『機動戦士ガンダム』でアムロとともに激戦を戦い抜いた「RX-78-2ガンダム」。画像は「RG RX-78-2ガンダム 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

【画像】ボロボロになるまで頑張った! 激戦を生き残ったガンダム機体たち(6枚)

アムロの「RX-78-2」は修復再生された可能性が

 ガンダムシリーズをご存じの方ならば、『機動戦士ガンダム』最終話でアムロ・レイが搭乗した「RX-78-2ガンダム」のラスト・シューティングの光景を覚えているでしょう。ガンダム作品の最終決戦を生き残ったガンダム機体たちは、その後どうなったのでしょうか。

シャア・アズナブルのジオングと相打ちになったRX-78-2ガンダムは、最後に追い詰められたアムロの前に再び姿を現し、コア・ファイターで脱出するチャンスを与えました。

 ア・バオア・クーに残されたガンダムのAパーツ(上半身)とBパーツ(下半身)は爆発炎上に巻き込まれて消失したとも、ゼダンの門と改称されたア・バオア・クーに残されているとも言われていましたが、回収・修復された可能性も示唆されています。

 2009年にガンダム30周年を記念して開催された「ガンダム・エキスポ」で公開された短編アニメ「リング・オブ・ガンダム」には「アムロの遺産」と呼ばれるガンダムに酷似した白一色のモビルスーツが登場しますが、この機体はかつてのRX-78-2を修復し、時代に合わせたアップデートを施した機体とされているのです。

 これは公式設定とアナウンスされたわけではありませんが、原作・脚本・総監督を富野由悠季氏が務めているため、限りなく公式に近いと考えても良いのではないでしょうか。

 続いて『機動戦士Zガンダム』に登場したZガンダム(以下、Z)、百式、そしてガンダムMK-IIについては、続編である『機動戦士ガンダムZZ』の物語にもからんでいきます。

 Zに関しては『Zガンダム』の最終決戦でカミーユ・ビダンがパプティマス・シロッコのジ・Oを撃破しましたが、カミーユが精神崩壊を起こしたところをファ・ユイリィのメタスに発見され、ともにアーガマへと帰投しました。

『ガンダムZZ』では主にジュドー・アーシタとルー・ルカが搭乗しましたが、最終決戦となったアクシズ内部の戦闘でクィン・マンサと交戦し中破してしまいます。最後は開放されたコクピットを狙撃し、さまざまな因縁に決着をつけましたが、機体は放棄されました。その後は連邦軍によって回収され秘匿されたと言われていますが、真偽は不明となっています。



『Zガンダム』はのちの作品にも登場し、その技術を受け継いだ派生機や後継機も多数登場して活躍している。画像は「RG 機動戦士Ζガンダム MSZ-006 ゼータガンダム 1/144スケール 色分け済みプラモデル」(BANDAI SPIRITS)

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ガンダムMK-IIは数奇な運命をたどる

 百式は『Zガンダム』でクワトロ・バジーナがコロニーレーザーを守るためにシロッコのジ・Oとハマーン・カーンのキュベレイを相手取り、中破してしまいます。その後はコクピットが空いた状態で宇宙を漂流しており、クワトロは生きていることが暗示されて物語はラストを迎えました。

『ZZガンダム』では22話『ジュドー 出撃!!』で再配備され、主にビーチャ・オーレグが搭乗しました。最終決戦には唯一参加しておらず生き残ったため、その後は連邦軍に回収されてZガンダム同様に封印されたと思われます。

 ガンダムMK-IIに関しては、TVアニメの『Z』と劇場版『Z』でラストが異なります。TVアニメではエマ・シーンの死後に宇宙を漂っていたところをファ・ユイリィのメタスに回収されましたが、劇場版ではコロニーレーザーの砲撃に巻き込まれ、消滅してしまいました。

『ZZガンダム』では当初登場しませんでしたが、13話「妹よ!」でラビアンローズと接触した際に、特に言及もなく再配備されていました。回収した機体の修理がラビアンローズで行われていたのでしょうか? この時代ではすでに性能面で劣勢となっていましたが、主にエル・ビアンノが搭乗し、ネオ・ジオン軍の高性能モビルスーツと戦い抜きました。最後はアクシズ内部の戦闘でクィン・マンサと交戦して中破。脱出の際に放棄されています。

 なお、マンガ『機動戦士ガンダムUC 獅子の帰還』では、バナージ・リンクスが改修したMK-IIを使用していますが、この機体は「サイド3」に残されていたものであることが明かされています。サイド3近辺で運用されていたMK-IIということは、おそらくは元エル・ビアンノ機である可能性が高いのではないでしょうか。

 最後にZZガンダムですが、最終決戦でハマーンのキュベレイを撃破した際にBパーツ(下半身)を失っています。その後についてはOVA『GUNDAM EVOLVE../10』で語られており、ジュドー・アーシタがジュピトリスIIに乗り込み木星に向かった際には代用のBパーツを製造し、ZZ-GRとして運用していました。Bパーツに搭載されていた大型ジェネレーターは失われたため機体出力は低下し性能も劣っており、ネオ・ジオン軍残党との戦闘で苦戦を強いられました。

 しかしリィナ・アーシタからのクリスマス・プレゼントとして新造されたBパーツがタイミングよく到着し、無事に換装に成功しネオ・ジオン残党のせん滅に成功しています。

 その後どうなったのかは定かではありませんが、長谷川裕一先生のマンガ『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場する「木星じいさん」ことグレイ・ストークが「ガンプ」と名付けたレストア大型モビルスーツを保有しており、外装に覆われた頭部の中身はZZと酷似しています。公式設定とは明示されていませんが、グレイ・ストークはジュドーの未来の姿であり、ガンプは相棒としてともに生き続けたZZの老年期の姿なのかもしれません。