今やマクラーレンやロータス、アストンマーティン、モーガンなどスーパーカーやスポーツカーか、外資傘下でSUVを作るランドローバーくらいしか残っておらず、現地資本の大メーカーは壊滅してしまったイギリス車。

かつてはいろいろなメーカーがあり、よく言えば個性的、実際には時代に取り残されたような車を作っていましたが、それもまた「味」というもので、今回はそんなイギリス車の「四角い車」を厳選して紹介します。

ランドローバー ディフェンダー(1990年)

まるでイギリス版ランクル70

ランドローバー ディフェンダー

現在はインドのタタ・グループ傘下にあるSUVメーカー、ランドローバーはイギリス自動車界の合併や外資による買収での再編成に巻き込まれ、かなり複雑な歴史をたどっていますが、「ランドローバー」ブランドの独立前、1940年代からローバーのSUVはありました。

有名になったのは高級SUVの「レンジローバー」ですが、旧態依然ながら頑丈でタフ、信頼性の高いクロカン車の生産は続き、1990年に「ディフェンダー」と改名、それでもゴツゴツとした無骨な外観は維持されたあたり、日本のランクル40/70系と似ています。

2013年に生産終了後、V8エンジンを積む復刻版的な特別仕様車を限定販売した後、タタ傘下となった後の2020年に復活、リメイク版とも言えますが、かつてのような無骨さはもうありません。

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ローバー 3500(1968年)

西風の漫画くらいでしか見たことはないが、インパクトは抜群

ローバー 3500 ©Sergey Kohl/stock.adobe.com

日本では伝統的な有名自動車誌の編集長も勤めた自動車評論家が愛した車、あるいはエンスー漫画家・西風の短編でロマンチックな場面を彩る役目から印象の強い車ですが、そうしたエピソードに目を通した経験がなければ、マイナーそのもののローバーP6。

まだローバーが元気だった1963年、基本的にはボクシーながら、シャープなデザインの2L級ミドルクラスセダンとして発売、1968年にV8エンジンを搭載した3.5L版も登場し、前者はローバー 2000(後にエンジン換装し2200)、後者はローバー 3500と呼ばれます。

大排気量エンジンのため、大型化されたフロントグリルなどボリューム感のあるフロントマスクによって、「四角い車」の印象は強まり、今見るとなかなか味わい深い顔つきです。