四国の中でも特に、山々の美しさと数ある登山道でトレッカーに人気の徳島県三好市祖谷地方。この6パートにわたる特集では、壮大な眺めに満ちた尾根道を歩き、静寂に包まれて山小屋に泊まる、1泊2日中級トレッキングコースについて紹介する。

【前回までの記事はこちら】

>>パート1 1泊2日四国の山々を渡る

>>パート2 三嶺山頂へ

>>パート3 西熊山~お亀岩避難小屋

>>パート4 お亀岩避難小屋滞在

>>パート5 縦走2日目、天狗塚を目指す

天空の楽園、三嶺山~天狗塚縦走も最後、下山

天狗塚から登ってきた時と同じ道を、なだらかな丘を越えて戻ってくる。

一度、分岐点で登ってきたばかりの山頂を振り返って眺める。

分岐点からは真下に向かって下山。二つの標識があるが、下山する方向が、一つでは「西山」もう一つでは「登山口 2250m」となっている。「西山」は登山口がある土地の名前なので同じ方面のことだ。



(地図上では、この登山口は通常「天狗塚登山口」とあるが、ここは車で来た登山者向け。バスを利用する場合は、この登山口を過ぎて、もう一つのもっと下のバス停に近い登り口まで行く必要がある。)

「天狗塚登山口」まで下る

分岐点から、急な登山道を下る。分かりやすいが、足元が濡れているととても滑るので注意。



約10分後、森の中に入り、さらに30分後、二つの上りの丘が続いている場所に出る。ひとつめの丘の右側には、不思議な表情の木がある。幹の下の方に自然に出来た穴で、叫んでいるよう顔の様にも見える。有名なあの絵画の顔のようでもある。



 さらに30~40分ほど分かりやすい道が続き、ここで車で来た登山者用の「天狗塚登山口」に出る。林道を車で来れるので、日帰り登山者はここを使用する。



道路からは、金属製の階段が少しあるが、ここにはトイレも水も、避難所もないので注意。

数台の駐車可。

「イザリ峠登山口」へ 下りもあと少し 

「天狗塚登山口」から道路を渡って、また下りを歩く。この道は何か作業用のためか、かなり幅が広い。道路から15mほどで左右に分かれる。右に進み20mほど行くと、また木々の中を下る登山道らしい歩道になる。 

森の中に入ると、急な下りになっていくとともに、マーカーのテープが所々の木につけられている。 



この登山道はあまり使用されていないため、他の登山道ほど整備されていない。

迷わない様に、木につけられたテープを確かめながら進むこと。マーカーのテープはピンク色だったり赤色だったりするが、古くて白く変色しているものもある。

※注意:地面を見ると赤色や黒色の土地の境界杭があるが、これは登山道の目印ではない。境界杭をたどると登山道を離れてしまうこともあるので、目印にしないようにすること。

木にあるテープが見当たらないときは、違うところに行っているので、木のテープを見たところまで戻って、慌てずに次のテープを見つけよう。

その急な下りをテープをたどりながら30~40分行くと、小川を通り過ぎる。川のすぐ後は倒壊した建物の屋根があり、続いて、道は二つの別の半倒壊した建物の間を通る。左手の建物は半倒壊。右は小さな建物(倉庫かお手洗い)。建物は壊れていて危ないので、絶対に中に入ろうとはしないこと。 



道は水平のまま少し続いて、建物から約5分ほどで、右手に大きな木の生えていない箇所がある。この平らな場所は、昔の田んぼか畑だったと思われるが、この田んぼ跡を右に曲がって下る。ここから5〜10分ほどで「イザリ峠登山口」に到着。



※降ってきたこの道を、逆に、「イザリ峠登山口」から登るのは少し難しいかもしれない。

また、「イザリ峠登山口」の看板は色褪せていて、道路沿いの崖崩れ防止のコンクリート2面の間にある。



祖谷川にかかる橋を越え、久保のバス停から帰路へ

「イザリ峠登山口」から左手へ、下り道を橋に向かう。一つ目の小さな橋を越えて、しばらくして祖谷川に架かる橋を渡る。そのまま50mほど行くと、久保バス停の向かい、公衆トイレの横に出る。



ここにはお店も食堂もないので注意。

久保発のバスは、1日数回、大歩危・池田方面へ向かう。

帰路の登山者であれは、12:24か14:24のバスに乗車することになるだろう。

これらのバスは、JR大歩危駅13:35 / 15:35着。JR阿波池田駅14:15 / 16:15、阿波池田バスターミナルに14:15 / 16:15着。

登山中級者ならば、この三嶺山〜天狗塚の尾根道縦走で、四国の贅沢な山と空の眺めを楽しんでみてはいかがだろうか。

詳細はこちら

三嶺山ルート&トレッキングマップ

https://www.iyatime.com/mt-miune

四国交通バス

https://yonkoh.co.jp/routebus

(取材・文・写真: ショーン ラムジー) 

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