ピックアップベースSUVのヒット作、ハイラックスサーフ

正面から見るとハイラックスピックアップの4WDと変わらないタフそうなイメージ

SUVはザックリ分ければ3種類あり、1つ目は元祖クロカンたるジープや、その同カテゴリー車から発展したクロカン(クロスカントリー)車、2つ目はピックアップトラックなどのフルキャブ版、3つ目が乗用車と同じフルモノコックのクロスオーバーSUVです。

ランドクルーザープラドへ統合される形で、今は日本国内で販売していないハイラックスサーフは、ハイラックスのピックアップトラック版をフルキャブ化した2つ目のパターンで、1980~90年代のRVブームでは日産 テラノともども人気モデルでした。

ダブルキャブピックアップトラック版の「ハイラックス」は日本国内でも販売を再開しているものの、海外では今も5代目が「4ランナー」の名で販売中のハイラックスサーフはよほど需要がない(RAV4でコト足りる)と思われているのか、復活しそうな噂もありません。

一体どんなクルマだったのか、原点たる初代モデルから振り返ります。

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初代のキーワードは「アメリカ」

視点を斜め前に変えると、ハイラックスピックアップをベースにワゴンボディ化したものとわかる。画像は1986年に追加された、2リッター直4OHV・EFIの3Y-Eを搭載する5ナンバー登録のワゴン(型式YN61) 。

「これこそ、待ちに待ったアメリカだ」、初代ハイラックスが1984年5月に発売当時のカタログを開くと、このキャッチコピーを筆頭に「PURE AMERICAN SPIRIT」「AMERIKAN OFFROAD MACHINE」と、ひたすら「アメリカ」を強調してきます。

そもそも4WDピックアップのワゴン化、現在でいうSUVへの仕立て直しはアメリカ西海岸で流行っていた文化で、トヨタもコーチビルダー(架装メーカー)へハイラックスの車体を提供しているうち、自社開発でも商売になると考えたようで、まずは1983年に北米で発売。

翌年には日本でも発売しますが、冒頭のように「これぞアメリカで流行している最先端だ!」という自信に溢れており、実際に日本でも1970年代末から、商用車やオフローダーをカスタムしてオシャレに乗るRVブームが始まっていたので、うまく時代に乗りました。

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