カーナビとスマホ地図アプリを比較！はたしてどちらが便利？その結果に納得

地図アプリの登場によって誰でも、どんな車でも手軽にカーナビゲーション機能が使えるようになりました。

しかし、スマホがあれば車載カーナビは不要かといえば、そうともいいきれません。

地図アプリには特有の癖があるため、車載カーナビの代わりとして頼り切ってしまうと迷ってしまうことも多々あります。

それを踏まえたうえで、カーナビとスマホ地図アプリを比べた場合、はたしてどちらが便利なのでしょうか？

カーナビ不要？無料で使える便利な地図アプリ

高価なカーナビをわざわざ購入・取り付けする必要なく、同様の機能を手軽に使えるのがスマホの地図アプリ。現在では「Googleマップ」「Yahoo! カーナビ」などの無料アプリから「ドライブサポーター」「カーナビタイム」などの有料アプリまで、多くの地図アプリが登場しています。

地図アプリの特徴は、地図情報がオンラインで常時更新されるため面倒な地図更新が不要な点。さらに、高価な車載カーナビに搭載されるようなリアルタイムの渋滞情報や周辺情報が無料、あるいは安価で利用できる点です。

しかし、高性能な地図アプリの登場によって車載カーナビは不要になるかと思いきや、実はカーナビの需要はそれほど落ち込んではいません。

IT産業およびエレクトロニクス産業の振興と技術開発促進などを目的とする一般社団法人電子情報技術産業協会（JEITA）の資料によると、カーナビの出荷台数は2018年に約614万台でピークを迎え、翌年も約604万台を出荷しています。

一方で地図アプリの利用率は登場から年々増加を続け、株式会社ゼンリンの地図利用実態調査によると2018年時点での地図アプリ利用率は62.0％まで増加しているとのことです。

2020年・2021年は半導体不足でカーナビの出荷台数が低迷しているものの、地図アプリが普及しても車載カーナビは好調な売れ行きを示しています。つまり、車載カーナビと地図アプリはしっかりと棲み分けができているということです。では、それぞれの違いはどこにあるのでしょうか。

車載カーナビのおもな利点は、操作性の高さと大画面による見やすさです。地図案内の肝となるGPSによる測位システムは車載カーナビ・スマホともに備わっており、機能自体にはそれほど違いがありません。両者のもっとも大きな違いは加速度センサーの精度といえるでしょう。

さらに、車載カーナビはGPS信号が途切れる山間部やトンネルでも、加速度センサーや車速センサーにより正確な位置を表示できます。

機能の多くをGPSと通信電波に依存する地図アプリは、山間部のようにどちらかが機能しなくなる状況下では正確な経路案内ができなくなる場合があります。

さらに、データ通信量も地図アプリのネックといえるでしょう。「Googleマップ」の経路案内は1時間あたり約3MBほどの通信が必要であり、通信量は情報量が大きいアプリほど増える傾向にあります。長時間の使用や、拡大などで詳細な情報を得ようとすればさらに通信量が増え、パケット通信の使用枠を圧迫します。

また、最初だけルートを設定すれば、以降はオフラインで使える地図アプリも多いものの、ルート再検索には完全対応できません。つまり地図アプリは、電波通信が悪い場所で道を間違えると、カーナビとしての機能を果たせなくなる恐れがあるということです。

よって、山間部を通る移動や、まったく知らない場所に行くなら車載カーナビの方が安心といえます。

反対に、帰省など、ある程度土地勘のある場所に行くならスマホの地図アプリでも十分に代用が可能です。些細な欠点はあるものの、注意点さえしっかり覚えておけば無料の地図アプリでも車載カーナビに劣らない性能を発揮します。

ただし、もっともありふれた地図アプリであるGoogleマップは、厳密にはカーナビ専用アプリではありません。Googleマップは、車で走行困難な道案内がされる場合もあるため注意が必要です。スマホをカーナビとして頼るなら、しっかりとしたカーナビアプリの利用をおすすめします。