最後の自然吸気VTECスポーツ! 3代目 シビックタイプR(FD2・K20A R-Spec)

ホンダFD2 シビックタイプR(3代目)

比較的新しく、かつ戦闘力の高いDOHC i-VTEC搭載車

プレミアがつく前のテンロクシビックなら、B16Aを積むEG6(“スポーツシビック”SiR)やEK4(“ミラクルシビック”SiR)もオススメするところですが、あくまで実用車のホットモデルですから、よほど思い入れでもなければ二の足を踏みます。

そして真打ちのEK9、初代シビックタイプRはDC2/DB8インテグラタイプR同様、新車販売当時は「フルノーマルでも走りを楽しめるという意味では、チューンドと全く遜色ないマシン」でしたが、感動する度合いやストイック度でインテグラに及びません。

ならば歴代シビックで維持や中古車の購入が比較的容易、現在でもモータースポーツの第一線で活躍できる実力を持ち、最高出力225馬力に達する2リッター自然吸気DOHC i-VTEC、K20A R-Specのの美味しいところをフルに活かして楽しめるオススメは、FD2です。

ファミリーセダンとしては失格もいいところだが、それがイイ!

4ドアセダンのため、ポジションとして4ドアハードトップ版のDB8インテグラタイプR後継という感じで、先代EP3と同様にイギリス製のFN2(シビックタイプRユーロ)も輸入しましたが、モータースポーツなど表舞台で活躍したのは、もっぱらFD2の方。

一見すると鈍重そうに見えて、日本向けノーマル車にあるまじきガッチガチの足回りでファミリーカーとして使用するには相当な無理があり、代わりにサーキットなど平滑な舗装路面なら抜群の走行性能を発揮しますが、タイプRなので許されるのが面白いところです。

それでも4ドアですからいざとなれば後席に人が乗れるメリットは大きく、他のK20A R-SPEC搭載車が軒並み3ドアハッチバック/ファストバッククーペなのに対し、実用性は抜きん出ています。

しかも中古車市場ではタマ数135台、車両本体価格は188万円~478万円と、まだ強烈なプレミアで「資産化」も進んでいないため、現実的な価格で比較的新しく高性能なVTECスポーツを楽しみたいなら、文句なしにオススメできる1台です。

(広告の後にも続きます)

VTECスポーツ最後の戦いへ! 6代目シビックタイプR(現行FL5・K20Cターボ)

ホンダFL5 シビックタイプR(6代目)

今やクルマ好きが真に楽しめるVTECへの道は険しい

ホンダが販売している中で唯一、「VTEC搭載車だからとオススメする理由のある車」が、2022年9月に発売されたばかりで最新のFL5シビックタイプRです。

ベースグレードでも車両本体価格は499.73万円、先代のリミテッドエディションのように限定モデルでも出れば軽く550万はオーバー、600万を超えても不思議ではない高価なクルマで、FF世界一を競われても、サーキットにでも行かなければ真価を発揮できません。

先々代のFK2以来、熟成を重ねたVTECターボK20Cはついに330馬力に達しましたが、そこまでこだわりながらスイッチ式の電子制御パーキングブレーキは普通のシビックと同じで、FK2まで戦ってきたジムカーナでサイドターンもできないのは興醒め。

現行車ならこれが一番…というより、これしかないから一番!

それでも、軽自動車をメインに、ミニバンやSUVでなんとか自動車メーカーとしての体裁を維持しているホンダにとって、「過去にDOHC VTECで一世を風靡した名残」を残す唯一の現行車であり、「これしかないのだから、これが一番オススメ!」なのです。

だからこそ、ホンダには「世界一のFFスポーツなのに、できない事がある」という妥協をしてほしくないのですが、幸いFL5はまだ発売されたばかりですから、まだまだ時間はあります。

今後は米GMの小型車担当、ソニーとの協業モデル、新世代モビリティなど、従来とは異なるクルマづくりで忙しくなるホンダに、FL5以外の、ましてや初代EK9のようなタイプRを作る余裕はないはずで、せめて最後に残された夢を少しでも長く見せてほしいものです。

K20Aエンジンとは

ホンダのK20Aエンジンとは?最強の2リッターNAエンジンはF20Cより速いのか?

名機B16A搭載車の中から、厳選した名車3台をご紹介

国産NAエンジンで前人未到のリッター100馬力!名機B16Aを搭載したホンダの名車たち【推し車】

3月21日「ミュージックの日」にちなんで

ンバァァアアアアアアアあり。ホンダが「Honda製品オノマトペまとめ」を公開!