RVブーム全盛期で花開く、高い走破性と豪華内外装の融合

メッキのドアミラーはフロントサイドガラス前下部を遮らないよう配置され、この時代でも視界の確保に細かい配慮がなされている

発売当時のプレスリリースでも、レジャーユースを背景に需要が拡大傾向の4WDへ、さらに多用途性や快適性を求める市場の要請にハイラックス4WDベースで応え、「広い居住空間と、荷室スペースを確保したレジャー志向の多目的四輪駆動車」と、意図が明確です。

ハイラックスはもともと、小型ボンネットトラックの設計・開発に手慣れた日野自動車が、最大のライバル、日産 ダットサントラックへの対抗馬をトヨタに任されたもので、3代目(1978年)で走破性も高い評価を得たスポーティな4WDオフローダーピックアップも登場。

4代目をベースに豪華内外装を与えたのが初代ハイラックスサーフで、アメリカ西海岸の現地コーチビルダーが作った伝統もそのままに、代を重ね(海外では)現在も販売されるワゴン型SUVの始祖となったのです。

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現在のRAV4などと逆のシティオフローダー風クロカンだった

側面から「後席ドアがあればいいのに」と思いそうだが、当時の北米は2ドア車の輸入関税が高く、規制緩和された2代目(1989年)からは後席ドアもある4ドア車も設定した。

ルーフまで回り込むリヤクォーターウィンドウや、運転席からも操作できるバックドアパワーウィンドウを持つFRP製の後部キャビンに安っぽさはなく、2代目から追加される5ドアやメタルトップはまだありません。

ファブリック表皮のシートや、カーペット製リヤデッキマットなど、現在の撥水シートを採用したアウトドア系SUVと比べれば、レジャーより普段の満足感が優先。

カタログでも、「いつも爽やかなアメリカの風が吹き抜ける」と、車内での非現実感をアピール、後の日産パイクカー「パオ」や「ラシーン」との共通項や、現在のクロスオーバーSUVへ続くシティオフローダー的要素も感じさせます。

ただし初期型の足回りはハイラックスそのもので操縦性や快適性が良好とは言えず、フロントをダブルウィッシュボーン独立懸架へ変更、5ナンバー登録のワゴンや4速AT追加、走行中でも4WDのハイ/ロー切替を可能にするなど、改良を続けました。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

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