釣り人を優しく癒す「釣り地蔵」

ところで、釣り文化資料館とSAKANA BOOKSがある建物前の植え込みには、綺麗なお花が供えられた何とも愛らしいお地蔵さまが鎮座していた。ほうきを持っているようにも見えなくもないが、ここは釣り文化資料館、きっと釣り竿だろう。
これからの釣りの安全、楽しい釣行を祈念して、釣り人なら1度は手を合わせたいお地蔵さまだ。
(大物を釣りたい! なんて厚かましいお願いは控えたので悪しからず…)

時代の流れとともに、カーボンやグラス製の竿が主流となり、釣りやすく(釣れやすく)なる一方、このような日本独自の製法で作られた伝統的な釣り道具は、その機能美と粋なこだわりから、今なお根強い和竿ファンが多いことを教えてくれる。そして美しい工芸品に歴史を感じる一方、併設されているSAKANA BOOKSでは、店長が「釣り」にこだわらずニュートラルかつユニークな着眼点で選んだ魚の本や雑貨のラインナップが面白い。
今回訪問した「釣り文化資料館」「SAKANA BOOKS」は、見るのも、釣るのも、食べるのも好きな私にとってはひじょうに魅力的な空間だった。

入館無料で駅からも遠くないため、釣りに行けないような日があれば、ここでまた一味違った「愛でる」釣りに興じてみるのはいかがだろうか。