ドゥカティが「スクランブラー」シリーズの新型3機種を発表。「アイコン」には9色から選べる燃料タンクカバーを採用

■新型のアイコン、フルスロットル、ナイトシフトが誕生

イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」は、2023年ニューモデルを公開する「ドゥカティ・ワールド・プレミア」において、レトロなスタイルと最新のテクノロジーを融合した「スクランブラー」シリーズの2023年モデルとして、新型「アイコン」「フルスロットル」「ナイトシフト」の3機種を発表しました。


スクランブラー アイコンのサイドビュー

車両重量を4kg軽量化し、ライド・バイ・ワイヤ、ライディング・モード、クイック・シフトなど、最新の電子制御システムの採用で、より扱いやすく、軽快な走りを実現するのが新型のスクランブラー。

特に注目なのがベーシックモデルのアイコンで、交換可能な燃料タンクカバーを採用することで、全9色もの豊富なカラーが選べるようになったこと。カスタマイズの可能性がさらに広がったことで、より個性を演出することができるようになりました。

●車体の軽量化などで、走りがよりスポーティに

スクランブラー・シリーズは、2015年からスタートしたドゥカティのサブブランドです。

元祖は1960年代に、アメリカのダートトラックレースなどで活躍した125ccや250ccなどのドゥカティ製バイク。


右から「アイコン」「フルスロットル」「ナイトシフト」

そのイメージを現代に蘇らせた現行のスクランブラー・シリーズは、バーハンドルやアップタイプのマフラーなどを装備することで、レトロな雰囲気のスタイルに。最新のテクノロジーを組み合わせたネオレトロと呼ばれるジャンルのバイクです。

803cc〜1079ccの豊富なランアップを揃える同ブランドですが、中でも今回モデルチェンジを受けたのは、803cc・L型2気筒エンジンを搭載するベーシックなスタイルのアイコン、スポーティなフルスロットル、カフェレーサー風スタイルのナイトシフトといった3機種。

いずれも、エンジン各部の見直しやフレームの刷新などで、車体を4kg軽量化。よりスポーティな走行フィーリングを実現します。


エンジンも軽量化や細部の見直しを実施

また、ドゥカティが「デスモドゥエ・エンジン」と呼ぶパワートレインは最高出力73psを発揮。新しい8ディスク・クラッチを採用したことで、クラッチレバー操作がより軽くなり、ライダーの披露軽減に貢献します。

さらに、新たにライド・バイ・ワイヤ・スロットル・マネージメントを導入したことで、スロットルのあらゆる開度でエンジン・レスポンスが向上。また、ドゥカティ・トラクション・コントール(DTC)の搭載も可能としています。


軽量化や最新の電子制御システムの採用などで、走りもアップデート

特に新型3機種では、2つのライディングモード(ロード、ウェット)も設定。中でも、ウェット・モードは、濡れた路面でのライディングを考慮したセッティングとすることで、タイヤが滑りやすい状況下でも、より高い安定性を実現しています。

ほかにも、コーナリングABSや、クラッチの操作なしで変速ができるクイックシフトアップ/ダウンも採用。安全性や快適性の向上を施しています。

●アイコンは車体色のカスタムが可能

外観では、象徴的な「X」スタイルを持つLEDヘッドライトをよりシャープな形状とするなどで、さらにモダンでエレガントな雰囲気を演出しています。


スクランブラー アイコンの燃料タンク

また、スチール製の燃料タンクもデザインを新設計。特に、アイコンでは交換可能なカバーを設定し、オーナーの好みに応じたカラー選択が可能です。


スクランブラー フルスロットル

新しい燃料タンクカバーは、標準カラーが3色(’62イエロー、スリリング・ブラック、ドゥカティ・レッド)、さらにオプションで6色が用意され、全9色から選ぶことが可能。

さらに、選んだ燃料タンクカバーのカラーに合わせて、フェンダー、ホイールタグ、フロントのヘッドライトカバーなども色を選べることができ、さまざまなカラーカスタマイズを可能とします。

ほかにも、新型3機種には、4.3インチのカラーTFTディスプレイと専用グラフィックを備えた新しいメーターパネルを搭載。


スクランブラー ナイトシフト

アクセサリーには、スマートフォンとバイクに接続して、音楽を聞いたり通話を管理できるドゥカティ・マルチメディア・システムも用意されています。

価格(税込)は、スクランブラー アイコンが127万8000円〜、スクランブラー フルスロットルとスクランブラー ナイトシフトが147万5000円〜。

販売開始時期は、欧州など海外では2023年3月から、日本は2023年10月に予定されています。

(文:平塚 直樹)