いかに当時では割高でも、それだけの価値はあった!

こうして見ると小さい狭いとわかりますが、スポーツカーなんだから当たり前! ©MOBY

でも、カプチーノは単に生産台数の少ない高価なスポーツカーというわけではなく…4輪ダブルウィッシュボーン独立懸架サスのフルオープンFRスポーツなんて、「まんまロードスターの軽自動車版」でした。

しかも分割脱着式ハードトップはTバールーフにもタルガトップにもできましたし、車内が狭くてハードトップなんて収めたらトランクに荷物なんて載りませんが、実用性を気にする人はアルトワークスでも何でも、他に選択肢はあります。

ウデがあれば速いものの、扱いの難しいミッドシップではありませんし、スズキスポーツなどからチューニングパーツもたくさん出ていましたし。

ダイハツ党な筆者のように、「スズキやホンダにデカイ顔はさせないぞ!」とストーリアX4(1998年)を買う変わり者でもなければ、若い頃に1度は乗っておいて損はないクルマですホント。

1990年代のスポーツモデルに共通する話で、2020年代の今でさえモータースポーツでも十分に一線級の戦力として期待できる走行性能を誇りますし、部品不足さえ何とかすればこの先もずっと乗っていたい、というユーザーは多いことでしょう。

スズキ自身はやってませんが、リフレッシュサービスを提供しているショップもありますから、現在のオーナーは是非ともクルマ好きの魂が燃え尽きるまで乗っていただき、次の世代へと託してほしいものです。

もはやエンジン車でこのようなクルマが安価に販売される可能性は絶望的なので、日本が誇る歴史的遺産として語り継いでいいと思います。

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タマ数は減ったものの、まだ中古のカプチーノを安く買うチャンスはある!

テール周りの曲線美も見事なもので、「テールで魅せるクルマの1台」として、見ているだけでも楽しくなるクルマ、今は少なくなった気がします ©MOBY

カプチーノは1998年に販売を終えてから26年を経た現在でも中古車を購入可能で、MOBYの中古車サイトでは執筆現在でも100台以上が販売中。「修復歴なしのMT車」に絞っても50台以上と、タマ数は減ったものの価格はまだまだ手頃です。

価格帯は100万円以下のものから200万円超とピンキリで、昔と違って「K6Aを積んだEA21R(後期)はあまり人気がなく、F6AのEA11R(前期)が高い」ということもないため、価格差はあくまで車体の程度や希少な社外品パーツの有無、素性の明らかなワンオーナー車かどうかなどで決まる模様。

最高180馬力に達するチューンも可能というF6Aも魅力ですが、今後の維持を考えれば、つい最近までジムニーやケータハムセブン用で現役だった、K6Aを選んでもよいと思います。

今なお戦闘力の高いカプチーノとはいえ、走りだけでなく長く乗りたいユーザーも多いでしょうし、最近の新車価格の高騰を考えれば、プレミア価格で200万円台のEA21Rを買っても、そう高くは感じないのではないでしょうか?

AT限定免許のユーザーには、もっとタマ数が少ないもののEA21Rに3AT車があり、ついつい4ATへのスワップを考えがちですが、ギア比の関係で「むしろ3ATの方がキビキビ走るし燃費も悪くない」という話もあり、オリジナルにこだわるのも悪くはありません。

あと10年もしたらタマ数不足はより深刻になり、取引されてもかなり高額でしょうから、400万、500万かけて新型スポーツモデルを買うより、200万円台の中古カプチーノで楽しむのも一興と思えるのは、今が最後の時代なんでしょうね。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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