フェイス・フラッシュを放つ瞬間を立体化「CCP Musculer Collection NO.EX キン肉マン フェイスフラッシュ 原作 ブラックメタリック」 (C)ゆでたまご

【画像】キン肉マンだけじゃない! スーパー・フェニックスほか「フェイス・フラッシュ」が使える超人!(5枚)

あの時フェイス・フラッシュが放たれていたら…?

 おなじみ『キン肉マン』のエピソードのひとつ「キン肉星王位争奪編」は、キン肉マンのキン肉星王位継承に異を唱える運命の五王子との戦いを描くものです。このシリーズでは新しい超人や新技が次々と登場し、1991年にはアニメ化もされています。

 その新技、というか新設定のひとつに、キン肉マンの素顔から放たれる強烈な光「フェイス・フラッシュ」がありました。その光は、酷く汚れたドブ川を清く澄んだ川に変えたり、鋼鉄を飴のように曲げたりするのみならず、死んだはずの超人をも復活させるという、まさに神のごとき奇跡を起こすものです。

 言ってしまえば、何でもアリの究極技で、そのようなものが「マスクの下の素顔が少しでも露わになることで放たれる」という簡単な発動条件で使用できてしまうのでした。そこで読者はふと思ったはずです。「キン肉星王位争奪編」以前のエピソードにおいて、キン肉マンの素顔が露わになりそうなことはなかったのか、と。

 そのような機会は、実はありました。しかし、マスクを剥がされそうになって顎のラインが露わになっても、その素顔から光が放たれるような描写はありませんでした。

 それはコミックス9巻の第115話から始まる「第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイト」決勝のウォーズマン戦でのことです。そのなかの第118話では、ウォーズマンの攻撃を受けたキン肉マンがマスクを破られ、肉のカーテンでなんとかこれを守ろうとします。

 もし、この時点で破れたマスクの隙間からフェイス・フラッシュが放たれていたとしたら、鋼鉄を飴のように曲げてしまうその力で、ウォーズマンのベアクローをも曲げて使用不能にできていたかもしれません。

 では、なぜこのときフェイス・フラッシュは放たれなかったのでしょうか。「王位争奪編で思いついた設定だから」というのが実際のところかもしれませんけれども、そうしたメタなお話はさておき、ひとまず物語世界のなかで考えてみたいと思います。

 そもそもフェイス・フラッシュは、キン肉星の王族にのみ立ち入りを許されている「筋肉の滝(マッスル・フォール)」に流れる「知恵の水」を浴びたり飲んだりすることで使えるようになる、というものです。よってフェイス・フラッシュは、「王族であれば使える」というものではなく、逆に王族でなくとも水さえ浴びる/飲むことができれば使えるようになるものです。

 キン肉マン スーパー・フェニックスがフェイス・フラッシュを使えるのもこのためで、母親のシズ子が密かに、生後間もない我が子の顔に知恵の水をすり込んでいたからでした。さらにシズ子によれば、2年ほどそのすり込みを続けると、少しずつ不思議な光が放たれるようになったといいます。



フェイス・フラッシュが登場する王位争奪編のBlu-ray「キン肉マン一挙見Blu-ray キン肉星王位争奪編 1」 (C)ゆでたまご・東映アニメーション

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乱発していたらつまらない作品だったかも…?

 ここで注目すべきは「少しずつ不思議な光が放たれるようになった」というところでしょう。その説明がなされるコマにおいても、顔が光っているような描写は確認できるものの、一方で「フラッシュ」、すなわちフェイス・フラッシュとして描写されるような、閃光のようなものではありません。

 そこから推察されるのは、閃光をともなうフェイス・フラッシュはやはり意図的に発動するものなのではないか、ということです。そしてもうひとつ、その顔からは常時、光が放たれているものの、その通常時の光量は控えめなものであろう、ということも考えられます。それは、仮定のうえに仮定を重ねることになりますが、もし閃光を放つまで知恵の水をすり込み続けたということであれば、シズ子は止まった心臓をも蘇生する奇跡の閃光を至近距離から浴び続けていたことになり、病弱というその体になんらかの影響があってもよさそうなものではないか、と考えられるからです。

 そうすると、上述したウォーズマン戦でフェイス・フラッシュといえるような閃光が観察されなかったのは、キン肉マンが意図して発動していないので当然のことであり、そして会場は天井のない国立競技場ゆえ、日中の晴天下における光量のなかでは、顔から常に放たれているはずの光も視認できるほどではなかった、と説明できるのではないでしょうか。

 フェイス・フラッシュ(あるいは顔の発光現象)が初めて描写されたドブ川のシーンは、キン肉マンが意図的にフェイス・フラッシュを発動したわけではありませんが、一方でどう見ても夕景のなかです。つまり白昼のように自然光の強い環境ではなく、よって常に顔から放たれている光でも十分な光量が得られた、という説明ができそうです。

 そのドブ川のシーンまで、キン肉マン本人もフェイス・フラッシュ(および常時発光すると推察される顔からの光)にそれほどの力があるとは思っていなかった様子がうかがえますので、ウォーズマン戦においては、意図的に発動するという発想そのものがなかったといえるでしょう。

 以上のように、「ウォーズマン戦においてフェイス・フラッシュが観察されなかった理由」は、なんとか説明ができそうです。とはいえもし、フェイス・フラッシュでウォーズマンのベアクローが飴のように曲がってしまっていたとしたら、ベストバウトのひとつに数えられるほどの名勝負にはなっていなかったでしょうね。