【インクライン】 急勾配を巨大な台車が静かに進むインクライン

インクライン下部と呼ばれる、インクライン乗り場

黒部川第四発電所からはインクラインという乗り物を利用するため、インクライン下部へ向います。インクラインのルートも竪坑エレベーターと同じく、急峻な地形のため強固な岩盤をくり抜いてトンネルを掘っていて、大型の機器などを運べるようになっています。

インクラインは2つの台車を頑丈なロープでつないだつるべ方式。真ん中で2台がすれ違うのが見どころです

インクラインの内部。人を運ぶときは長イスになっています

傾斜鉄道ともいわれる「インクライン」は、傾斜がある路面で貨物を運搬する台車のことをいいます。日本では京都の蹴上インクラインが知られていますが、キャニオンルートのインクラインは大量の資材と作業員を運ぶため4.5tのビッグスケール。2台の台車をつるべ方式で昇降させ、大型機器なども運びます。長さ815m、高低差456m、斜度34度の急な傾斜をインクライン下部から約20分で、インクライン上部に着きます。

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【黒部トンネル内バスとタル沢横抗】 個性的な乗り物だけではない途中見られる素晴らしい景観も魅力

最後の乗り物、黒部トンネル内バスに乗車します(写真は途中で停車するタル沢横抗)

「インクライン上部」からは、最後の乗り物、黒部トンネル内バスに乗り換えします。バスで約10.3km走ると、「黒部ダム」はもうすぐ近くに!

目の前に北アルプスの峰々が迫ってくるタル沢横抗の展望台

タル沢横抗でバスを降りて徒歩約3分、裏から眺める劔岳の眺望が見れます

途中、タル沢横抗というところでバスはいったん停車し、下車します。ここには横抗があり、暗いトンネル道を先に進むと視界が急に開ける展望台に到着です。富山平野の反対側から剱岳を眺められるスポットで、登山者も憧れる「裏剱」の勇姿が見られます。

「黒部宇奈月キャニオンルート」は地中内を進む個性的な乗り物も魅力ですが、途中には雄大な山々の景観を見られる場所がいくつかあって、乗り物以外の楽しみもあります。