リップの付いたクランクベイトなら、その高い浮力を活かしてさまざまな障害物をクリアすることができます。
しかもワームリグとは異なり、トレブルフックが2ヵ所に付いているので、ショートバイトでもフックアップに持ち込みやすいです。
シマノのクランクベイト・バンタム マクベス50を使って、秋のフィールドからバスを釣り上げてみましょう。
バンタム マクベス50とは
バンタム マクベス50とは、シマノからリリースされているバス釣り用のクランクベイトのことです。
全長は50mmとコンパクトで、ウエイトは12gもありますから、しっかりと飛距離を伸ばすことができます。
フローティング仕様なので、キャストして着水させると、その水面に浮いたままになります。
ただし、頭部アゴから斜め下に向かって幅広リップが突き出していますから、その先端は水中に没しています。
その状態でリールハンドルを回し、リトリーブを開始すると、リップが正面からの水流を受けて、ボディ全体が潜り始めるのです。
真っ直ぐに潜るのではなく、水流を左右へ受け流しながら潜行しようとするので、強めのウォブリングアクションが発生する仕組みになっています。
ウォブリングアクションするものが水中に存在すれば、その周囲の水は押され続けます。
押された水は、隣りの水も押すことになり、かなり広範囲の水を動かすことにつながっていくでしょう。
これを波動と呼ぶ人もいますが、とにかく押された水は、水中に棲んでいるバスにも届きます。
もし濁りのある水質でも、水押しだけはしっかりと伝わりますから、その発生源が気になるバスが居ても不思議ではありません。
実際にバンタム マクベス50をキャストして泳がせてみると、複雑な障害物の奥から、バスが勢いよく飛び出してくるケースがひんぱんに起こります。
本来ならワームリグで、障害物の奥を直接触りにいくアプローチを仕掛けるのですが、その必要がないのです。
バスとバンタム マクベス50の間には、じゅうぶんな距離があり、バスにとって安全が確保された場所から観察できる状態です。
このシチュエーションを作り上げ、無防備に泳いでいるだけの様子をバンタム マクベス50で表現できたら、バスがバイトしてくる数は、かなりアップしました。
リップを地形変化や障害物にぶつけなくても、ただ巻きリトリーブの泳ぎでバイトを呼び込めるのです。
いかにクランクベイトの水押し効果が、強いインパクトを持っているのか、実感した瞬間でした。
ワームリグに頼らずにバンタム マクベス50だけで、バスを探して誘い出し、食わせるところまで完結させることが可能なのです。
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固定ウエイトが配置されているバンタム マクベス50!
バンタム マクベス50の内部構造に注目してください。
流行りの重心移動システムは、どこにも搭載されていません。
代わりに、お腹の最下部に、ウエイトが固定されています。
まるで起き上がりこぼしのようなウエイトバランスなので、一瞬姿勢が崩れても、元の状態にすぐに戻ろうとします。
それが水中で起こっているわけで、強い復元力が強い水押しに直結しているのは間違いないでしょう。
キャストしてリトリーブを開始し、すぐにウォブリングアクションを発生させているのは、まさにこの固定ウエイトバランス=オーズウエイトのおかげです。