映画『ファンタスティック・プラネット』ポスタービジュアル (C)1973 Les Films Armorial – Argos Films

【画像】ポスターの段階で女の子の顔がッ!? 怖すぎたトラウマアニメ映画を見る(8枚)

人にはあんまりおすすめできない?

 信じられないような衝撃のストーリー展開やインパクトの強過ぎるシーンがあるアニメ映画は、観た人にトラウマを与えることも多々あります。

「作品自体は良いんだけど、トラウマが刺激されるからまた観たくはない」「あの作品、嫌いではないけど人を選ぶかも……」というような作品は、誰しも思い出せるはずです。

 今回はそんな人によってはトラウマになるかもしれないアニメ映画を紹介します。

『ファンタスティック・プラネット』

 1973年にフランスとチェコが共同制作した『ファンタスティック・プラネット』は、紙を切って作ったキャラクターを使った「切り絵アニメーション」という手法や、ブラックユーモアあふれるストーリーによって、長年国内外で熱烈なファンを獲得しているSFアニメ映画です。

 地球ではないどこかの惑星を舞台に、巨大な種族の「ドラーグ族」と、彼らに支配される「オム族」による争いを描いた作品は、さまざまなクリエイターに多大な影響を与えていることでも知られています。たとえば人気ゲーム『ピクミン』は、作品の世界観を作るうえで開発チームが視聴していることをインタビューで明かしていました。

 この作品に登場するオム族は人間そっくりですが、ドラーグ族は青い皮膚や真っ赤で丸い目、魚のヒレのような耳という異質な見た目をしています。ドラーグ族は自分たちの手のひらに乗るほど小さなオム族を奴隷やペットのように扱っており、害虫を駆除するかのようにあっさりと殺す描写も少なくありません。人間のようなオム族が踏み潰されたり、首輪をつけられて散歩させられたりするシーンは、観ていて鬱々としてくるほどです。

 夢に出てきそうなほど強烈なビジュアルと、切り絵アニメーションによるシュールな作風で、多くの人に強烈なインパクトとトラウマを与えてきました。

『映画 聲の形』

 マンガ『聲の形』を原作とする『映画 聲の形』は、登場人物の心理描写や京都アニメーションによる美麗な作画が高い評価を得ている一方で、作中のいじめのシーンがリアル過ぎるあまり、トラウマに感じたという意見も多々ありました。

 聴覚の障害を理由にいじめられる少女・硝子(しょうこ)と、いじめの中心人物だった少年・将也を中心に、さまざまな人間ドラマが描かれる同作は、ふたりが出会った小学校の頃から始まります。転校生としてやってきた硝子は、耳が聞こえないために授業が進まなくなることから、補聴器を壊されるといったいじめを受けるようになりました。

 学校全体で大きな問題として取り上げられるようになって初めて、ことの重大さに気づいた将也でしたが、クラスメイトから全ての責任を押し付けられ、逆にいじめの標的となってしまいます。

 いじめの描写だけでなく、硝子のためを思った大人たちの行動が裏目に出てしまう瞬間、高校生になって遺恨のあるクラスメイトに会った気まずさなど、観ていて心が痛むシーンもあり、SNSでは「作品自体は素晴らしいけど、もう1回観たくない」「小学生の頃のことを思い出して辛くなってくる」など、過去の実体験のトラウマを刺激された人も少なくないようです。

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再上映によってトラウマを味わった人も続出?

『パーフェクトブルー』



映画『パーフェクトブルー』DVDジャケット(ジェネオンエンターテイメント)

 日本を代表するアニメの巨匠のひとり・今敏監督の初監督作品として知られる『パーフェクトブルー』は、凄惨なシーンが多いことから国内ではR15、その他ほとんどの国ではR18とレーティングが定められています。

『パーフェクトブルー』は、突如としてアイドルから女優への転身をはかった主人公・未麻が現実と虚構の区別がつかなくなっていく、サイコサスペンスです。作中では惨殺された死体がはっきりと映し出されるほか、ドラマの中で未麻がレイプシーンを拒否することなく撮影する描写など、エロ、グロシーンも少なくありません。

 2023年9月には制作を手がけたマッドハウス創業50周年、『パーフェクトブルー』25周年を記念して、4Kリマスター版での劇場上映が行われています。記念上映で『パーフェクトブルー』を初めて鑑賞した人たちによる「これ観てトラウマにならない人いるの?」「観ててキツくなるシーンばっかりで頭痛くなった」などといった声がSNSで続出していました。

『火垂るの墓』

 スタジオジブリによる長編アニメーション映画『火垂るの墓』(高畑勲監督)は、戦争の悲惨さを後世に伝える作品として高く評価されている一方、戦争孤児となった幼い兄妹・清太と節子が亡くなるバッドエンドや戦争の影響がまだ節々に感じられるリアルな描写に「もう観たくない」と、トラウマを植え付けられた人も多い、トラウマアニメ映画の代表的1作です。

『火垂るの墓』では、明確に清太の死亡が明かされる冒頭のシーンに加え、空襲によって重傷を負った母親と対面するシーンもトラウマと言われています。

 空襲が発生した際、清太は母親を先に防空壕へと避難させますが、母親は全身に大火傷を負ってしまいました。空襲によって離れ離れになった清太はなんとか母親と再会するも、母親は全身包帯姿でうめき声をあげるのみの変わり果てた姿になっていたのです。

 後から防空壕へと向かった節子と清太は助かっており、母はやけどによって死亡しますが、これは心臓の弱い母親を案じた清太の判断によるものです。もしも家族3人で後から防空壕へ向かっていれば、母親も生存していた可能性もあります。

 変わり果てた姿に動揺してその場から逃げ出してしまった清太が再度お見舞いに訪れると、母親はすでに息を引き取っており、身体にはウジ虫がたかっている……というシーンも観客にトラウマを与えました。

 そんな『火垂るの墓』は公開当時『となりのトトロ』と同時上映された作品であり、劇場で観ていた人の奥は可愛らしいトトロに癒された直後に、トラウマ級の衝撃を受けたことでしょう。