毎年200万人が訪れる人気の夏祭り!その祭りの魅力とは?

起源とされる七夕まつりの灯籠流しが大型化し、現在の形に

令和3年度金賞/あおもり市民ねぶた実行委員会/「雷公と電母」/作:北村麻子/写真提供:青森観光コンベンション協会

秋田竿燈まつり、仙台七夕まつりと並び、‟東北三大祭り”のひとつに数えられる「青森ねぶた祭」。コロナ禍前は全国から毎年200万人以上の観客が訪れた日本有数の夏祭りです。

その特徴は、なんといっても圧倒的な存在感を誇る巨大灯籠・ねぶた!

起源は奈良時代まで遡るとされ、七夕祭りで行われる灯籠流しが変化したものだと考えられています。明治時代以降は、青森では人形をかたどった灯籠(ねぶた)が主流となり、大型化。現在のような形になったのは戦後に入ってからで、昭和55年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

語源は、農作業の妨げをする眠気を送り出す習俗「ねむりながし」から。方言で「眠たい」を「ねぶたい」といい、その訛りから「ねぶた」になったとされています。

青森では「青森ねぶた祭」のほかにも、「五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)」、「弘前ねぷたまつり」、「黒石ねぷたまつり」などが同時期に開催されており、各地域で特徴的なねぶた(ねぷた)を見ることができます。

ねぶたの題材は歴史的な物語や歌舞伎など。最近はバリエーションにも注目

令和3年度銀賞/青森菱友会/「雪の瓦罐寺」/作:竹浪比呂央/写真提供:青森観光コンベンション協会

明かりが灯され煌々と光り輝くねぶたの美しさは唯一無二。

題材は歴史上の人物や伝説、歌舞伎などが多く、まるで映画のワンシーンを切り取ったかのような情景。細部まで丁寧に描かれ、迫るような躍動感は見る者の心をわしづかみにしてくれます。

ねぶた師はねぶたの設計図となる下絵を完成させると、角材で支柱を作り、針金や糸を使って骨組み。照明を取り付けたあとは和紙を貼り、墨で顔や手足、着物などを書き分けていきます。

そして色付けなどの工程を経てついに完成。高さ最大5m、幅最大9mにもなり、制作期間約3ヵ月、制作人数約300人、総額約2000万というまさに超大作なんです。

制作期間中はJR青森駅から徒歩7分ほどのところにある青い海公園の一角に、ねぶたを制作・収納するための小屋「ラッセランド」が作られるので、入り口が開いている小屋があれば間近で見ることもできます(※2022年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、小屋の中に入っての見学は不可)。

一般参加OK!「跳人」になって祭りを120%楽しもう

写真提供:青森観光コンベンション協会

そしてこのお祭りを一層盛り上げてくれるのが「跳人(はねと)」と呼ばれる踊り手たち。「ラッセラー、ラッセラー!」の掛け声とともに、多い時には約2000人がぴょんぴょんと飛び跳ね大乱舞!あたり一帯がすさまじいほどの熱気と興奮の渦に包まれます。

実はこの跳人は一般参加OK!市内で購入またはレンタルできる正式な衣装さえ着ていれば、一緒に混ざって踊ることができるんです♪(購入は7000~8000円、レンタルは3000~4000円が目安)

通常であれば、「誰でも」「事前の申し込みなしで」「どこのねぶたにも」自由参加が可能な跳人。衣装を着て、運行スタート前に運行コースに待機しているねぶたの団体に合流するだけでOKでしたが、2022年度は新型コロナウイルス感染防止対策のためウェブサイトからの申し込みによる事前登録制に変更されました。

目指すは「ねぶた大賞」!各賞の審査ポイントを要チェック

ねぶた大賞を受賞した団体による海上運行の様子/写真提供:青森観光コンベンション協会

8月2日~5日は大型ねぶたの審査が行われます。伝統性を重視しつつ、躍動感や重厚感などの「表現」、全体的な見栄えやバランスなどの「構図」、墨の線と効果的な色使いなどの「色彩」、効果的な照明になっているかの「明暗」、有効な細やかさが見られるかの「繊細度」などが審査項目に。

100点満点で審査され、知事賞、市長賞、最優秀制作者賞などの各賞があり、最も栄誉とされるのが「ねぶた大賞」。ねぶたの制作を主体に、運行や跳人、囃子など総合的に優れている団体に授与されます。

8月5日の夜遅くに審査結果が発表され、受賞団体は額を付けて6~7日の運行に参加。トップレベルのねぶたが集合し、再び大歓声のもと見ることができます。

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2022年の最新情報をチェック!コロナ対策で通常と違う点も

8月2日(火)~7日(日)開催!クライマックスは週末に

ねぶた囃子も会場を盛り上げる/写真提供:青森観光コンベンション協会

毎年曜日関係なく8月2日~7日に行われる「青森ねぶた祭」。2022年の今年は火曜日が初日で、クライマックスはちょうど週末にかけて行われます。各日のみどころをご紹介します。

2・3日(夜)
 子どもねぶた/大型ねぶた

 4・5・6日(夜)
大型ねぶた

 7日(昼)/(夜)
 大型ねぶた/青森花火大会、ねぶた海上運行

前半に行われる「子どもねぶた」には、地域の子ども会や幼稚園が制作したねぶた約5台が登場。子どもたちやその親御さんたちが山車を引いて練り歩きます。

大型ねぶたは日によって運行台数が変わりますが、13~17台が運行されます。2~5日かけて大型ねぶたの審査会があり、6~7日は受賞団体のお披露目運行。最終日の7日は19時15分~20時45分まで青森港で花火大会が開催されます。

そしてクライマックスは「ねぶた海上運行」。受賞ねぶた4台が参加し、台船の上に乗って、青森港を運行。海上に漂うねぶたと花火のコラボレーションで、6日間にわたるお祭りもフィナーレを迎えます。

ゆったり見たいなら有料の観覧席がオススメ

祭りの運行は市中心部の沿道にて行われます。

観覧席を購入しなくても、さまざまなところから祭りの様子を見ることはできますが、大人気のお祭りゆえに混雑は必至。

個人観覧席(9人以下)は3500円(パンフレット付)で販売されているのでゆっくりと見たい方にはオススメです。

花火大会も別途観覧席を販売しているので(B席3500円~)、購入したい方は公式ホームページをご確認ください(http://aomorihanabitaikai.jp/)。

宿泊は1年前から争奪戦!駐車場も要チェック

写真提供:青森観光コンベンション協会

祭り期間中はホテルは早い段階から埋まってしまいます。

宿が取れない場合は、青森市以外に宿泊するか、料金は高くなりがちですが直前のキャンセル空きを狙ってみましょう。

また運行コースエリア内は交通規制がかかり、車両の出入りはNG。臨時駐車場は車で約10分ほどの距離に設けられていますが、渋滞も予想されるので公共機関でお越しになることをオススメします。

新型コロナウイルスの影響で中止が続きましたが、2022年は3年ぶりの開催!ねぶたに関わるすべての人がずっと待ち望んできた日です。例年にはない、魂みなぎるパワーがあふれだす祭りになることは間違いありません。

そして「青森ねぶた祭」の醍醐味は、見て楽しむだけではなく、自分も演者として楽しめること。東北の夏を感じられる、一生に一度は訪れてほしい熱き祭りへ、ぜひみなさんもお越しください!

■青森ねぶた祭
あおもりねぶたまつり

期間:2022年8月2日(火)~8月7日(日)
会場: 青森市中心部
電話:017-723-7211(青森観光コンベンション協会、平日8時30分~17時15分)
時間:【8月2・3日】19時出発【8月4~6日】18時50分出発【8月7日】13時出発
交通:JR青森駅から徒歩10分
料金:3500円(パンフレット付)
URL:https://www.nebuta.jp/

※跳人の参加は2022年は事前申込制。当日参加は不可なのでご注意ください。


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