TVアニメ『進撃の巨人The Final Season完結編(前編)』のリヴァイ・アッカーマンのキャラクタービジュアル (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会

【画像】実写映画では「別人」だったけど、舞台ではちゃんと「3次元イケメン」化したリヴァイを見る(4枚)

「え、物理的に無理でしょ」

 人気作品のなかには、キャラクターの死がストーリーを盛り上げるのに重要な場合も多々あります。一方、そんな涙のシーンから一変、まさかの復活劇を果たす登場人物もいました。今回は死亡フラグ
無視しての生還や、予想外の復活を遂げたキャラクターを振り返ります。

『機動戦士ガンダムSEED』ムウ・ラ・フラガ

 2002年に放送された『機動戦士ガンダムSEED』は21世紀に入り初めて制作されたTVアニメ「ガンダム」シリーズです。本作で登場する地球連合軍第7機動艦隊に所属するムウ・ラ・フラガは、隊のなかでもエースパイロットであり、主人公・キラ・ヤマトたちの兄貴分のような存在でした。しかし、最終決戦で仲間たちを守るため、身を挺して敵の攻撃を受け、機体ごとバラバラに散ってしまいます。

 爆発の後に宇宙空間に残された機体のなかに、ムウ・ラ・フラガのものと思われるヘルメットが描かれていたことからも、彼の死亡は確定したかのように思われていました。

 ですが、2004年から放送された続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』で、ムウ・ラ・フラガはまさかの生存が判明します。『SEED』編での最終決戦後、地球連合軍に救出されていたようで、連合軍の特殊部隊「ファントムペイン」を率いる仮面の男「ネオ・ロアノーク」として再登場することになりました。

 ファンにとってはうれしい反面、爆散した場面は明らかに生存できなさそうな描写だったことから、無理矢理感を感じる人も多かったようです。のちにTV版『機動戦士ガンダムSEED』全48話を3部作に再構成して劇場公開された3作目、『機動戦士ガンダムSEED スペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙 HDリマスター』では、当時描かれていたヘルメットが消され、生存を暗喩させる表現になっています。

 後付け感は否めませんが、彼の名言である「不可能を可能にする男」をより際立たせるための演出だったのかも知れません。

『進撃の巨人』リヴァイ・アッカーマン

 アニメ版が11月4日に完結したばかりの大ヒット作『進撃の巨人』でも、多くの登場人物が続々と巨人の餌食となり亡くなっていくなか、生存がファンを驚かせたキャラクターがいます。

「人類最強」と呼ばれていた大人気キャラのリヴァイ・アッカーマンは、因縁の敵「獣の巨人」ことジーク・イェーガーとの戦いのなかで、あと一歩で倒せる目前まで行ったところで不意打ちの自爆に巻き込まれて致命傷を負います。

 巨人を倒せるほどの威力を持つ雷槍の爆風を生身の人間が受けたところを見て、多くのファンは「あぁ、リヴァイ兵長ですらここで死んでしまうのか」と思ったことでしょう。

 しかし、リヴァイはなんとか生き残ります。調査兵団の前団長であったエルヴィンとの約束で「獣の巨人を必ず倒す」という強い目的があったことや、物語の終盤に向けて次々と脱落していった、かつての旧友たちとの約束である「巨人のいない平和な世界」にするという強い信念があったからでしょう。

 約束を果たすまでは死ねない、そう強く感じたリヴァイの力強い意志と、アッカーマン一族に代々伝わる「巨人の力」を持つ人間としての生命力が生きる源となったのかもしれません。

 生きているとはいえ、すでに「死に体」の状態で最終決戦を迎えたリヴァイですが、なんとか「獣の巨人」ジークを倒し、最終的には仲間たちをサポートする形で「巨人のいない世界」の実現に成功します。

 3年が経過した最後の登場シーンでは、車椅子状態になった彼の姿に驚いたファンも多かったようですが、「なんか、これしか今は言えない リヴァイ兵長生きててよかったぁ…」などファンからの安堵の声があがりました。身体は不自由になったものの、巨人のいない世界をその目で確認できたリヴァイは、ようやく心が解放されたのではないでしょうか。

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死んで復活した主人公

『コードギアス』ルルーシュ



ルルーシュが死亡する時の衣装「G・E・Mシリーズ コードギアス 反逆のルルーシュ R2 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア」(メガハウス)

 2006年より放送されていた大ヒットアニメ「コードギアス」シリーズの主人公・ルルーシュも、意外な復活を遂げたキャラクターのひとりです。

「絶対遵守のギアス」というあらゆる命令を強制できる特殊能力を駆使して、TVアニメ第2期のラストで皇帝となったルルーシュは、ゼロの衣装に身を包んだスザクに剣で貫かれて命を落とします。

 ですが、このルルーシュの死は、「優しい世界」を作るために「ゼロ・レクイエム」と言う自ら立てた計画によるものでした。全世界の憎悪や悪意を自分自身に集めたのちに、自身の死をもって憎しみの連鎖を断ち切ろうとしたのです。

 そんな自己犠牲を払ってまで世界を変えようとしたルルーシュの最期は、涙なくしては見られませんでした。しかし、2019年に公開された劇場版『コードギアス 復活のルルーシュ』では、タイトル通りルルーシュが復活します。

 TVシリーズ放送終了から11年の時を経て、復活を遂げたルルーシュに、ファンからは「なんかこう腑に落ちないというか 納得がいかないというか」と受け入れられない声がある一方で、「あの最終回から10年以上経ってあれ見せられたら、もうありがとう以外ないんですわ」などと歓喜の声もあがるなど、賛否を巻き起こしました。