【合わせて知っておきたい】人身事故における任意保険の役割
人身事故で使われるのは対人補償
多くのユーザーが加入している自動車保険(任意保険)の補償区分は、対人・対物・傷害・車両の4項目で構成されています。このうち、人身事故や物損事故で使われるのが対人補償です。
人身事故で死亡・負傷した遺族・相手への治療費・慰謝料を補償することが対人補償の役割となっています。人身事故の際に破損した相手側の車両の補償には、物損事故における損害賠償を支払うための対物補償が使用される仕組みです。
対人補償を利用した場合、次の自動車保険更新の際には等級が3つ下がります。任意保険を使わない、あるいは人身事故を起こした際に任意保険に加入していない場合には自賠責保険で支払い、自賠責で補償される上限金額以上は全額実費負担となります。
型式別料率クラスが車両そのものの保険料を決定する
任意保険の保険料は、まず型式別料率クラスによって決定されます。これは車両型式ごとに、上記4つの補償区分をクラスと呼ばれる数値で区別することです。自家用普通乗用車と自家用小型乗用車では1~17クラス、自家用軽四輪乗用車では1~3クラスとなっています。
保険料の側面から見ると、クラスの数字が大きい車両は、小さい車両よりも保険料が高いです。過去にそれだけ多くの補償実績があるということになります。任意保険の費用は加入者の年齢によって大きく変化しますが、料率クラスは車両そのものに決められているため一定です。
損害保険料率算出機構のウェブサイトの「型式別料率クラス検索」を使用すると、入力した型式の車両の料率クラスの参考値を確認できます。現在所有している車両とこれから乗りたい車両の料率クラスを比較するのにおすすめです。
料率クラスは毎年更新されるので、2020年と2021年で料率クラスが異なる可能性は十分あります。また、総じて、巷でよく見かける車種であればあるほど料率クラスが高い傾向です。
なお車検証には必ず車両型式が記載されています。自分で確認したことのない方は、一度目を通してみましょう。
【教えて!自動車保険の見直し】保険料を安くする裏技!新規も加入中の方も必読!
(広告の後にも続きます)
人身事故を起こした時の対処方法
交通事故の当事者となった時に最も大切なことは、怪我人を救護すること、二次災害を防ぐこと、警察へ事故の詳細を報告することです。
負傷者の救護や二次被害を防ぐための対応を行う
道路交通法第72条(交通事故の場合の措置)を順守することが基本となります。この法律では、その交通事故の当事者である運転者等(運転手ならびその他乗務員)が負傷者の救護や二次被害を防ぐための対応などを行うことは義務であると定めています。「運転者等」となっているのは、当該事故の運転手が死亡あるいは負傷によって対応できない場合があるからです。
警察に事故に関する報告を行う
当該の交通事故が発生した後、その運転手は警察官へ事故に関する報告をしなければなりません。これも第72条に記述されています。報告しなければならない内容は次の通りです。
- 当該交通事故の日時・場所
- 死傷者の数 / 負傷者の負傷の程度
- 損壊させた物やその損壊の程度
- 当該交通事故に係る車両の積載物
- 運転者等が講じた措置
これらを報告するタイミングは、事故現場に警察官が到着していればその時です。そうでなければ当該事故発生場所の最寄りの警察署(派出所又は駐在所も含まれる)へ向かいましょう。
交通事故証明書発行のためにも報告は必須
交通事故の事実を証明する書類として交通事故証明書があります。事故が発生したことが事実であると公的に証明することによって、任意保険の補償を受けることができます。
例えば任意保険の加入にあたって保険代理店を利用する人が多いと思いますが、そういった人が実際に交通事故の当事者となった場合には保険代理店が必要な処理を行ってくれることがほとんどで、加入者自らが交通事故証明書申請をすることは滅多になく、実際には担当者と話し合いながら進めることになります。
被害者と加害者のどちらにとっても、人身事故は百害あって一利無しです。刑事・民事・行政処分と最大3つの処分が科されるだけでなく、免許を失ったり、懲役となる可能性もあります。人身事故によって失われるものを理解することが、自然と日頃の運転運転につながります。
ぶつかっていなくても相手が●●したら人身事故に!?詳しくはこちら
当たってないのに人身事故でひき逃げ犯?「非接触事故」に気づかず立ち去ったら
自分は悪くないのに怪我をした……これってどうなるの?詳しくはこちら
追突事故・もらい事故の加害者・被害者になったらどうする?|示談金や慰謝料の相場、過失割合など