ドヤ顔を見せるベジータだったが…… 『ドラゴンボール改 人造人間・セル編 8』DVD(Happinet)

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ベジータよ、先に仕留めておけば……

 仲間であるはずなのに絶望的な窮地を生み出してしまったり、逆に敵を強化する手助けをしてしまったりするキャラは、物語上必要な存在とはいえ、「戦犯キャラ」と呼ばれることもあります。今回は「週刊少年ジャンプ」作品のなかから、特に「あいつさえ余計なことをしなければ……」と議論に上がりがちなキャラを紹介します。

 戦犯キャラとしてよく名前が挙がるのが、『ドラゴンボール』のベジータです。ベジータは最初は敵として登場したものの、仲間になってから長く高い人気を誇っています。ところが幾度も敵キャラを仕留める機会を後回しにし、強大化した敵に返り討ちにされるという損な役回りにされることが多いです。

 例えば「人造人間・セル編」においては、超ベジータとなった自分の力を試したいがために、セルが完全体になるまで逃がすことにします。その結果、以前は圧倒できていたのに、セル完全体には手も足も出ずに敗退してしまいました。

 また「魔人ブウ編」においても、ベジータはあえてバビディの術にかかって悟空と戦います。そしてバビディたちが狙った通り、悟空との激しい戦いのエネルギーによって魔人ブウが復活してしまいます。もしベジータが余計なことをしなければ、セル完全体も魔人ブウも現れることはなかったかもしれません。「よく言えば話の発端を作る重要キャラ、悪く言えば戦犯」「戦士としての気持ちは分かるけど、妻子がいるんだから成長しようぜ」などと、いろいろと言われてしまっています。

『ONE PIECE』の主人公ルフィの大事な義兄かつ海賊王の息子であり、、白ひげ海賊団2番隊隊長のエースも「なぜそこで……」と「余計なことをしたキャラ」と名前が挙がることが多いです。海軍に捕らえられ、処刑されそうだったエースは、ルフィと白ひげ海賊団ら大勢の仲間たちにより、一時は救出されたかと思われましたが、海軍大将赤犬が船長の白ひげを「先の時代の『敗北者』」と罵ったことに怒り、逃げる足を止めてしまいます。

 そして、最終的にルフィをかばう形で赤犬に殺されました。エースのこの行動には、「海賊王の息子とは思えない煽り耐性のなさ」「足を止めたことで白ひげを本当に敗北者にしてしまった」「もっと活躍させてから死なせてほしかった」「あそこで立ち止まるからこそ、私たちが大好きなエース」と、いまだに賛否の声が上がっています。

 一方、敵キャラのなかで「無能」「こいつのせいで負けた」と言われているのが、『鬼滅の刃』のラスボス・鬼舞辻無惨です。圧倒的な強さを持つ鬼の始祖ですが、よく「部下の使い方が下手」と言われています。アニメ化された範囲で一番「余計な事した」と言われるのが、配下の十二鬼月の下弦の伍・累が死んだ後に、その他の下弦の鬼・5名を呼び出して魘夢以外の4人を理不尽に殺害した、通称「パワハラ会議」の場面でした。

 この会議で殺されずに無惨に血を与えられてパワーアップした魘夢が、「無限列車編」で炭治郎たちと戦うことになるのですが、ネット上では「下弦の残り4人も炭治郎討伐に向かわせればよかったのに」「下弦総出なら炭治郎、善逸、伊之助の誰かは殺せたでしょ」「残り4匹を煉獄さん足止めする役割とかにすれば、もっと魘夢も頑張れたはず」と、下弦の鬼たちの処刑に関してもったいないという声が多数出ています。

 その他、「戦犯」という人もいれば、それは違うと反論する人もいるキャラが、『ジョジョの奇妙な冒険』第5部のナランチャです。サルディニア島でラスボスのディアボロと熱戦を繰り広げていた暗殺チームのリーダー・リゾットのところへ、近くにいたブチャラティチームのナランチャのスタンド「エアロスミス」が飛来します。あと一歩で倒せそうだったのに、ボスにエアロスミスを利用されて弾を撃ち込まれ、リゾットは敗北してしまいました。

 ただ、この場面に関しては「ナランチャはメスが飛んできた方向にいた呼吸をしている人間を撃つという、当然のことをしただけ」「単純にボスの知恵がリゾットを上回っただけでしょ」「そもそもエアロスミスのエンジン音がきっかけで、リゾットはドッピオ(ディアボロのもう一つの人格)がスタンド使いと気付いたわけだから、むしろボスを弱らせるのに貢献したと思う」と、擁護派の意見が強めです。