DVD「機動戦士ガンダムSEED 7」(バンダイビジュアル)

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「死亡シーン」を回想によって何度も繰り返される悲劇

 2002年から2003年にかけて放送された『機動戦士ガンダムSEED』(以下、SEED)、その続編として2004年に放送された『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』(以下、DESTINY)』は、回想シーンが多い作品として知られています。

 その影響で、不名誉なかたちで視聴者の間で話題になったのが、ブリッツガンダムのパイロットであるニコル・アマルフィです。

 ニコルは中性的で甘いマスクをした心優しい少年パイロットですが、作中で彼の死亡場面が繰り返し回想シーンとして登場するため、「もっとも多く死んだ少年」としてネタにされがちです。

 ニコルの死は、『SEED』の第27話「PHASE-29 さだめの楔」で描かれました。主人公のキラ・ヤマトとアスラン・ザラが戦っている場に、親友のアスランを助けようとニコルが割って入ります。

 その動きに反応したキラは、とっさにソードストライクの大剣でニコルの機体のコクピットを斬りつけてしまい、最後は彼のヘルメットが血に染まり、機体は爆発しました。

 キラとアスランの両者に衝撃を与えたニコルの壮絶な最期ですが、このシーンは『SEED』だけでなく、続編の『DESTINY』でもたびたび回想シーンとして登場します。その回数があまりにも多かったため、視聴者から「さすがに死にすぎ」「死ぬのが仕事になってる」などとイジられることになりました。

 そして、実際に作中で「ニコルの死亡シーン」が何回登場したのかも気になるところですが、ネット上に出ている結果にはなぜかバラつきがあります。

 その真実がハッキリしないため、実際に『SEED』と『DESTINY』の「HDリマスター版」を視聴したうえで、ニコルの「死亡回数」を確認してみました。

 その結果、『SEED』でニコルが死亡したシーンの登場回数は17回。『DESTINY』には7回の回想シーンがあり、合計した場合は24回となりました。

 ネット上では「2作品の合計で32回」という説が有力だったのでさらに調べてみると、どうやら「通常のTV版」と「HDリマスター版」では、ニコルの回想シーンの登場回数が異なるようです。

 通常のTV版に比べて、HDリマスター版ではかなり減少したとはいえ、それでもニコルの死亡シーンは相当擦られていることが分かります。



最新作でもニコルの死は流れるのか? 2024年1月公開予定の劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』キービジュアル (C)創通・サンライズ

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「ニコルの死」に匹敵するほど繰り返された回想シーンとは?

 そして死亡シーンの回想が多いのは、ニコルだけではありません。「『SEED』だけならニコルよりも回想が多い」という声があるトールの死亡シーンは、「HDリマスター版」では8回だけでした。どうやらこちらも、通常のTV版よりかなり回想シーンの数が減っているようです。

 ほかにも印象的な回想シーンといえば、『DESTINY』で新たな主人公として加わったシン・アスカの妹・マユが流れ弾で死んでしまう場面です。

「HDリマスター版」の作中で、マユの遺体や腕(または、その両方)が映し出された回数は20回でした。続編の『DESTINY』にしか登場しないキャラにもかかわらず、2作品合計の「死亡回数の王者・ニコル」に匹敵するほどの回想シーンがありました。

 2024年1月には、約20年ぶりの新作となる劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が公開される予定です。ニコルやトール、マユたちの死亡シーンはこの劇場版にも登場するのか、そちらも注目したいですね。