言えそうなクルマを3台ピックアップしてみました。
カリーナED(初代1985年発売)
「エキサイティング・ドレッシィ」を略したゆえの悲劇
FF化したスペシャリティクーペ、セリカの4ドアハードトップクーペ版として登場、現在の視点では「わざわざ狭い4ドアなんて作って」と言われますが、当時は「4ドアなのに低くてスポーティでカッコイイ」と大ヒットしたカリーナED。
EDとは「刺激的でシャレている」を意味する英語、「エキサイティング・ドレッシイ」の略で、オヤジ臭さを全く感じさせない4ドア車にふさわしいものでしたが、やがて別な意味の「ED」が有名になってしまいます。
「Erectile Dysfunction(イレクタルイル・ディスファンクション)」、すなわち、あー…男性の機能における重要なゴニョゴニョの不全の略で「ED」が有名になると、カリーナEDという車名が少々気恥ずかしくなってしまいました。
以前紹介したホンダ ビガーもそうですが、そのクルマが登場した時には問題がなくとも、後の外的要因で損な車名になってしまうという好例です。
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GRスープラ(5代目スープラ・2019年)
ユーザーを納得させる努力を尽くしただろうか?
日本では2代目までセリカXXを名乗ったものの、海外では当初からスープラを名乗ったため現行モデルは5代目にあたるGRスープラ。
2代目までは「強引に直6化したバランスの悪いセリカ」と評論家筋からは不評、3代目は不得手なレースやラリーでグループAマシンとして働かされ、レースでスカイラインGT-Rと互角に戦った4代目も中身は市販車と全く別物と、なかかな苦難の道を歩んだクルマです。
しかし、トヨタ最強のスポーツクーペであるがゆえ、プライドの高いファンとアンチが非常に多いクルマでもあり、BMWとの協業で開発されたGRスープラはいろいろと物議をかもしました。
中でも「BMW Z4(3代目)のガワ違い姉妹車」という誤解が問題で、実際はBMWの部品でトヨタが開発した全く別な車にも関わらず、「スープラ」を名乗るがゆえの不毛な議論に巻き込まれる事が多く、トヨタもユーザーへもっと理解を求める努力をするべきでした。