自動券売機でチケット購入&チャージしてみよう
■1回券の買い方
写真右は旧型、左は新型の自動券売機。クレジットカード、硬貨、お札のいずれを使用できるかは、右上のイラストで分かる
旧式の操作ローラー。これを回しながら画面をスクロール。緑ボタンで決定、赤ボタンはキャンセル
メトロ駅の自動券売機には、旧型と新型の2種類があります。旧型は操作ローラーが付いているタイプ、新型はタッチモニターを採用していて、表示画面を直接タッチします。
基本となる1回券を購入してみましょう。まずはトップ画面で言語(英語、スペイン語、ドイツ語、イタリア語)を選択します。英語がわかりやすいので「English」をタップ。なお、言語以外の部分をタップするとフランス語表示となります。
右側の「You don’t have a Navigo Pass:touch here」をタップ。ナヴィゴ・イージーを持っていてチャージする場合は左側をタップします。
1回券を購入する場合は左側の画面、ナヴィゴ・イージーのICカードとチケットを購入する場合は右側の画面をタップ。
画面内の「Mobilis 1day」は2024年1月から「ナヴィゴ・ジュールNavigo Jour」に変更
次の画面でチケットの種類を選択します。1回券なので、一番上の「Ticket t+」を選択します。パリ・ヴィジットやエアポートチケット(ロワシーバス、オルリーバス)なども選ぶことができます。
1枚から9枚まで選べる。10枚購入はナヴィゴ・イージーのカルネとなる
「Ticket t+」をタップすると、何枚購入するか選択する画面になります。間違えたら「Back」、もう一度初めからやりたいなら「Cancel all」をタップ。
金額が表示され、問題なければ「Validate」、続けてほかのチケットを購入したい場合は「Next purchase」をタップ。支払いはクレジットカード、硬貨、お札が利用可能ですが、自動券売機によってはカードのみ、お札は使用できない、使える場合でも€5、€10、€20札のみ。支払い画面になると「Do you want a receipt?」とレシートが必要か表示されるので、YesかNoを選択します。
写真上が1回券、下はレシート
支払い後、自動券売機の下にある取り出し口からチケットが出てくるので、これで完了です。新旧どちらの機械も画面や手順は同じで、操作ローラーがあるかないかの差です。
■ナヴィゴ・イージーの買い方
ナヴィゴ・イージーのパスとチケットを購入する場合は、1回券の購入手順から、3番目の画面で右側をタップ。「How many people are travelling?(旅行者は何人ですか)」の表示画面になるので、必要な人数(枚数)を選択します。
次に、どのチケットやパスを購入するか選びます。選択肢は以下のようなものがあります。
●One-day transit pass:1日乗り放題(ナヴィゴ・ジュール)
●Single-journey ticket:1回券、カルネ(10回券)
●Journey tickets reduced rate:割引乗車券(子ども料金)
●Orlybus ticket:オルリーバス
●RoissyBus ticket:ロワシーバス
●Navigo Jeunes Week-end:26歳未満対象の土・日曜と祝日のみ利用できる1日乗り放題券
「Single-journey ticket」をタップすると、1回券かカルネ(10回)を選択できる画面に移ります。
1日乗り放題(ナヴィゴ・ジュール)を購入する場合「One-day transit pass」をタップすると、使用開始日を選ぶ画面に移ります。購入日から7日後まで選択できます。次の画面で1〜5までのゾーンを選び、支払いが完了すると取り出し口からナヴィゴ・イージーが出てきます。
■ナヴィゴ・イージーのチャージ方法
チャージ専用機械。支払いはクレジットカードのみ
ナヴィゴ・イージーを持っていて、新たにチケットやパスをチャージする場合は、「Rechargemet navigo」と書かれた専用チャージ機か、新型の自動券売機で行います。
自動券売機の1回券購入手順から、2番目の画面左側「Place your Navigo pass」をタップ。ナヴィゴ・イージーを指定の場所に置いてセットし、使用するチケットやパスを選択して購入します。
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メトロの乗り方と注意点、RERについてもチェック
写真の改札だと右側の改札は使えない
チケットを購入したら改札を通ります。改札は複数あり、すべて自動ですが、緑色の矢印が点灯している改札のみ利用可能。また、「Réserve Navigo」と書かれた改札は、ICカードのみ通過できます。
紙の1回券やパリ・ヴィジットの挿入口
日本のICカード(SuicaやPASMOなど)と同じようにしっかりタッチ
ICカードのナヴィゴ・イージーやナヴィゴ・スメーヌは写真の紫色部分にタッチ、紙の1回券やパリ・ヴィジットは専用の挿入口へ。紙のチケットは取り出し口があるので、必ずチケットを回収しましょう。検札が抜き打ちで行われるため、チケットを所持していないと罰金が課せられます。
ICカードをタッチ、紙チケットを挿入したら、すぐにレバーを押して入場します。駅によっては透明の自動扉が設置されている改札もあります。
9号線のPont de Sevres駅行きホームを指す看板
改札を通過したらホームに進みます。パリのメトロでは、基本的に路線番号+終着駅名が行き先の表示ですが、ホーム近くには終点までの駅名が記された看板が設置されているので、目的地に向かうか確認しましょう。
ホームには電光掲示板があり、2本目までの電車の到着時間が示されています。ベンチがいくつか置かれ、スナック菓子や飲み物の自動販売機もあり。また、安全性向上のため、ホームドアを設置する駅も増えてきています。
1号線、14号線、新型車両では自動ドア、旧型車両は押しボタンか手動式ドアが使われています。写真のように、旧型車両はハンドルを押し上げて開けます。停車直前にドアロックが解除されるので、降車時も乗車時と同様の操作をしてドアを開けて降ります。
車内には3人掛けの長イスやボックス席、ドア付近に折り畳みイスが配置されています。混雑してきたら折り畳みイスを畳む、降りる際には「Pardon(パードン)※フランス語ですみません/ここを通してくださいの意味」と声をかけるのがマナーです。
数字は出口番号、欧文は出口がある通り名
「Sortie 出口」の表示に従って、訪れる場所に近い出口へ向かいます。駅構内の至る所に出口の看板があるので、迷う心配なし。特に観光スポットは名称とイラスト付きなので分かりやすいです。ショップやレストランへ向かう場合は、店舗から近い出口とその通り名をチェック。
メトロの番号とその行き先(終着駅)の看板がある
ほかの路線に乗り換える際は、メトロの番号が書かれた看板通りに進めばOK。メトロ間の乗り換えは自由で、改札もありません。
メトロ利用について注意すべき点もいくつかお伝えします。まず、エレベーターやエスカレーターを設置する駅は一部に限られていて、ほとんどの駅では階段のみ。そのため、地上に出る際や路線の乗り換え時には、歩くことが多くなります。また、複数の路線やRER・フランス国鉄の駅でもある場合、駅構内は広く、予想以上に歩くことになります。メトロ1・4・7・11・14号線とRERのA・B・D線が乗り入れているシャトレ・レ・アールChâtelet Les Halles駅、メトロ4・6・12・13号線とフランス国鉄もあるモンパルナスMontparnasse駅など。乗り換えの際には気をつけてください。
駅構内や車内ではスリが多発しているので、カバンは前に持ち、お財布やスマートフォンをむやみに出さないようにしましょう。1号線は特に要注意です。
国営交通RATPではたびたびストライキ(フランス語でgrèveグリーヴ)が起こります。メトロが運休となる場合もあるので、そんなときは歩く、またはレンタサイクル、バスを利用しましょう。
メトロ駅構内の乗り換え案内には[RER]もある
RER(エール・ウー・エール)とメトロの違いも気になるところ。RERは主要メトロ駅とパリ市郊外を結ぶ高速郊外鉄道で、RATPとフランス国鉄SNCFが共同で運営しています。A〜E線まであり、ヴェルサイユ宮殿やシャルル・ド・ゴール空港など、パリ近郊へのアクセスに便利。ただし、治安の悪いエリアを通る線もあるので、メトロと同様、警戒が必要です。
料金はパリ中心部(ゾーン1)だとメトロと同じ€2.15、ゾーン2から5までの郊外では目的地によって料金が異なります。パリ・ヴィジット、ナヴィゴ・ジュール、ナヴィゴ・スメーヌの使用は有効ゾーン内であれば可能ですが、乗り越し精算はできないので、事前に目的地までのチケットを購入しましょう。また、改札を出るときもチケットが必要なのでなくさないように。
パリ観光に便利なメトロ情報はいかがでしたか。2024年7月26日から9月8日まで開催するパリ2024オリンピック・パラリンピック期間は、1回券が€4、カルネは€32(予定)など値上げされます(値上げ期間は7月20日から)。また、競技会場となる1・8・12号線コンコルド広場Concorde駅、1号線チュイルリーTuileries駅は6月17日から9月21日まで閉鎖されるなど、オリンピック開催前から変更となるので、訪れる人は最新情報をチェックしてください。
Text:木村秋子(editorial team Flone)
Photo:yoko
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