みなさんはキャンプのギアをどう選びますか。ネットに情報があふれる時代、無数のレビューを見比べて、とりあえず無難なものを購入していた筆者。いつしか実物を手に取って選ぶ機会も少なくなりました。

そんな折、何気なく立ち寄ったのが個人経営のアウトドアショップ。選りすぐりのギアや珍しいガレージブランドなど奥深い世界が広がっていました。

ネットや量販店とは一味違う魅力を放つショップを巡る連載「ふらっとショップ探訪」。第30回は、「ソロアソ」(大阪府交野市)を紹介します。

こだわりのギア&メシで外遊びへと誘う




大阪と奈良にまたがる生駒山系。その玄関口でもある京阪・私市(きさいち)駅から歩いてすぐにあるアウトドアショップ「ソロアソ」。トレランショップの運営やイベント企画などを手がける株式会社ソトアソが2022年秋にオープンさせました。店内には、ソロキャンプやブッシュクラフトに使える本格派のギアの数々が並びます。




ショップが掲げるテーマは「焚き火・コーヒー・ビール・ソトメシ」。店長の岸田竹弥さんは「いきなり本格的なアウトドアとなるとハードルが高いので、まずは近場で焚き火しながら食事を楽しむことからスタートしてみてほしい。例えば、庭でのBBQやデイキャンプでも全然OK。外遊びという大きなくくりで提案して門戸を広げていきたい」と話します。




店内には、焚き火台やコーヒー器具のほかにも、メスティンやガスバーナーなど基本的なアイテムが充実。岸田さん自身も「使うか使わないかわからないけど買ってしまう」というほどのギア好きだそうで、初心者が手に取りやすいものから、ちょっと癖の強いものまで、幅広いラインナップに心が躍ります。






ギアに負けず劣らずの品揃えなのが、外で気軽に食べられそうな缶詰やレトルト食品。さらには多彩なスパイスや調味料もあり、色とりどりのパッケージは見ているだけで食欲をそそります。基本的に湯煎するだけで簡単に調理可能なものばかりなのもうれしいポイントです。






せっかくアウトドアで飲むお酒ならいつもと違う特別なものを選びたいもの。そんな時には、地元・交野市にあるブルワリー「CIVIC BREWERS」をはじめとする国内外のクラフトビール、ポケットに入るサイズにパッケージされた日本酒「GO-POCKET」などがおすすめ。店内のカフェスペースで一杯やりながらくつろぐこともできます。

遊び場は海から山へ!原点となったトレランとの出会い




ソロアソのすぐ近くにはトレラン用品を中心に扱う「アウトドアベース・ソトアソきさいち(OBSきさいち)」があります。両ショップを運営するのは株式会社ソトアソ。代表の菊川光徳さんは元々、マリン用品販売会社に勤めていました。経験を元に2006年、アウトドア用品全般の販売と外遊びを提案するソトアソを起業したそうです。




それまでの菊川さんの遊び場といえばもっぱら海。高校生の頃からサーフィンに夢中になり、マリンスポーツは一通りたしなんだそう。起業後、しばらくは鶴見でマリン用品やジョギング、ランニング用品を販売していましたが、山野の未舗装路を駆けるトレランに出会い、その魅力に引き込まれていきました。




トレランをするために交野の里山に通ううちに、最寄りとなる私市駅近くの東屋でこっそり着替えるランナーがいることに気付いた菊川さん。「ここなら山に出入りするランナーのための拠点づくりができる」と考え、2015年頃に鶴見から私市へショップを移しました。現在もソロアソの店内に備えたシャワー・ロッカーをランナーに提供しています。さらに併設のカフェスペースはランナーだけでなく、ハイカーやご近所さんの憩いの場にもなっています。

アウトドアを楽しむためのさまざまな仕掛け




長らく私市駅前エリアを拠点としていたソトアソですが、2021年春には新たに河内飯盛山の麓に「アウトドアベース・ソトアソいいもり(OBSいいもり)」をオープン。菊川さんは「実は都市部であっても自然を間近に感じられる場所はたくさんあるんです。だからこそフィールド直結体験型のショップを入口に、アウトドアの裾野を広げていきたい」と思いを語ります。

これまでソトアソではショップ運営に限らず、アウトドアに触れてもらうための取り組みを続けてきました。毎週、トレランイベントを企画しているほか、2023年は駅前の公園で焚き火やコーヒー焙煎の体験を実施。さらに今後は積極的に外遊びのワークショップを開催していく予定だそう。

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店長のおすすめ3選

YOKA(ヨカ)の「COOKING FIRE PIT LIGHT(クッキングファイヤーピットライト )」






「休日を最高のものにする」をコンセプトに2015年にスタートしたガレージブランド・YOKA。中でもこちらは軽量かつコンパクトな焚き火台として人気です。グリルが2枚セットになっているので料理も快適に楽しめます。

岸田さんの一言メモ「本体が4パーツのみの構成で、組み立てやメンテナンスも楽々。収納袋を兼ねた焚き火シートが付属していて便利です。グリルにデザインされたYOKAの文字の遊び心がGOOD!」

DESIGN WORKS ANCIENT(デザインワークスエンシェント)の「POKETLE COFFEE KIT(ポケトルコーヒーキット)」






1969年に東大阪で創業した工具箱メーカー・東洋スチールと、ミニボトルブームを作り出した「ポケトル」とのコラボで実現したコーヒーキット。新潟燕三条で生産されたコーヒーミルのほか、ドリッパーやスタンドなどがワンセットになっています。

岸田さんの一言メモ「東洋スチールの無骨なツールボックスがとにかくカッコいい逸品。コーヒータイムに必要な道具がコンパクトに収まっているので、全てまとめて手に入れたい人には特におすすめです」

STANLEY(スタンレー)の特別カラー「ハンマートーンレイクブルー」シリーズ




創業100年以上のアメリカ発の老舗ボトルメーカー・STANLEY。ステンレスの頑丈さと真空による保温保冷力が魅力のメーカーですが、こちらのハンマートーンレイクブルーは一部のアウトドアショップでしか手に入らない人気カラー。青く輝く湖のような色合いがアウトドアに映えます。

岸田さんの一言メモ「こちらの特別なカラーはステンレス製マグ、グラス、ジョッキの3種類を用意。レーザー加工を施されたロゴマークなど、他のカラーとは一味違ったこだわりが所有欲を満たしてくれますよ」