現在、日本の自動車市場で鉄板と言ってもよいほど最大の売れ筋で、軽自動車ブームの牽引役となっている軽スーパーハイトワゴン。

初代スズキ ワゴンR(1993年)に始まる軽トールワゴンブームを引き継ぎ、2010年代に入ると爆発的に販売台数を伸ばしてきましたが、そこで大きな役割を果たしたゲームチェンジャー的な3台を紹介します。

ダイハツ タント(初代・2003年)

最初はただの「背の高いクルマ」だった元祖軽スーパーハイトワゴン

ダイハツ タント(初代)

スズキのワゴンRに出し抜かれ、ミラがベースの初代ムーヴ(1995年)が急造ながらもワゴンRに当初なかった高性能ターボ車や5ドア車、カスタム仕様で対抗、新規格軽自動車時代にも2代目ムーヴ(1998年)で追撃します。

しかし一度ブランドとして定着したライバルには及ばず、目先を変えてトールワゴンよりハイルーフのスーパーハイトワゴンを開発したのが、初代タントです。

まだ軽自動車にスライドドアが定着する以前の話で、2代目から左側後席に採用する、助手席ドアとともに開放すれば広大な開口部を生むミラクルオープンドアではなく、後席も通常のヒンジドアでしたが、得意のカスタム戦略もあって、それなりの人気が出ます。

それでも販売トップはワゴンRで、タントは2代目まで売れ筋のムーヴを補完する存在に過ぎませんでしたが、各社が軽スーパーハイトワゴンを主力とする2010年代までにもっとも経験を蓄積するメーカーになりました。

<悲劇>流行った下ネタと同じ名前だった車も…名前で損してそうなホンダ車たち【推し車】

(広告の後にも続きます)

ホンダ N-BOX(初代・2011年)

軽自動車の価値を高めてブームを起こし、国民車として返り咲かせた

ホンダ N-BOX(手前)とN-BOXカスタム(奥・いずれも初代)

初代タントが軽スーパーハイトワゴンとしての形、スズキ パレット(2008年)が後席両側スライドドア、それぞれ先行して実績を作る間、ホンダは軽トールワゴンの5代目ライフ(2008年)を最後に軽乗用車から撤退と噂されるほど、低迷していました。

しかし心機一転、かつてN360で一世を風靡した原点に帰り、限界まで極めたスペース効率、存在感ある外観デザイン、軽自動車だからと妥協しない充実した装備や品質で攻めまくった「N」シリーズを全面新開発、第1弾がN-BOXです。

それまでライバルが重視していた堅実なファミリーカー的要素や、軽自動車ゆえの経済性よりも、軽自動車という枠にとらわれず積極的に選ばれるクルマづくりに努めた結果、発売直後から従来の定番車ワゴンRを押しのける大ヒット!

やがて日本の自動車市場が衰退する一方、N-BOXが先頭に立った軽自動車は好調を維持し、軽自動車ブームの立て役者となりました。

俺だって…こんな車名嫌だったんだよぉぉ!名前で損してそうな日産車たち【推し車】