ファミコン時代のソフトにも秀逸なミニゲームが存在。ファンを魅了したオマケ要素とは? 画像は「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」(任天堂)

【画像】ファミコンキッズに「怖さ」を教えてくれたオマケ要素(5枚)

ゲーム本編よりハマったミニゲームも!

 ゲームの本筋とは直接関係ないけど、プレイヤーを楽しませる要素として実装されたオマケのミニゲーム。ハードの性能が上がり、ソフトのデータ容量が豊富になるとともに、ミニゲームの内容や種類も充実していきます。

 しかし、ファミコン時代はROMカセットだったので、データ容量にどうしても制限がありました。乏しい容量をやりくりしながら、いかにゲーム内容を充実させるか、製作者が頭を悩ませた時代でした。

 そんなファミコン時代だけに、ミニゲームという“オマケ”が付くことに特別な価値とお得感を感じたものです。そこで今回は個人的に秀逸だと思った、ファミコン時代のミニゲームを振り返ります。

ミニゲームの宝庫だった傑作アドベンチャー

 まずは1987年にナムコが発売した『さんまの名探偵』から。明石家さんまを筆頭に、吉本興業の芸人たちが多数実名で登場した推理アドベンチャーゲームです。

 同作はコマンド選択式のアドベンチャーゲームですが、物語の途中にいくつかのミニゲームが登場。上から落下してくる障害物を避けまくるゲーム、『ギャラクシガニ』というシューティングゲーム、連打で競うボートレース、動き回るネズミのおもちゃをジャンプで避けるアクション、逃げる相手を追いかける鬼ごっこ風ゲームなどなど、種類も豊富でした。

 ミニゲーム自体はどれもシンプルでしたが、同時代のゲームを考えると十分お得感のある内容。個人的には横山やすし師匠とボートで競う、連射のミニゲームが難しくて苦戦した記憶があります。

 またゲーム内にはゲームセンターがあって、そこに行くと『ギャラクシガニ』のミニゲームが遊べるという仕様も、当時は斬新に感じたものです。あの頃のファミコンキッズはゲームセンターに憧れがありましたし……。

ギャンブルに負ける辛さを教えてくれた?

 1988年にエニックスが発売した『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』にも印象深いミニゲームが存在します。『ドラクエ』シリーズといえば、カジノで遊べるミニゲームの印象が強いですが、ファミコンの『ドラクエIII』にカジノはなく、その前身ともいえる「格闘場」が初登場しました。

 格闘場ではモンスター同士が戦い、どのモンスターが勝つかを予想してゴールドを賭けます。見事的中すれば、モンスターのオッズ(倍率)に応じてゴールドが増えるという仕組みです。場内には予想屋もいて、まるで競馬場にいるかのようなオトナの雰囲気を醸していました。

 しかも格闘場は世界の各地にあり、ゲーム序盤に訪れるロマリアにも存在。開始早々になけなしの全財産を失って大後悔した、苦い思い出が蘇ります……。当時のファミコンキッズにギャンブルの怖さを教えてくれた、『ドラクエIII』のミニゲームでした。

斬新すぎるボス戦にドハマリ!

 1989年にナムコから発売された『ワギャンランド』は、横スクロールのアクションゲーム。恐竜のようなロボット“ワギャン”が放つ声が、文字となって飛んでいくという攻撃手段がユニークでした。

 各ステージのボス戦も当然アクションバトルかと思いきや、「しりとり」と「神経衰弱」のミニゲームで戦うのが斬新! アクションとパズルの両方の要素が楽しめる、お気に入りのゲームでした。

 とくに面白かったのが、しりとりでのバトル。絵の描かれたパネルを選択し、しりとりを行うルールなのですが、同じ絵でも複数の読み方が存在します。たとえば「家」が描かれたパネルには、「いえ(家)」「うち」「おうち」「こや(小屋)」「じゅうたく(住宅)」「ひらやいっこだて(平屋一戸建て)」といった読み方があるので、純粋にパズルゲームとして奥が深いのです。

 ボス戦に採用された要素なので厳密には“オマケ”ではないのですが、かなり印象的なミニゲームで、秀逸な出来栄えだったので挙げさせていただきました。

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 最近のゲームなら、お楽しみ要素のひとつとしてミニゲームが採用されがちですが、ファミコン時代のミニゲームは今と比べたらシンプルなものばかりです。しかし、なけなしの容量を工面し、そのアイデアを実装させたと思うと、製作者の努力と意地に頭が下がります。ファミコン世代の皆様の心に残っているのは、どんなミニゲームでしょうか。