『グレンダイザーU』PVで描かれるグレンダイザーの手には、マジンガーZの頭部が? (C)Go Nagai/Dynamic Planning-Project GrendizerU

【画像】ヒロイン多すぎでは? 新作『グレンダイザーU』に登場予定のキャラクターたち(6枚)

「マジンガーZ」登場でファンの意見は真っ二つに

 来年の2024年からスタートが予定されているアニメ『グレンダイザーU』は、かつての人気ロボットアニメ『UFOロボ グレンダイザー』(1975年放送)のリメイク作品です。その期待からか、新たな情報が出るたびファンの間では話題に上っていました。

『グレンダイザー』は、国内よりも海外の方が人気の高い作品とまで言われ、世界的にも注目されています。しかしながらリメイク作品の常で、前作とは違った部分に賛否両論が集まりがちです。特に議論が起こった部分に注目してみましょう。

 もっともファンが注目した変更点は、「マジンガーZ」の登場でしょうか。本作のメインキャラのひとりである兜甲児が『グレンダイザー』本編以前、『マジンガーZ』で主人公のときに乗っていたスーパーロボットです。旧作ではグレンダイザーと共演することはなく、今回が初の共演となります。

 ちなみにデザインと色が旧アニメ版と違いますが、これは『U』に登場するマジンガーZはマンガ原作版がベースだからです。腹部が凹状になっている点や、ホバーパイルダーが白い点、シルエットが十字架のように見えるジェットスクランダーなど、原作マンガのデザインを引き継いでいます。

 もともと旧作での甲児は「TFO」という自作のUFOに乗っており、後にグレンダイザーと合体するダブルスペイザーに乗り換えていました。ところが、かつての主人公として脇役に甘んじていることが許せない人も少なくなく、甲児がマジンガーZに乗って活躍することを望んでいたファンは当時から多くいます。

 そういう点では今回のマジンガーZ登場を喜ぶ人もいましたが、その気持ちを裏切るような画面が特報にありました。それは、Zの首を持つグレンダイザーの姿。どうやらZは初期の段階で破壊されるようなのです。

 実は発表されたイントロダクションで「円盤獣を前に苦戦を強いられる」とあり、この窮地にグレンダイザーが現れるとありました。つまりマジンガーZは登場するものの、物語開始直後にリタイアとなりそうです。

 これに関してさまざまな意見がありました。「こんな形なら登場させない方がいい」「何はともあれ出てくるだけで満足」「物語終盤でのリベンジに期待」などです。ひとつだけ言えるのは、やはり元祖スーパーロボットと言われるだけあって、マジンガーZへの注目は飛び抜けて高いということでしょうか。

 しかしマジンガーZが活躍してしまうと、本来の主役ロボであるグレンダイザーがかすんでしまいます。ここのサジ加減はむずかしいとしか言えません。逆にマジンガーZがボロボロになるほどの相手を、ボコボコにするグレンダイザーという描き方が、物語の導入部として燃える展開と言えるでしょう。

 思えば旧作でもマジンガーZはボロボロになることで、次回作の主役ロボ「グレートマジンガー」の強さを引き立てた実績があります。その再現だとすると、終盤でリベンジの機会もゼロではありません。その時の活躍に期待したいと思います。

 ちなみに、その「グレート」は今回出番があるのでしょうか? それも気になるところです。



『グレンダイザーU』への登場が発表されている、「マジンガーZ」のイラスト (C)Go Nagai/Dynamic Planning-Project GrendizerU

(広告の後にも続きます)

劇場版やコミカライズ版の要素も導入される?

 マジンガーZ以外にも注目された部分は多々ありますが、筆者としては「リスペクトした」と思われる部分が気になりました。旧作の原典と言える『宇宙円盤大戦争』(1975年)から設定を導入したと思われる部分です。

『宇宙円盤大戦争』は劇場版として製作された作品で、これをもとにTV版『グレンダイザー』が製作されました。この作品の主人公「デュークフリード(TV版はデューク・フリード)」も宇門大介と呼ばれ、フリード星から地球に逃げ延びた王子です。

 このデュークと恋人関係にありながらも敵対することになったのが王女テロンナ。そしてTV版『グレンダイザー』で同様の境遇にあったのがルビーナ王女です。今回の『U』では双子という設定で登場することになっています。

 この『宇宙円盤大戦争』に登場する主役ロボが「ガッタイガー」です。グレンダイザーと同じく、円盤型メカ・スペイザーに巨大ロボット・ロボイザーが合体する巨大ロボです。このガッタイガーに似た白いロボットが特報に出ており、ファンからは敵側のライバルロボではないか? と予想されていました。

 このほかにも、1話限りのゲストだったナイーダ・バロンの登場も発表されており、デューク周辺の女性関係が原典以上ににぎやかになるのでは? という憶測もされています。ちなみにこのナイーダは、もともと桜多吾作先生のコミカライズ作品が初出のキャラで、アニメに逆輸入されたことはファンの間で有名でした。

 この桜多先生のコミカライズはアニメとは違ったハードな作風が有名で、その過激なストーリーは話題になることが多い作品です。今回の『U』にも、そのリスペクトがあるのでは? と話題になっています。

 なぜならば特報映像で謎の壁画が現れるシーンがありますが、その壁画がコミカライズ版に出てきた、古代人が作った地球の護り神「ラーガ」ではないかと推測できるからでした。アニメには出てこないコミカライズオリジナルのラーガは地球版グレンダイザーとも言える存在で、その力は互角という巨大ロボです。

 一部のファンからは、ラーガが登場することでコミカライズのようなバッドエンドになるのでは? と危惧されており、原典のアニメでは未登場ながらもコミカライズ版で操縦者であった弓さやかが『U』で登場することから不安視されていました。

 はたしてどうなるかは不明ですが、筆者はこの壁画の前にある3つの石板らしきものにあるシルエットにも注目しています。なぜならばそのシルエットがダブルスペイザー、マリンスペイザー、ドリルスペイザーに見えるからでした。もしもそうならば原典とは違った展開がありそうです。

 このほかにも、前述したように1話限りのゲストもピックアップされるようなので、今後のサプライズに期待大と言えるでしょう。もっとも物語の中心が光子力研究所になるようで、宇宙科学研究所やシラカバ牧場は登場しない模様です。作品を賑やかせたコメディリリーフ、牧葉団兵衛の登場はないかもしれません。

 リメイク作品というものは変えても変えなくても、常に批判的な意見が出るものです。ある意味では、それを語ることで盛り上がっていくのは作品スタートまでの楽しみというものかもしれません。今後も予想外の情報が飛び込んでくるかもしれませんが、それすら楽しんで放送までの時間を待ちたいと思います。