③【聴覚×視覚】伝えることの尊さを再確認できる作品!
『カメレオンはてのひらに恋をする。』 作:厘てく
©Rinteku/SQUARE ENIX
大学生で俳優の藤永は、オーディションに落ち続けて自信を失っているところに先天性難聴の青年・ケイトに出会う。
初めて触れる手話に、最初は驚きを隠せずにいた藤永でしたが、演技を通して「伝える」ことへの思いを強く抱いていたため、だんだんと手話の学習にのめり込むように。そして同時に、ケイトとの距離も縮まっていく……というハートフルなラブストーリーです。
「2024年 BLアワード」総合コミック部門とエモーショナル部門にWノミネートされており、発売から2ヶ月ほどで第3刷目の重版が決定するなど大きな話題を呼んでいる作品です。
©Rinteku/SQUARE ENIX
作中で印象的なのは、二人の会話シーンでの手話の描写。作者の厘先生は自身の手をモデルにして丁寧に描写したため、「ペンを持つ時間より手を観察してる時間の方が長かった」とあとがきで語っています。
まだ手話を完全には習得していない藤永のために、普段は言葉を織り交ぜてコミュニケーションを取っている二人。
ですが、1巻のラストシーンではあえて手話のみでお互いの気持ちを伝えており、なんといってもその手の描写が美しいのです……!
音のないシーンだからこそ、真っ直ぐ、ありのままに感情が伝わってくるのかもしれません。
©Rinteku/SQUARE ENIX
感覚や言語、身体表現などさまざまな手を尽くしても、自分の気持ちを他人に伝えることは難しい。
それでも、自分らしい表現で懸命に伝えようとする二人の姿を見ていると、「伝える」ことの尊さを改めて実感することができますよ。
<作品情報>
『カメレオンはてのひらに恋をする。』 作:厘てく
出版社: スクウェア・エニックス
レーベル:ガンガンBLiss
作品URL:https://magazine.jp.square-enix.com/top/comics/detail/9784757587519/
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④【聴覚】推し声優の“攻めイケボ”がたまらない!
『その声には抗えない』(作:咲みなん)
©咲みなん /ジーオーティー
人気男性声優の吉野鷹臣を密かに激推ししている主人公・大神飛鳥。そんな飛鳥がある日バイト中に不審な男を発見し、声を掛けると、なんと正体はその推し声優(吉野)であることが発覚!
酔いつぶれる吉野を介抱するため自宅に連れて帰ると、突然唇を奪われてまさかの展開に……?
泥酔した吉野の“勘違い”をきっかけにスタートした、二人の秘密の関係。
「純粋なファンでいたい」と最初は抵抗していた飛鳥ですが、耳元で甘い言葉を囁かれる度に、タイトル通り“抗えない”状態になってしまいます。
©咲みなん /ジーオーティー
家に帰った後も吉野のイケボが耳に反響し、耐え切れずに一人で悶々とする様子が最高に可愛いんです。
個人的に最も感覚に訴えかけてくると思うシーンは、吉野が出演するBL作品のセリフを耳元で朗読する場面。
©咲みなん /ジーオーティー
低音ボイスが魅力の売れっ子声優とのことで、音声はなくともこちらの脳内でも声が響してくるような錯覚に陥ります……!
ぜひ皆さんも、飛鳥のように“抗えない”状態を楽しんでみてはいかがでしょうか。
<作品情報>
『その声には抗えない』作:咲みなん
出版社:ジーオーティー
レーベル:Bivy comic
作品URL:https://medu.gotbb.jp/comics/separatevolume/bivycomic/sonokoe