「黒骨戦闘員」を再現したフィギュア「S.H.フィギュアーツ 仮面ライダー ショッカー戦闘員 (骨) 約145mm ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア」(BANDAI SPIRITS) (C)石森プロ・東映

【いたいた!】赤や青、いろいろあった「ショッカー戦闘員」のコスチューム(6枚)

必死にライダー討伐を目指したのに、結末が「ひどい」

『仮面ライダー』の雑魚キャラといえば、初代作品で登場した「ショッカー戦闘員」が有名です。「イー!」といいながら奮闘するも、ライダーにあっさりとやられてしまうのが定番の流れです。捨て駒のように扱われるかわいそうな役割です。そんなショッカーの心情(?)をネタにした転職マガジン「B-ing」のCMで流れた、「この仕事は、オレを輝かせているんだろうか」などのキャッチフレーズを覚えている人も少なくないでしょう。

 終始「雑」な扱いを受け続けたショッカーたちの最期は、これまた残酷なシーンが多いのです。悲哀に満ちたショッカーたちの活躍を振り返ります。

 そもそもショッカー戦闘員とひと口にいってもさまざまなタイプがいます。最も有名なのは黒い覆面に全身黒タイツで骨がプリントされた「黒骨戦闘員」があげられるでしょう。

 しかし、『仮面ライダー』第1話には黒タイツにベレー帽を被り、顏にペイントした戦闘員が登場しています。黒タイツの他に赤タイツの戦闘員もいましたが、『仮面ライダー』公式サイトによると、戦闘員のリーダー格は赤いユニホーム着用しているそうです。

 他にも「ベレー帽+アイマスク」や「各幹部を表すマークが入った黒マスク+全身タイツ」といったタイプ、さらに網タイツ姿の「女戦闘員」もいて、ショッカー戦闘員のバリエーションは豊富でした。

 ライダーには簡単に負けてしまう戦闘員ですが、彼らも改造人間のようで、能力は常人の数倍といわれています。それでも生身の人間であるFBI捜査官の滝和也や女子大生に負けているので、敵勢力のなかでも「戦力」としての存在感は低い印象です。

 また戦闘員の業務内容はライダーとの戦いの他に、民間人の拉致や部品の強奪、破壊工作、基地やアジトの警備などがあげられます。消耗品として扱われているため、働けなくなったものは処分されたり、怪人の能力を試す実験台にされることもあります。

 また第1話に登場した蜘蛛男がライダーに発射した毒針が流れて戦闘員に命中し、その戦闘員は泡状になって絶命します。常に死と隣り合わせで、雑用しかさせてもらえないのであれば、職業というよりは奴隷に近い立場かもしれません。

 散々な仕打ちを受ける戦闘員たちには、さらに悲惨なことが起こります。トップの存在である首領がショッカーを見限って新体制の「ゲルショッカー」を設立すると、残っていた戦闘員は新体制に引き継がれず、、ゲルショッカーの改造人間・ガニコウモルによって処分されてしまいます。野望達成のために力を尽くしてきた先に、虐殺という結末が待っているのは、あまりにも理不尽な扱いでしょう。



ゲルショッカーや首領についても紹介している『テレビマガジン デラックス263 決定版 全仮面ライダー 完全超百科 増補改訂』(講談社) (C)2023 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C)石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 (C)東映・東映ビデオ・石森プロ (C)石森プロ・東映

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秘密組織が専門学校を設立?

 新たに設立されたゲルショッカーの戦闘員は、それまでの黒を基調としたコスチュームから青をベースとしたタイツに、顔部分に赤色、胸に黄色のデザインが施され、派手な見た目になっています。パワーアップもしており、戦闘力もショッカー戦闘員の3倍になりました。

 しかし無慈悲な秘密結社の手下なので、課せられることは厳しく、機密保持と絶対服従をさせるため、ゲルパー薬という薬を3時間おきに飲まないと体が消滅してしまいます。

 またゲルショッカーは教育にも力を入れ始め、ムカデと虎の特性を備えた合成怪人で「ムカデタイガー」の催眠術で少年や少女を操って「ゲルショッカー恐怖学校」に入校させていました。学校ではムカデタイガー講師のもと、ゲルショッカーとしての戦闘知識や実技を教えており、授業終了後にはゲルショッカー児童憲章第一条「地球に悪と混乱を。我らの敵は平和と正義」を暗唱させています。怪人のままで講師として指導する様子は、とてもシュールな映像でした。

 戦闘員の変遷があるのも『仮面ライダー』の特徴ですが、改めて視聴する際は戦闘員のコスチュームに注目してみてはいかがでしょうか。