着水音を抑えるコツは、
「ルアーの軌道+余計な力を入れない!」

ルアーの軌道が少し上を向いただけで、着水音は大きくなります。わりに軽めのワームでもタイミングを誤れば結構大きめの音が出てしまい、結果的にバスを散らしてしまう確率も高くなります。
ベストなタイミングに合わせるのは難しいので、最初はねらうポイントから少し遠くに飛ばすことを意識しましょう。ポイントの少し先に着水させワームを引いて手前に入れれば、バスにプレッシャーを与えずにねらうポイントへ正確にルアーを持っていくことができます。
ただし極力着水音を抑えるキャスティングができれば、それだけいい釣果につながることは間違いありません。

一方で、ロングキャストで着水音を抑えるのはまず不可能ですが、自身のすぐ近くをねらうようなキャスティングであれば、テクニック次第で着水音を極力抑えてキャストすることができます。
ポイントはルアーが飛んでいく際に、いかにラインのリリースをうまくコントロールし、水面に波紋を出さずにルアーを落とすことができるか、ということです。低い軌道でルアーを飛ばすことができれば、ルアーは水面に「ボチャン!」と音を立てて落ちていくのを防ぐことができます。

また低い軌道を意識するのと同時に、あまり遠くに飛ばそうとせず自重でルアーが飛んでいくことを強く意識することも効果的です。遠くに飛ばそうとするとロッドを立てる時点でルアーに余計な力がかかりますが、変に遠くに飛ばそうとせず極力ルアーにかかる力を抑えれば、着水をコントロールしやすくなります。


ルアーの持ち方としては「手のひらの上に載せる」「リーダー(ルアーに近いライン箇所)部分を持つ」という2種類があり、自分のやりやすい方法で行えば問題ありません。ただし着水音を抑えるには後者がおススメです。リーダーを持った状態から始めると、ロッドからルアーに余計な力が入れにくいので、着水をコントロールしやすくなります

着水音を抑えるテクニックは難しく、実は私もそれほど完璧に成功したことはありません(笑)。しかしうまくキャスティングできたときには、着水してすぐにパクっ! とバスが食いついてきたり…それはもう快感すら覚えるものがあります。
ある程度飛距離はあきらめなければなりませんが、初めてでもポイントまで3~4mくらいの距離は可能ですので、練習して徐々にテクニックと飛距離を上げていくようにしましょう。

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足場の高さにも気を付けよう!

着水音のコントロールにおいては、キャストを行う場所にも注意しましょう。写真のように水面と自分が立っている地面に高低差がある場合は、平地と同じようにキャストを行うと、いくらうまくコントロールしても着水する際に音が出てしまいます。


この足場は水面から1m程度の高さ。ちょうど足場の際に葦も生えて絶好のポイントなので、できるだけ着水音を出したくないところ。ちょっと前かがみの姿勢になってキャストをおこなうのも1つのコツです

原因は、自分の立っている位置が水面より1m以上も高い位置にあること。この位置でルアーが最下点を通過するときには水面から1m程度の差があることになりますので、そのギャップ分に対してのコントロールはできず、ルアーが落ちた際に着水音を出してしまうことになります。この場合は、最初のロッドコントロールを高低差に合わせる必要があります。

具体的には最初にロッドを水面に向けた下向きの構えを取り、ロッドを立てる際に地面と平行になる位置くらいまでとするような感じです。もちろん水面と地面の高低差によりロッドの傾きはそれぞれ変える必要がありますが、高低差があり過ぎるとそもそも着水音を抑えること自体がかなり難しくなるでしょう。

タイミングの取り方など高い精度が要求されるだけに、最初は習得が難しく見える「ピッチング」テクニックですが、できるようになるとバス釣り攻略のバリエーションは広がり、魚をねらえるポイントも増えるのは確実です。まずは「まっすぐ前に投げられること」「ルアーが上向きに飛ばないこと」に慣れ、それからできることを徐々に習得していくといいでしょう。
また、ピッチングに「これ」といったやり方は存在せず、人によってさまざまなテクニックが開発されています。なかには手首の使い方で「えっ、ピッチングでこれだけ飛距離を稼げるの?」などといった驚くようなテクニックを駆使されている方もいるようです。 基本的なテクニックを押さえたら、自分が「こうしたい」というポイントを整理し研究していくことで、よりバス釣り上達の楽しさを味わえると思いますよ。

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レポーター

プロフィール:黒野 でみを
40歳で会社員からライターに転身、50歳で東京より実家の広島に戻ってきた、マルチジャンルに挑戦し続ける「戦う」執筆家。
広島、とくに実家の東広島はブラックバス釣りでは「野池天国」と呼ばれる場所。マナーを守って楽しめる釣りを、HEATの執筆を通して追究していきたいと考えている。