「機動戦士ガンダムDVD-BOX 1」ビジュアル(バンダイビジュアル)

【画像】ヒドすぎん? カイ・シデンに「白目なし」呼ばわりされたブライトさんに注目

もはや名言以上に悪口の宝庫?

 常に戦闘の第一線で戦っているとはいえ、「ガンダム」シリーズの登場人物もひとりの人間です。鬱憤が溜まれば、ポロッと悪口をこぼすこともあるでしょう。それこそ「いま何て言った?」と思わず耳を疑う、火力強めな悪口が飛び出すことも……。

上官を「白目なし」呼ばわり

「白目なし、今日はとびきり機嫌が悪いでやんの」これは2022年6月に公開された映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』の劇中で、ホワイトベースの乗組員、カイ・シデンが同僚にぼそっと耳打ちしたセリフです。

 彼の言う「白目なし」とは、ホワイトベースの艦長にして、シリーズ屈指のつぶらな瞳を持つブライト・ノアのこと。カイにとっては上官にあたります。本来であれば上官のチャームポイントをイジるなどもってのほかですが、本人を目の前に「白目なし」呼ばわりできるところはさすがの度胸といえるでしょう。

 ちなみに「白目なし」と揶揄されたブライト艦長は、シリーズによってちゃんと白目が描かれていることも。たとえば1988年に公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、ブライト艦長の白目をしっかり確認できます。つぶらな瞳であることには変わりありませんが。

シャア・アズナブルはロリコン

 とはいえカイの「白目なし」は、まだ愛嬌のある悪口かもしれません。赤い彗星ことシャア・アズナブルに至っては、自分より階級がずっと下のギュネイ・ガスから「ロリコン」と言われていました。

 彼のロリコン発言が飛び出したのは、映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』でのことです。シャアに心酔する少女、クェス・パラヤに見かねたギュネイは、「大佐はジオンの一年戦争のときに使ったパイロットのララァに取り憑かれてるんだぜ」と説明したうえで、シャアを「ロリコン」呼ばわりします。

 確かに彼の言う通り、シャアはニュータイプの少女、ララァ・スンに異様な執着心を持っていました。しかしそれは、ララァが自分の「母親」になってくれたかもしれない女性であったため。正確にはロリコンではなく、「マザコン」と言った方が正しいでしょう。



センス溢れる悪口は間違っていてもかっこいい? レズン姐さんの秀逸な悪口が拝める『ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(バンダイビジュアル)

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「ロンド・ベルなら――」

間違えてるけど謎のかっこよさがある悪口

 映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』つながりでいえば、ギラ・ドーガ隊小隊長のレズン・シュナイダーが放った「ロンド・ベルなら鈴を鳴らしてりゃいいんだよ」は、なかなかセンス溢れる悪口に思えます。

 ロンド・ベルとは、アムロたちが所属する地球連邦軍の精鋭部隊のことで、武力的な反地球連邦政府活動を取り締まるために結成されました。そして彼らのエンブレムには「鐘」が描かれていることから、おそらくレズンは「警鐘を鳴らす」という意味で「ロンド・ベルなら――」と交戦前に皮肉ったのでしょう。

 鈴と鐘を若干勘違いしているものの、ファンの間では作中屈指の名ゼリフ(?)として語り継がれています。

短足寸胴ヨチヨチ歩き!

 秀逸な悪口もあれば、純粋な悪口が飛び出すことも少なくありません。アニメ『機動戦士ガンダムZZ』第5話で、ジャンク屋のゲモン・バジャックがジャンクパーツで自作したハンドメイドモビルスーツ「ゲゼ」が登場します。コックピットは胴体のレールに沿って360度回転できる構造になっており、搭乗者の実力次第ではZガンダムを転倒させるほどの実力を持っているのですが……。

 ゲゼに乗って奇襲を仕掛けてきたゲモンから学校を守るために、子供たちはゲゼの悪口を次々とぶつけます。「それでもカッコいいつもりかよ!」から始まり、「少しはハイザックでも見習え!」「そんな短足で何が機動力だ」「走れんのか?」と言いたい放題。極めつけは「短足寸胴ヨチヨチ歩き」です。もしモビルスーツに感情が備わっていたら、きっとゲゼは涙目になっていたことでしょう。

 名言の宝庫にして、悪口の宝庫でもある「ガンダム」シリーズ。ほかにどのような悪口が飛び出すのか、キャラクターのセリフひとつひとつにぜひ耳を傾けてみてください。