戦いに勝った描写がほとんどない不憫なキャラ 画像は「ONE PIECE Log Collection "ACE"(初回限定版) 」(エイベックス・ピクチャーズ)

【画像】弱いはずがない? エースの強さを実証する人物たち(4枚)

超有名キャラなのに勝ち星に恵まれない? 四皇の幹部の不憫な戦績

『ONE PIECE』に登場するポートガス・D・エースは、四皇の一角だった「エドワード・ニューゲート(通称、白ひげ)」率いる白ひげ海賊団の2番隊隊長という肩書を持っています。そしてご存知の通り、主人公のルフィの義兄弟であり、作中でも屈指の実力の持ち主だと考えられています。

 しかし、そんなエースの戦いを見てみると、意外なことに戦闘で勝利をおさめたシーンはほとんど描かれていません。強いはずなのに「本当は弱いのかも?」と不安にさせられる、エースのこれまでの戦績を振り返ります。

 まず、アラバスタ編で初登場を果たしたエースは、当時海軍の中将だったスモーカーと対峙します。その際にエースは「おれとお前の能力じゃ勝負はつかねェよ」といい、「メラメラの実」の力で炎の壁を作り、スモーカーたちが追って来られない状況を作り出して逃げ切りました。

 その後、「仲間殺し」の罪を犯した黒ひげを追いかけ、バナロ島で戦うこととなります。この戦闘が作中で初めてしっかり描かれたエースの戦闘シーンでした。序盤にエースは「メラメラの実」の炎で黒ひげを苦しめますが、黒ひげの「実体に触れると悪魔の実の力を使えなくなる」という「ヤミヤミの実」の能力によって形勢を逆転されます。

 最終的に追い詰められたエースは、大技を使って勝負を決めにいきますが、黒ひげの能力の前に敗北、世界政府に引き渡されることになりました。



エースがパッケージに描かれたDVD『ONE PIECE Log Collection Special"Episode of GRANDLINE"』(エイベックス・ピクチャーズ)

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誰もが衝撃を受けた「まさかの決着」

 続いて、エースが引き金となって勃発した「頂上戦争」では、エースは赤犬(サカズキ)に戦いを挑みます。

 しかし、赤犬が食べた「マグマグの実」の能力は、エースの「メラメラの実」の上位互換ともいえる能力で、エースは苦戦を強いられます。そして、ルフィを狙った赤犬の攻撃を身を挺して受けたエースは、体を貫かれて致命傷を負いました。

 以上が、作中できちんと勝敗が描写されたエースの主な戦いです。結果だけ見ると、負けが続いたうえに命まで落としています。しかし対戦相手を振り返ると明らかに格上が多かったのと、エースの能力との相性の悪さが敗因として考えられます。

 ネット上でも「相性はどうしようもない。戦った相手が悪かった」といった声が目立ちました。

 また、エースの強さを示す証拠として、戦闘描写はほとんどありませんでしたが、ジンベエや白ひげといった実力者たちと戦って「生き残った」という実績があります。

 ジンベエとエースは5日も勝負がつかない互角の戦いをみせており、元王下七武海のジンベエの実力を考えると、エースの強さがうかがえます。

 そして白ひげと戦った際には、仲間を逃がし、エースひとりで白ひげに立ち向かうという勇敢さをみせました。白ひげには歯が立ちませんでしたが、その度胸を買われて白ひげ海賊団に加入することになります。

 またエースは、マリンフォードで処刑台から解放された後に、当時海軍大将の青キジ(クザン)とも拳を交えています。その際、エースはルフィを守るために、青キジの技「暴雉嘴(フェザントベック)」を、「鏡火炎(きょうかえん)」で完全に防いでいました。

 この戦いは決着がつかないまま終わりましたが、エースには海軍大将と張り合えるだけの実力があったのは間違いありません。

 物語上、敗北のシーンが目立ってしまったエースですが、こうした細かいシーンやエピソードまで加味すると、やはり彼の強さは相当なものだったことがうかがえます。もしエースが生きていたら、「2年後」の世界でどれほどの実力者に成長を遂げていたのかも見てみたかったですね。