とてもいい笑顔の友蔵さんが写った「ちびまる子ちゃん」一家の様子。家族の日常を描いたアニメとして長い間、親しまれている作品だが… アニメ『ちびまる子ちゃん』のキービジュアル (C)さくらプロダクション/日本アニメーション

【画像】絶ッッッッ対に祖父にはなって欲しくない?クソジジイキャラ(5枚)

『ちびまる子ちゃん』に出てくるおじいちゃんは作者の理想像?

『ちびまる子ちゃん』の登場人物であるおじいちゃん・友蔵は、何があってもまる子のことをかばってくれるとても優しい存在です。同作品は作者のさくらももこ先生が経験した幼少期をベースとして描かれているため、「実際に暮らしていたおじいちゃんともきっと仲が良かったのだろうな」と思っているアニメ視聴者が多いかもしれません。しかし実際のさくら先生の祖父は、アニメで描かれているような性格ではありませんでした。

 エッセイの『もものかんづめ』のなかでさくら先生は、おじいちゃんが家族に対してズルくて意地悪で、みんなから嫌われるようなことばかりしていたことを告白しています。ボケたふりをして、さくら先生の貯金箱からお金を盗んだり、お風呂をのぞいてみたりと、家族に迷惑をかけてしまうようなことばかりしていたそう。

 また、おじいちゃんは亡くなる数年前からボケていたようですが、好物のおかずが出ると一度食べたにもかかわらず「食べてない」と言い張って、とぼけて食べようとしていたこともありました。そんな些細な嘘で、さくらももこさんは「ボケ方が怪しい」と感じていたようです。

 そんなおじいさんだったからか、自宅で亡くなった時の顔が「ムンクの叫び」に似ていたので、さくらももこさんの姉は悲しむどころか、台所の隅で「コオロギのよう」に笑ってしまうほどでした。同書にはほっかむりを被せられ、花を背景に横たわるおじいちゃんのイラストまで掲載、「メルヘン翁」というタイトルまでつけられてしまう始末です。

 SNS上でもたびたび、この「現実のさくら家祖父」は話題になり、「まる子とおじいちゃんのやり取りが一番好きだったのに」「ビックリ!あのおじいちゃんに会ってみたかった」など、驚きの声が上がります。一方「アニメのなかだけだったとしても、友蔵のキャラはとても癒される」「ネタにしているけど、現実の祖父にもなんだかんだでさくら先生の愛情は感じる」と、変わらずにアニメを楽しんでいるファンも少なくありません。

 さくら先生にとっては、『ちびまる子ちゃん』の友蔵が理想だったのかもしれません。とはいえ、友蔵もかなりぬけている人物ではありますし、現実の祖父に関しても、さくら先生はエッセイでいろいろ書きつつも思い出が多数語られているため、無関係ではないと思えます。