可倒式フック、ベルト式フックのメリットと注意点

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アフターマーケットに売られている牽引フックのタイプとしては、「アイボルト式」「可倒式」「ベルト式」に分けることができます。可倒式とベルト式についてはサイズ的にクリアされている商品が一般的で、アイボルト式については使用する時だけ取り付けるのがスタンダードとなります。

可倒式はモータースポーツ出場車両で使われることが多いタイプですが、実際にレースで使うには大会やサーキットの規定に準ずる必要がありますので、強度などを事前に確認することが必要です。走行中にリング部が揺れてバンパーを傷付けるものもありますので、こちらも取り付け前に確認しておきましょう。また、可倒式フックは基本的に実用品ですが、中にはレースカー風のカスタムをするためだけのドレスアップパーツも存在するので注意しましょう。

昨今のレースシーンで主流になっているのが、ベルト式です。布製ですが、特殊な素材を使うことで33tほどの強度を備えています。ベルト式は取り付けたままでもボディを傷付けることなく、かつ車重に影響を与えないのがメリットです。また、レースなどで他車や構造物にぶつかった時でも、牽引フックが曲がって使えない…というケースが少ないのも特徴です。ほとんどの商品は純正のネジ穴を使って取り付けますが、商品によってはバンパーを外さなければならないものもあります。

ちなみに、ジムニーなどオフロード4WDなどでは、ラダーフレームにスチール製プレートを取り付けるタイプもあります。サーキットのグラベルやオフロードなどで牽引する場合は、前述の通り強い牽引力で引っ張る場合が多いので、十分な引っ張り強度を持った牽引フックが必要になることも知っておきましょう。

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牽引ロープも一緒に揃えておきたい

オフロードを走る車
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ユーザーが携行していることが少ないものが、牽引ロープです。牽引フックがあっても、牽引ロープがないと役に立ちません。サーキットオフロードコースであればロープは用意されていることが多いのですが、一般道や林道などでは「準備しておけば…」と後悔することも。

牽引ロープには「ワイヤータイプ」「ベルトタイプ」「伸縮タイプ」があります。ワイヤータイプとベルトタイプは、使用上で使いづらさもあり、ものによってはUシャックルや革手袋など別途用意しなければならないことがあります。強度、携行のしやすさを考えれば、やはり伸縮タイプがオススメです。

伸縮タイプであれば、ロープをたるませた状態から一気に強い牽引力を加えても、断切する恐れが低くなります。深雪や泥、岩などを車両の下に抱え込んでしまう「カメの子スタック」の状態でも、ロープをたるませた状態から一気に牽けば、脱出できる可能性が大きくなります。

破断張力が3t以上のものを選んでおくと、乗用車のほとんどは牽引できます。オフロード4WDや大型SUVの場合は、4t以上の余裕があると安心です。

他車を牽引するだけでなく、自車をレスキューしてもらう時に役立ちますので、牽引フックと一緒に購入を考えましょう。

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