ホラン千秋さんが敵幹部・ナイ役(画像の右下)で出演していた『劇場版 魔法戦隊マジレンジャー THE MOVIE インフェルシアの花嫁』の絵本(講談社)

【画像】変わった? 昔のまま? 特撮でデビューした美女たち(3枚)

今はキャスターだけど、特撮の悪役だった?

 佐藤健さん、菅田将暉さん、山田裕貴さん、松坂桃李さんなど、特撮ヒーロードラマ出身の人気俳優さんは挙げだすとキリがありません。特撮は若手俳優の登竜門的存在ですが、出身者は男性だけではなく、今をときめく女優さん、女性タレントさんたちのなかにも、意外な特撮出身者がいるのです。

 たとえば、朝ドラ『舞いあがれ!』でのヒロインのおばあちゃん役が記憶に新しい高畑淳子さんも、特撮出身でした。『仮面ライダーBLACK RX』では敵の女性幹部マリバロンを演じ、ハイレグ姿で仮面ライダーと戦っていたのです。今回は、その他の特撮出身女優さんたちをご紹介します。

特撮仕込みの女優魂・松本若菜さん

 2022年にドラマ『やんごとなき一族』での怪演も大いに話題になった松本若菜さんのデビュー作は、『仮面ライダー電王』(2007~08年)で、佐藤健さん演じる主人公・野上良太郎(電王)のお姉さん役でした。

 初めてのオーディションでつかんだ役ということで、当初は現場のことが何もわからず、ドラマ現場で使われる専門用語や、プロとしての役者の姿勢などは、すべてこのドラマで学んだのだそうです。当時を振り返るインタビューでは、松本さんは「バイト先の鰻屋のタレの匂いが付いたままオーディションに行った」ことを語っています。

 清楚な役から顔芸までこなす松本さんの女優魂、まさに特撮仕込みです。

キュートすぎる悪役だったホラン千秋さん

 現在はキャスターのイメージが強いホラン千秋さんも、「特撮出身者」です。『魔法戦隊マジレンジャー』(2005年~06年)の敵・ナイ役でTVドラマデビューしました。ナイは、敵女性幹部・バンキュリアが「ナイ」と「メア」のふたりに分裂した片割れです。

 パンクファッションで青いルージュを引いたナイは、ふたりに分かれたことで、知性も1/2になっているので、どこか子供っぽくキュートでした。悪巧みを思いついた時や、戦いを前にバンキュリアに戻る時など、ふたりが目を見合わせて言う「やっちゃおっか!」のセリフは、敵ながら「やっちゃえ、やっちゃえ!」と応援してしまうほどキュートすぎます。

 ナイとメアはドラマ内で挿入歌「ブラッディフライデーナイトメア」を歌う場面もあるのですが、それがまた、カッコかわいく、世界に打って出ていたら「BABYMETAL並み」に成長したんじゃないかと本気で思う次第です。

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大女優のデビューは特撮の1話ゲスト!

特撮ヒロインが誇り・内田理央さん



内田理央さんもパッケージに写っている『仮面ライダードライブ スペシャルイベント 特殊状況下事件捜査ファイル Case.1 なぜゴールデンウィークの新高輪は熱いのか』DVD(東映)

 主演ドラマ『来世ではちゃんとします』がシーズン3にまで突入するなど、絶好調の内田理央さんの本格的女優デビュー作は、『仮面ライダードライブ』(2014~15年)です。刑事ドラマの要素も備えた作品で、内田さんは主役の竹内涼真さん演じる巡査・泊真ノ介(仮面ライダードライブ)の相棒巡査・詩島霧子役でした。キュートな女性警察官姿に、ときめいたファンも多かったのではないでしょうか。

 クールな役柄でしたが、演じていた内田さんは熱い思いで演じていたのだとか。というのも、内田さんのお母さんは『仮面ライダー』オタクで、内田さん自身も小さい頃から毎週欠かさず仮面ライダーシリーズを見ていた、「ライダーっ子」なのだそうです。

 当時を振り返るインタビューなどで「特撮ヒーロー出身の俳優だけでなく、特撮ヒロイン出身の女優も芸能界で成功できるんだ!という反骨精神がありました」と語っており、特撮出演を誇りにしていたことがうかがえます。

セーラー服姿が初々しい女子高生役・篠原涼子さん

 2022年の紅白歌合戦に、28年ぶりに出場したことでも話題となった女優・篠原涼子さんは、1989年に放送された『高速戦隊ターボレンジャー』の第33話「奪え!洋平の顔」の回にゲスト出演していました。

 篠原さんの役どころは、3人組女子高生のひとりで、学園祭で「君たち、人生について語りあいませんか?」と声をかけてきた男に「鏡と相談してからにしたらぁ」とバカにしたように答えます。実はこの時の篠原さんは、オーディションに合格して事務所に所属したばかりで、翌年、東京パフォーマンスドールの一員としてデビューする前の実質的なデビュー作でした。大女優の始めの一歩が特撮とは、特撮ファンにはうれしい限りです。

 これからも特撮ドラマは、俳優だけでなく女優にとっても登竜門であり続けるでしょう。どんな女優さんが輩出されるのか、楽しみです。