『ドラえもん』の怖い話ばかりを収録した特別コミックス『ドラえもん 恐怖編』(小学館)

【こっわ!】「ゴルゴンの首」と石になったドラえもんの衝撃シーンを見る

見た人の心をザワつかせるトラウマ回とは?

 国民的作品『ドラえもん』では、のび太やドラえもんのほのぼのした日常を描いた回が多く描かれています。しかし、なかには、読者・視聴者に恐怖を抱かせる話も存在しました。今回は、想像しただけで思わずゾッとしてしまう、「トラウマエピソード」を3つ振り返ります。

 まず紹介するのは、「デビルカード」というお話です。お小遣いがほしいのび太は、なにかないかとドラえもんの寝床を漁ります。すると、なにやら見慣れないシートのようなものが……。引っ張り出してみると辺りが暗くなり、なんと「悪魔」が出現するのです!

 のび太は驚いて逃げようとしますが、悪魔に捕まり「デビルカード」を渡されます。実はこのカード、一振りすると300円が出てくるという夢のような代物だったのです。ただその対価として、毎日夜中の0時になると「身長が1mm縮んでしまう」という条件付き。今すぐお金が欲しかったのび太は、「身長なんて、どうせこれからも伸びるし大丈夫」と高を括り、悪魔と契約をしてしまうのです。

 そして案の定、のび太は調子に乗ってカードを使いまくります。さらに、ジャイアンやスネ夫にもカードの存在がバレて、「スケートボードの購入」を要求されました。次の日、のび太は服のサイズが合わなくなるくらい身体が縮んでしまい恐怖しますが。ジャイアンとスネ夫が「スケートボードで遊んだせいで家のものを壊した」と理不尽な弁償請求をしてきます。さらに、「単にお金が出てくる便利なカード」だと思ったパパとママも勝手にデビルカードを使ってしまい……なんと、のび太に請求される額は「40万円」を超えてしまいました。

「このまま0時を過ぎると自分の身体が消えてなくなってしまう」と、慌てるのび太はドラえもんに相談。そこでドラえもんは0時を過ぎる前に、あらかじめ「ビッグライト」でのび太の身体のサイズを大きくして、事なきを得ました。もしもビッグライトがなかったら、のび太はこの世から消滅していたかもしれません。

 続いては『ゴルゴンの首』というエピソードです。よく先生に怒られてしまうのび太は、「教室の外に長時間立たされるのは辛い!」と、ドラえもんに助けを求めます。すると、「ゴルゴンの首」というひみつ道具を取り出すドラえもん。

 この道具は、箱に入った蛇のような髪の毛が生えた石像から発せられる光線を浴びると、筋肉が石のように固くなるという代物です。恐ろしい道具ですが、のび太はドラえもんに教わった通り足だけを上手く石化させ、どれだけ廊下に立たされても何の疲れもなく乗り切ります。しかしその帰り道、のび太は学校の裏山の上をタケコプターで通った際、「ゴルゴンの首」の石像を箱から落としてしまったのです。

 這いまわることができる石像は制御不能になり、のび太の先生、暴走を止めようとしたドラえもんも石にされてしまいます。のび太はジャイアンとスネ夫に事情を話し、一緒に裏山まで行きました。ジャイアンは自分が木の上で箱を持って待ち伏せ、のび太とスネ夫に石像を誘い出すおとりをさせます。

 しかし、スネ夫はあっという間に石化させられ、のび太は絶体絶命のピンチのなか腰が抜けてしまいました。そして、木の上にいたジャイアンも光線を浴びせられて石化しましたが、偶然石像の上に落ちたことで、石像は気絶し、のび太が箱に捕獲することで暴走は止まるのです。不幸中の幸いで『ゴルゴンの首』をうまく捕まえることができたものの、もしもあのまま街中の人を石化させてしまっていたら……想像するとゾッとします。

 最後に紹介するのは「のろいのカメラ」です。いつものように、スネ夫にバカにされドラえもんに泣きつくのび太でしたが、「のび太くんをばかにするということは、ぼくをばかにするということだ、」と、珍しくドラえもんも大激怒。そこでドラえもんは、まだ使ったことがないという恐ろしいひみつ道具「のろいのカメラ」を取り出し、スネ夫を撮影しようとします。しかし、スネ夫の近くまで来たところで、ドラえもんは「たとえ、どんな悪者でも、これを使うのはあまりにざんこくだ」と思いとどまりました。

 その後、家に戻ってきたドラえもんは、やっぱり使おうかどうか迷っていたものの、カメラを横において玄関で昼寝をしてしまいます。そして、2階から降りてきたのび太が、「のろいのカメラ」を見つけるのです。

 実はこのカメラ、撮影された人とそっくりな人形を作れる機能があり、その人形は被写体と感覚が繋がってしまいます。つまり、人形に危害を加えると、本人に同じダメージが与えられてしまうということです。

 そんな「悪魔の発明」とも呼ばれる恐ろしいひみつ道具とはつゆ知らず、のび太は勝手にカメラでドラえもんや、パパ・ママを撮影し、出てきた人形をしずかちゃんにプレゼントします。このカメラを使うと使用者の近くで雷が鳴ったかのような衝撃が走るので、普通なら異常に気付きそうですが、特に気にしないのび太は、ある意味さすがというべきでしょうか。

 そしてしずかちゃんは、その人形を「かわいくない」と、近所の女の子・ガン子ちゃんに譲ってしまいます。その後、ドラえもんとのび太が慌てて回収しに行くも、ガン子ちゃんはジャイ子と一緒に、人形を使ったお医者さんごっこの真っ最中でした。ふたりはパパとママの人形を「熱が八百度もある」「うんとひやさないと」と冷蔵庫に入れたり、「頭も体も全部悪い」「すぐ手術しよう」と、ドラえもんの人形を包丁と金づちででバラバラにしようとしたり、やりたい放題。

 しかし、ジャイアンのお母さんが本当に切り刻まれる前に、ジャイ子たちから刃物を回収します。その後、通りすがりのスネ夫が悪ふざけでドラえもん人形をたき火で「火葬」しようとしますが、ドラえもんは間一髪で自分やパパ・ママの人形の回収に成功するのでした。

 このエピソードは、ドラえもんがスネ夫人形を作ってやり返す形で終わっていますが、その後それぞれの人形をどのように処理したのかも、気になるところです。