至高のSTiバージョン、22BとS201

インプレッサ22B STiバージョン

今や3000万円オーバーでも手に入るかわからない、インプレッサ22B STiバージョン

2000年までと比較的長く作られた初代インプレッサWRX STiバージョンですが、その頂点に立つモデルがスバルのWRCマニュファクチャラーズタイトル3連覇&スバル誕生(スバル360発売)40周年を記念した特別仕様車、「22B」です。

インプレッサリトナをベースにしたところまではTypeRバージョンSTiと同じですが、WRカーばりにワイドなブリスターフェンダーで武装し、エンジンもEJ20ターボを2.2リッター化したEJ22ターボを搭載。

400台限定、500万円で発売したものの瞬く間に完売する人気で、今なら中古車で3,000万円以上のプライスがつく「資産化」してしまい、もはや幻の逸品です。

S201

インプレッサ S201 ©STI

もうひとつ特別なのが1998年に発売されたS201で、スバルの正式カタログモデルではないSTiコンプリートカー、つまり自動車工業会による280馬力自主規制に縛られない(R33スカイラインのニスモ400Rと同じ)立場を活かし、EJ20ターボを300馬力までチューン。

各部の強化や内外装を含む専用パーツの採用によって、22Bを除けば「最後にして最強のインプレッサWRX STiバージョン」となっています。

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グラベル / スノーも強力だが、ターマックで本領発揮

ジムカーナでも多用されたクーペWRX TypeRバージョンSTi

4WDターボとしては同時期のランサーエボリューション同様、WRCや国内ラリー、ダートトライアルで活躍したインプレッサWRX STiバージョンですが、初期のランエボにはない強力な武器がインプレッサにはありました。

それがモデル途中から採用されたDCCD(ドライバーズコントロールデフ)で、ドライバーの手元でセンターデフのロック率を変更できるほか、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)を引けばセンターデフがフリーになります。

オール・ターマック(舗装路)のジムカーナ競技に付き物のサイドターン(※)が容易になるほか、ダートトライアルやラリーでもドリフトのきっかけからジムカーナ同様のスピンターンまで、使いようによってはランエボよりかなり有利でした。

(※サイドブレーキで後輪のみ意図的にロックしてスピンターンさせる事により、極端に旋回半径の小さいコーナリングを可能にする大技)

ランエボもエボVのワイドトレッド化や、エボVIIのDCCD採用など改良を続け、低中回転からの図太いトルクによる加速性能で巻き返したのに対し、インプレッサは軽快な旋回性能で対抗する一方、ガラスのミッション(※)と呼ばれたMTの耐久性がネックです。

(※基本設計が古いため、途中でアレコレ強化されたとはいえ2代目GDBで根本的に変わるまでミッショントラブルが多発)