意外と知らない?ターボ(ターボチャージャー)の仕組みや構造を解説!

ターボ(ターボチャージャー)とは


中央に見える巻き貝のような部品がターボチャージャー
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ターボとは「ターボチャージャー」の略で、エンジンの補器類の一種です。日本語では「過給機」と言います。

自動車に搭載することで、エンジンに圧縮した空気を送り込み、より大きなパワーを得ることができるようになります。

近年では、高圧縮エンジンが主流になっており、高い圧縮力を維持するために多くの空気を取り込むことが必要になり使用されることも増えており、燃費向上アイテムのひとつとして使われることもあります。

ちなみに、このような過給機を搭載しないエンジンのことを、NA(ノーマル・アスピレーション:自然吸気)エンジンといい、現在はこのタイプのエンジンが一般的となります。

低排気量でも力強いパワーを得ることができるようになる

例えば、3,000ccや4,000ccといった大排気量のエンジンと同じパワーを得るために、2,000ccのエンジンにターボを組み合わせる、という使い方ができます。

これによって、1,000ccや2,000cc分の空気をターボで圧縮してエンジンに押し込むことが可能となり、大排気量エンジンに近いパワーを得ることができます。


ダウンサイジングターボの先駆けと言われているフォルクスワーゲン ゴルフ GTI

このように少ない排気量にターボを組み合わせることを、「ダウンサイジングターボ」といいます。ダウンサイジングターボについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ダウンサイジングターボとは?メリット・デメリット

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ターボチャージャーの仕組みと構造


ターボチャージャーのタービン
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ターボチャージャーは、概ね4つの部品で構成されます。

タービン(空気を圧縮する装置)インタークーラー(圧縮した空気を冷やす装置)パイピング(タービンとインタークーラーをつなぐためのパイプ)ブローオフバルブ(高くなった圧力を逃がす・逆流を防ぎタービンを保護する装置)

ターボチャージャーの流れ


タービンは高温かつ高速で回転しているため、遮熱版に「触るな」と注意を促すマークがある

それぞれの説明をすると、タービンはカタツムリのような形をした部品で、排気ガスを利用してタービンを回します。そのタービンが回ることで連結された逆側のタービンが連動して回り、たくさんの空気を吸い込みます。ちなみにタービンは1分間あたり20万回以上の超高速回転を行っています。


インタークーラー

空気が圧縮されると温度が高くなり、エンジン内で燃料を燃やすときのロスが大きくなります。そのための冷却装置としてインタークーラーが装着されます。

アクセルを踏んでタービンを回し、空気を押し込んでいる間は良いのですが、アクセルを抜くと押し込んだ空気がエンジンからタービンへ逆流してしまいます。


ブローオフバルブ

そのままタービンに逆流した空気が戻ると、タービンに高い負荷がかかります。その逆流した空気を開放する役割をもつのがブローオフバルブです。よく、「パシューン」や、「パキューン」と音がするその部品です。

ブローオフバルブを取り外して穴をふさいだ状態になると、逆流した空気がタービンに直接当たり「シュトゥトゥトゥ」という音がします。この状態を「バックタービン」といいます。

インタークーラー自体の冷却も必要!


スバル レヴォーグ

圧縮された空気との熱交換により、インタークーラー自体も高温になるため、冷却が必要になります。スポーツカーなどで見られるボンネットの穴(エアインテーク)はインタークーターを冷却するために設けられています。

身近な例では水平対向エンジンを搭載するスバルのターボ搭載車によく見られます。

ただ、中にはインタークーラーがエンジン前面にあるためエアインテークが不要だったり、スポーティ感を出すためにダミーのエアインテークが設けられている車もあります。