【SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE】3号車Niterra MOTUL Zが好スタートから逃げ切り優勝!300クラスは88号車JLOC Lamborghini GT3がポールトゥウィン

5月4日、富士スピードウェイでスーパーGT第2戦「2024 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE」が行われた。毎年恒例のゴールデンウィーク期間中に開催される今大会は、多くのファンが足を運び盛り上がりを見せる1戦で、今年は2日間通して88400人が来場。著名人も多く訪れ、スーパーGTの認知は確実に広まっている印象を受けた。(PHOTO:井上雅行)

GT500は3号車が優勝!23号車も続きニスモがワンツーフィニッシュ

第2戦はGT史上初のタイムレースが採用され、3時間レースとなった。周回数ではない初めての試みだったが、各陣営は周回数でのスティントを計算することに加え、給油を伴うピットストップは2回といった規則はこれまでと同じ。戦い方は大きく変わることはないと予想される。

予選では17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTが1番時計を記録。今季から投入されたホンダシビックにとって初のポールポジション獲得となった。

2番グリッドに3号車Niterra MOTUL Z、3番グリッドには23号車MOTUL AUTECH ZとNISMOが続き、決勝はホンダVS日産の図式になることが予想された。

快晴の中、13時30分にレースが開催。長い3時間の戦いが幕を開けた。スタートでは予選で速さをみせた17号車が逃げにかかると思われた中、1コーナーで3号車高星が果敢に仕掛けていきトップを奪取。先頭集団は3、17、23の順でレースを引っ張っていく。

大きな変動が起こらないが、トップ集団のペースが良く、4位以下との差が広がっていく展開に。そんな中、2番手を走る17号車はトップの3号車についていくことができず、23周目に23号車のオーバーテイクを許してしまう。

NISMOのワンツー体制になった決勝レースは開始50分経過時点で各陣営1回目のピットに動く。ここではドライバー交代は行わず、ダブルスティントを実施するチームが多かった。

1回目のピットストップで順位が入れ替わることはなかったが、レースの折り返し時点ではトップの3号車が2位以下に20秒ものギャップを築いており独走状態に。一方、4番手につけていたARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが3番手にポジションを上げてきた。

レースも3分の2が終わろうとしていたタイミングで各車最後のピットストップを敢行。2度目のピットストップ終えた順位は3号車がトップ、2位に23号車、3位8号車、4位17号車という並びになった。

高星から大きなマージンを引き継いだGT500ルーキーの三宅は落ち着いて走行し、独走体制を維持していく。一方、2台による2位争いが激しくなっていた。

しかし、2位の23号車がこの混戦を抜け出し、バトルが繰り広げられたのは3位争いに。17号車太田が果敢に仕掛けていくも、8号車松下がこれに応戦。一歩も引かない接近戦を演じていく。

老練なテクニックで太田を抑え切った松下。8号車の表彰台が決まったかに思われたが、レース残り10分でまさかのスローダウン。痛すぎるトラブルによりなんとガレージにマシンを収める事態となった。

そんな8号車の悲劇を後目に3号車が独走でトップチェッカー。昨年のタイトルコンテンダーが今季初優勝を挙げた。2位には23号車が入り、NISMOがワンツーフィニッシュ。3番手は苦しみながらも混戦を勝つ抜いた17号車が獲得している。

また、開幕戦で完勝した36号車au TOM’S GR Supraは驚愕の4位でゴール。現時点での最大ウェイトを積みながらポイントを獲得し、ランキング首位の座をキープしている。

(広告の後にも続きます)

GT300は88号車が圧巻の走りでポールトゥウィン達成!

決勝前日に行われた予選では、ボンネットのフィンをアップデートしてきた88号車JLOC Lamborghini GT3が他を寄せ付けない走りを披露しポールポジションを獲得。2番グリッドは4号車グッドスマイル 初音ミク AMG、3番グリッドは56号車リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが入り、ヨコハマタイヤを履くチームが予選を制している。

スタートでは88号車がトップのまま1コーナーへ。2位は4号車、3位には予選5番手からポジションを上げた開幕戦のウィナーである2号車muta Racing GR86 GTが続いた。

開幕戦優勝、そして第2戦の予選で5番グリッド獲得、スタートでもいきなり表彰台圏内に上がるなど2号車の強さが光る。しかし、この日の主役は88号車だった。

スタートスティント担当の元嶋は序盤からペースが良く、周回を重ねるごとに2位以下とのギャップを開いていく。

順位に大きな変動はないが、1回目のピットストップでは、1度のみのタイヤ交換や左の2輪のみ交換と戦略が分かれることになる。

2位を走る4号車が28周目、トップの88号車が33周目に1回目のピットストップに入る中、2号車はステイアウトし暫定のトップに立ち周回を重ねていく。

2号車は45周目まで引っ張りようやくピットイン。今回は4輪全て交換し、ドライバー交代も行いレースに戻って行った。 順位は88号車がトップ、1度目のピットでスプラッシュでポジションを上げた31号車を挟み、4号車、65号車LEON PYRAMID AMGと続く。ピットストップを遅らせた2号車は8番手にポジションを落としてしまった。

31号車がフルサービスのためピットに入ると、2位の4号車が1時間40分過ぎにピットイン。ここで同じタイミングでピットに入った52号車Green Brave GR Supra GTがタイヤ交換を行わなかったこともあり、4号車の前でコースに復帰しポジションを上げている。

開幕戦に続き、連続表彰台を狙っていた65号車だったが、ブレーキトラブルで戦線離脱。一方、第1スティント同様にピットストップを引っ張る作戦に出ていた2号車が最後のピットに。周りよりフレッシュなタイヤで最後の追い上げを狙っての作戦だ。実質6番手でコースに戻り最後のアタックにかける。しかし、5番手につける56号車のストレートスピードに対抗することができず、ポジションを上げることは叶わなかった。

2号車を振り切った56号車の勢いがよく、4号車を交わすと、2位にポジションを上げていた52号車と接近戦を演じていく。激しいバトルとなったが、52号車とのバトルを制した56号車が2位にまでポジションを上げてみせた。

激しい2位争いを他所にトップを走り続けた88号車が大きなリードを守り切りトップチェッカー。昨年最終戦で優勝した小暮と元嶋のコンビは早くもGT300クラスで2勝目を挙げた。また、今回ポールトゥウィンで23ポイントを獲得した88号車がランキングトップの2号車にわずか1ポイント差の2位に浮上している。

2位は終盤の走りが光った56号車、3位には56号車の選考を許してしまったものの、ピット戦略で順位を上げた52号車が入っている。