経験を積んで、失敗もしてこそ、水中写真は上達する

――河田さんは水中写真を誰かに習ったりはしていないんですか?

河田氏

特に習ってはいません。独学です。でも、一眼レフカメラを買うときは、水中写真家の上出俊作さんにアドバイスしていただきました。当時、近くに住んでいてよくしていただいていましたので。カメラをお借りして、試しに使わせてもらったりしました。

――ズバリ、水中写真がうまくなるコツはありますか?

河田氏

よく言われることですが、いきなり水中写真が上手く撮れる人なんていないと思います。最初は何気ない景色でもたくさん撮るといいと思います。どういう設定でどう撮れるのか。ストロボの位置は? 光量は?などを考えて、撮影経験を積んでいくことが大事だと思います。たくさん撮影して、失敗もしてこそ、上達していけるのではないでしょうか。写真の経験値がないのに、被写体ばかりを追い求めても、良い写真は撮れないと思います。

――今後撮影してみたい被写体はありますか?

河田氏

大型海洋生物や撮影したことのない群れなど、生き物に特化した撮影をしたいです。水中写真家の越智隆治さんの写真を拝見することが多いんですが、メキシコのカジキだったり、シャチだったり、シロナガスクジラなどに興味があります。ザトウクジラは店でホエールスイムツアーを行っているので、よく撮っていますが…。

沖縄でザトウクジラを撮影する機会は多いという(写真/河田啓奨氏)

――最後に、河田さんにとってダイビングとは、水中写真とはどういうものかを教えていただけたらと思います。

河田氏

僕は撮影することだけが好きなわけではないんです。ガイドをすることも、お客様に水中写真をプレゼントして喜んでいただいた顔を見たりするのも好きです。水中写真はもちろんですが、生涯ダイビングの仕事を続けていきたいなと思っています。

清水淳賞受賞

河田啓奨氏 Keisuke Kawata
沖縄県那覇市在住のダイビングガイドで、「DIVE JOURNEY」代表。ドリフトダイビングをベースにワイドな被写体を撮影することがほとんどだそうで、愛用する撮影機材は完全ワイド仕様。ダイビング歴9年、水中写真歴6年。(インタビュー時)

第1回JUPCで清水淳賞を受賞した河田氏のインタビュー、いかがだったろうか? 沖縄でダイビングガイドとして活躍しながら、大好きな群れや大物の水中写真を撮り続けている河田氏。「お客様に自分が撮った写真を喜んでもらえることが嬉しい」という言葉が印象に残った。

第2回日本水中フォトコンテストの入賞作品は、

2024年4月6日に発表!

今年で2回目を迎える「日本水中フォトコンテスト」。いよいよ4月6日(土)に「マリンダイビングフェア2024」で入賞作品が発表される。今回はどんな作品が選ばれるのか、とても楽しみだ。

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