かつて「商用車」、それもライトバンや軽1BOX車、軽トラックは各メーカーが力を入れてきた分野でしたが、1990年代から需要が減っていって他社からのOEM供給で済ませる事が増え、2000年代にはその流れが加速していきました。
そして2020年代になると、未だ軽1BOX商用車と軽トラで争うスズキとダイハツを除き、その他の分野は圧倒的なシェアを誇る1社と、もう1社くらい細々と続く程度。
今回は2000年代に現れ、2020年代に市場を制している3台の勝ち組商用車を紹介しましょう。
トヨタ プロボックス(2002年)
仕事からレースまで活躍する、ライトバンの超ロングベストセラー
2000年頃には、カローラ/スプリンターバンとカルディナバンへとライトバンの車種統合を進めたトヨタが、それらの後継として開発した、ライトバン/ステーションワゴン専用車(乗用登録のワゴンは2013年で廃止)。
2020年に「トヨタ」ブランド全販売系列が全車種取り扱いへ移行したのに伴い、姉妹車サクシードが廃止されてプロボックスに一本化されました。
実用性全振りのビジネスバンとして考え抜かれた使い勝手だけでなく、動力性能は平凡ながらエンジン特性やギア比の最適化で加速性能は優れており、デビュー当時の販促映像にはライバルの日産 ADバンとの加速比較もあったと言われています。
2014年のビッグマイナーチェンジで大きく姿を変え、2018年にはハイブリッド車を追加するなど改良を続けて販売台数でライバルに大差をつけ、ワンメイクレースや、近年ではリフトアップでSUV風のカスタムなど、一般での人気も高いモデルです。
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トヨタ ハイエース(5代目・2004年)
国産1BOX車の横綱にはモデルチェンジなど不要?!
東京オートサロンではカスタムベースの定番、盗難被害の多さでも知られる大人気車種で、今や軽自動車を除く1BOX車の代名詞的とも言えるハイエースですが、現行の5代目H200系は2022年でデビューから18年。
プロボックスと異なり大幅なデザイン変更すら行われておらず、海外仕様は2019年にセミボンネット付きの6代目H300系へ進化したにも関わらず、日本仕様は5代目のまま改良しつつ販売中で、噂されるモデルチェンジが不要とすら思えるほど高い完成度を誇ります。
多彩なボディバリエーションのうち、ワイドボディ仕様はデビュー当初に「室内幅1,880mmでキャンパー仕様は横向きに寝られる」との誤報(実際は全幅で、室内幅は1,705mm)まで流れたほどの堂々たる姿で、まさに1BOXバンの横綱。
ライバルの日産 キャラバンに販売台数で大差をつけており、現在はマツダにもボンゴブローニィとしてOEM供給されています。