Netflix版『ONE PIECE』のキービジュアル (C)尾田栄一郎/集英社

【画像】え…っ怖すぎ!? 実写『ワンピ』で「グロく?」なったバギーやアーロン、近海の主がこちらです(4枚)

最新作『ゴールデンカムイ』のグロさはいかほど?

 マンガやアニメが実写化されるとき、どこまで原作が再現されるのか気になる人は多いでしょう。しかし、なかには原作のイメージを超えて「思ったよりグロかった……」「原作よりグロい」と、衝撃を与えてしまう作品も存在するようです。今回は、実写化が想像よりもグロかった作品を振り返ります。

 まず、R指定になった作品に関しては、押切蓮介先生原作の映画『ミスミソウ』(R15指定)が、2018年に公開され話題を呼びました。父親の転勤にともない、東京から雪が降る小さな田舎町の学校に転校した春花は、同級生たちから見るに耐えないいじめを受けていました。いじめはエスカレートし、ついには自宅を焼かれる事態となって両親は死亡、妹は全身大やけどを負い入院してしまいます。

 この時点で陰惨極まりない内容ですが、さらに衝撃なのは春花が放火に関わった同級生を殺していく描写でしょう。落ちていた釘で眼球を突き刺し、視界が悪くなったところを鉄パイプで殴打、ナイフで指を切り落とし、もうひとりのアキレス腱を切り殴打、と最初の女子3人の殺害シーンから強烈です。

 男子生徒相手でも腹部を刺し、顔面を切りつけ、崖まで追い込んで転落させて死に追い込んだほか、鼻をペンチでつぶす、ボウガンを目に撃ち込むなど、凄惨な場面が続きました。

 特に衝撃的なのは、担任の先生の事故死です。自分の子供たちが失踪し帰ってこない保護者たちが学校に押し寄せ、担任に詰め寄ります。保護者から逃げようと車道に出たとたん、先生は除雪車に轢かれてしまいました。除雪車の回転式の刃に絡みとられ、ミンチになった先生は血で真っ赤になった雪とともに、除雪車の排雪口から大地へばら撒かれます。

 原作通りの部分もあれば、殺し方が改変されている場面もありますが、実写ならではの雪と血のコントラストの美しさもあり、「グロいのに見入ってしまう」「死ぬ間際の生徒たちの演技が切ない」「ちょっと笑えるところもある」など、壮絶な復讐劇にのめり込んだ観客の好評の意見が相次ぎました。

 また、「原作はそんなイメージなかったのに実写化されたらグロい」という意見が多かったのが、Netflixが2023年8月に配信を開始した『ONE PIECE』の実写版です。同サービスの世界ランキングで、3週間にわたり首位を獲得して話題となりました。Netflix内の指定を見ると「13+」で、12歳以下の子供も見ることはできるものの、保護者の指導や注意が必要な作品ということになっています。

 序盤のロロノア・ゾロとバロックワークスのMr.7が戦うシーンでは、ゾロが「本気で誘うつもりなら7番手よりマシなやつをよこせ」と刀を振るい、Mr.7の体は上下が真っぷたつになって大量の血があふれ、切断面も映っていました。

 さらに、ゾロと世界最強の剣士ジュラキュール・ミホークの戦いも、過激な描写で話題です。憧れの存在に果敢に挑んだゾロでしたが、ミホークの大きな黒刀によってゾロの2本の刀はバラバラに折られてしまい、敗北を味わうことになりました。「背中の傷は、剣士の恥だ」といい、両手を広げたゾロにミホークが切りかかります。血が飛び散り、胸を深く切りつけられたゾロは意識を失ってしまいました。

 そのほか、アルビダが金棒で人を殴る場面や、幼少期のルフィが自分の目の下に傷を付ける、ナミが腕のタトゥーを刺すなどの描写にも「実写だと目そむけた」という意見も出ています。「原作ではだいぶ絵柄でマイルドになってたんだな……」「子供の頃は『ワンピ』の流血シーンが怖かったの思い出した」「魚人も近海の主も電伝虫も実写化したら怖い」などの声もあり、原作者の尾田栄一郎先生の絵柄のポップさで作中のエグい部分が中和されていたことに気付いた人も多かったようです。

 ゲームの実写化で、別種の「グロさ」で語り継がれているのが、1988年に発表された『ドラゴンクエスト ファンタジア・ビデオ』です。人気RPG『ドラゴンクエスト』を映像化したビデオ作品でセリフはなく、オーケストラの映像と実写映像が交互に流れるという構成になっています。

 この作品で注目を集めたのが、『ドラクエ』屈指の有名モンスター、スライムの描写です。ゲームではつるっとしたかわいらしいモンスターとして人気でしたが、同作に出てくるスライムはなかなか気味が悪く、恐怖すらおぼえます。

 勇者が旅の道すがら野営をしていると、木の上からスライムが落ちてくるのですが、ねばねばした光沢をまとい、表面のデコボコした質感や焦点の定まっていない目などが不気味です。肩に乗ったスライムを勇者が振り払うと、スライムは焚き火で煮込んでいた鍋のなかへ落ちました。煮込まれたスライムは、ドロドロに溶けて充血した目玉が飛び出し、見るも無惨な姿となってしまいます。

 すると、今度は次々とスライムが降ってきました。武器で応戦しますが、叩き落とされたスライムは自力で復活してまた勇者に襲いかかります。スライムが復活する際の描写も、カッと見開いた目でニヤッと笑う姿がトラウマ級の不気味さで、今も話題になっています。

 いろんな「グロい」実写化作品がこれまで話題になってきましたが、今現在公開中の実写版で「グロさ」が気になる人が多いのは映画『ゴールデンカムイ』(原作:野田サトル)ではないでしょうか。キャストや各シーンの再現度の高さで好評ですが、それゆえに原作の残虐描写も多少マイルドになりつつも再現されています。

 同作はPG12指定(12歳以下の方には保護者等の助言・指導が必要)で、冒頭の日露戦争の場面や、第七師団の兵士たちがヒグマに襲われるシーン、鶴見中尉が主人公・杉元を尋問する場面の「お団子の串」の使い方など、なかなか過激な描写が続くので鑑賞の際は注意が必要かもしれません。