お茶習慣の変遷をたどる「お茶の文化創造博物館」

明治5年(1872)に開業した日本最初の鉄道駅・新橋停車場跡地に2024年5月1日(水)、お茶をテーマにしたふたつのミュージアムが誕生します。「お茶の文化創造博物館(おちゃのぶんかそうぞうはくぶつかん)」では、お茶の飲み方、入れ方、作り方の変遷をパネルやジオラマ、シアターで学べます。一方、「お~いお茶ミュージアム」では、伊藤園の人気ブランド「お~いお茶」について紹介。ふたつの博物館は同じフロアに位置し、抹茶を使ったオリジナルドリンクでひと息つけるカフェスペースとグッズを販売するショップも併設されています。

「お茶の文化創造博物館」の入場口

「お茶の文化創造博物館」では、中国から世界に広まったお茶の歴史から始まり、ジオラマを使った茶摘みの変化、喫茶の変遷を伝える展示、江戸時代の茶屋の再現、茶道具や茶運び人形、そして自生する茶の木の一生をアニメーションで描いたコーナーなどがあり、お茶に関するさまざまな側面を学ぶことができます。

座席は往年の鉄道シートの色や質感をイメージ。上映時間は約10分

注目の展示内容をいくつか紹介します。まずは、8m×3.4mのワイド大画面で上映する「お茶シアター」。安土桃山時代に千利休が侘茶を大成させ、江戸時代に庶民の間で広まったお茶の文化など、時代とともに変化したお茶の軌跡をたどります。壮大な茶畑でお茶を摘み取るシーンもあり、みごたえたっぷり。

平安から現代に至るまで、時代とともに変遷してきたお茶の飲み方や作り方を展示するコーナー。実際に使われていた1950年代の精揉機​や、昔と今の茶摘みの違いをジオラマで見ることができます。茶畑の様子から働く人数の違いまで、視覚的に比較することができます。

江戸時代に豪商がお茶を楽しむために使用していたとされる、ゼンマイ仕掛けの茶運び人形(江戸からくり人形)の展示もあります。着物姿の人形がもつお盆の上に茶碗を置くと、人形が動き出し、茶碗を取ると動きが止まる仕組み。スタッフが実際に動かすこともあるそうです。

江戸時代には庶民の間でお茶を飲む習慣が広まり、道端でお茶を飲む休憩所の茶屋も見られるようになりました。展示では、鈴木春信画の浮世絵『かぎやお仙』を現代に再現したものや、煎茶道、茶道、野点(野外で行う茶の湯)で使用された茶道具、遠出する大名や豪商用の茶弁当、明治時代に販売された駅弁用のお茶入れ汽車土瓶など、お茶にまつわるさまざまなアイテムが展示されています。

上の文字はブランド名(商標)、下は社名・仕向け地などが書かれている

明治から大正時代にかけて、アメリカで緑茶が大人気となり、緑茶は重要な輸出品として扱われました。その際に使用された蘭字(茶箱に貼られていたラベル)を額装して展示。西洋と東洋が融合したモダンなデザインはものすごくおしゃれ!

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「お~いお茶」のこだわり体験施設「お~いお茶ミュージアム」

公式キャラクターの「お〜いお茶くん(通称:お茶くん)」。お茶年齢は35歳

床や壁に現れる「お〜いお茶くん」が案内してくれる。一緒に見て回ろう

「お~いお茶ミュージアム」では、伊藤園の人気ブランド「お~いお茶」の誕生秘話や茶葉を活用したアップサイクルなど、9つのコンテンツで紹介します。入り口では巨大な公式キャラクター「お~いお茶くん」がお出迎えしてくれます。

茶畑から「お~いお茶」ができるまでを伝えるコーナーでは、おいしさの秘密をイラストや映像で紹介。クイズ形式になったパネルを見たり、ハンドルを回してお茶作りの工程を確認することもできます。

伊藤園では30年以上前から、お茶を入れた際に排出される茶殻を資源として活用しています。畳や段ボールなどアップサイクル商品をパネルで紹介したり、未来への持続可能な取り組みを映像で紹介したりしています。

「お~いお茶」のボトルパッケージを見ると、新俳句大賞の入選作品が印字されているのはご存じですか。ここでは、新俳句を創作して、シールに印刷できます。完成したシールは「お~いお茶」に貼って入賞気分を楽しめますよ。このほかにも、「お~いお茶くん」と一緒に記念撮影ができる壁と床を使ったデジタルフォトスポットや、「お~いお茶」の懐かしいパッケージ展示、TVCMの映像コーナーもあります。