『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』Blu-ray(キングレコード)

【画像】え…っ?全然雰囲気違う! これがいろいろあるマンガ版の『ニンジャスレイヤー』です(4枚)

え? まだできてない状態で流してた?

 ストーリー以外に、アニメのクオリティに大きく関わるのが「作画」「演出」の良し悪しです。しかし、なかには意図的におこなった演出が「作画崩壊」などと言われてしまうこともありました。今回は、さまざまな理由で作画や演出に影響が出てしまったアニメを振り返ります。

『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』

 2015年にニコニコ動画などの動画配信サービスで配信され、その後TV放送された『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』は、アメリカ人作家コンビが描いた小説を元にした作品です。ニンジャやサムライという日本的な要素を持ちながらも、アメリカ的な表現方法を採用したことで、独特な世界観が大きな人気を得ていました。

 原作ファンが期待するなかで始まったアニメ放送は、開始と同時に視聴者に衝撃を与えることになります。同作のアニメは作画が荒く、キャラクターは静止画で表現されているかのように動きも少なかったのです。キャラは動かないのに背景やエフェクトだけが動くので、まるでスライドショーを見ているような感覚になります。

 実際には、制作会社のトリガーが意図的におこなった演出だったようです。しかし視聴者からは、「安っぽすぎる」「紙芝居みたいじゃん」との声があがってしまいます。アニメなのに、ED後に実写が出てくるという演出にも「意味が分からない」などいう声がありました。

 特殊すぎる演出の一方で、音楽や声優の演技はかなり好評で、好みが分かれる作品です。

『みなみけ~おかわり~』

 2008年に放送された『みなみけ~おかわり~』は、前シーズンの「みなみけ」の第2期です。日常をコミカルに描いた第1期は、三姉妹の魅力やギャグのテンポが高く評価された人気作でした。しかし、続編である同作では制作会社をはじめ、監督や制作陣が大幅に変更されます。

 その結果、キャラクターの顔や体型が不自然になり、モブキャラの顔が黒塗りされるなど色彩も暗くなりました。また、動きのぎこちなさ、表情も乏しくなり、前作のほのぼのさはありません。アニメオリジナルの「フユキ」という暗い性格のキャラまで登場し、前シーズンのファンからは「作品崩壊」「見てられない」との声があがりました。視聴者の声が届いたのか、第3期からは暗めの演出がなくなり第1期と変わらない雰囲気になっています。

『ロスト・ユニバース』

 1998年に放送された『ロスト・ユニバース』は、神坂一先生の小説が原作のアニメです。ソードブレイカーという宇宙船で旅する主人公ケインとその仲間たちが、巨大犯罪組織ナイトメアと戦うスペースオペラでした。

 同作のストーリーやキャラクターは評価されていますが、作画が安定しなかったのが残念なポイントでしょう。視聴者からも「絵さえよければ……」という声が多くあがっていました。なんと1話の時点ではオープニング映像は製作途中のままで、「只今 作業中」「UNDER CONSTRUCTION(工事中)」といったカットが差し込まれています。

 さらに第4話『ヤシガニ屠る』では、動きがカクカクしていたり画風が崩壊していたりと、あまりの事態に作画崩壊を表す「ヤシガニ」というネットスラングが誕生してしまいました。ちなみに現在の各動画配信サービスでは、リテイク版が配信されています。

 紹介した3作は「問題あり」とはいわれていますが、いずれもストーリーに対する視聴者の評価は高いアニメばかりです。ぜひ一度はチェックしてみてください。