(C)週刊少年ジャンプ1987年新年1・2号/集英社

【画像】伝説級の名作がズラリ!「少年ジャンプ」1987年新年1・2号に並んだ作品たち(6枚)

誇り高き男たちの数奇な運命!

 今から35年前に発行された1987年新年1・2号「週刊少年ジャンプ(1月1日号)」は、荒木飛呂彦先生の『ジョジョの奇妙な冒険』の連載がスタートした記念すべき号に当たります。2021年まで「ウルトラジャンプ」でPart 8「ジョジョリオン」が連載されていた超人気シリーズの第1話は、冒頭から美女が生贄に捧げられるショッキングなシーンが描かれており、「これからどんなマンガが始まるんだろう!?」と固唾をのんだ方も多いのではないでしょうか。

 主人公であるジョナサン・ジョースターとジョースター一族の宿敵となるディオ・ブランドーとの出会いと因縁が描かれたストーリーは、単行本の1巻から5巻に収められています。このときの副題は『第一部 ジョナサン・ジョースター ―その青春―』となっており、後にPart1「ファントムブラッド」と名づけられました。

 1987年新年1・2号の、二番目の掲載作品は鳥山明先生の『DRAGON BALL』。占いババに頼みごとを聞いてもらうため、孫悟空は屋内闘技場「悪魔の便所」でミイラくんとバトルを繰り広げます。

 三番目は原作を武論尊先生、マンガを原哲夫先生が描いた『北斗の拳』。さらわれたリンを追ってケンシロウは修羅の国へと上陸しますが、そこで目にしたのは、かつて激闘を繰り広げた元斗皇拳の使い手・金色のファルコのありえない姿でした。

 四番目は春日井恵一先生の『アカテン教師 梨本小鉄』。小春日和中学に着任した破天荒教師、梨本小鉄は「運」を教えるために、生徒たちをバスで屋外へと連れ出しますが……。

 五番目は高橋陽一先生の『キャプテン翼』ジュニアユース編です。日本代表はアルゼンチン代表相手に3対3と互角の戦いを繰り広げていましたが、アルゼンチンの10番ファン・ディアスに8人抜きを決められ、リードを許してしまいます。

 六番目は宮下あきら先生の『魁!男塾』。男塾一号生と三号生が死闘を繰り広げた大威震八連制覇(だいいしんばーれんせいは)もいよいよ最終決戦へと突入します。一号生からは三面拳・月光、三号生からは死天王最強の男・影慶(エイケイ)が闘場へ降り立ちますが、影慶は月光との勝負に十秒で終止符をうつと豪語し……。

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アニメ化作品の多さに圧倒される

 1987年新年1・2号の七番目の掲載は車田正美先生の『聖闘士星矢』。この号でちょうど連載1周年を迎えています。ちょうどこの時白銀聖闘士編が展開されており、烏星座(クロウ)のジャミアンに追い詰められた城戸沙織がアテナとしての片りんを見せ始める回となります。実は1986年10月にTVアニメがスタートしているのですが、いま改めて考えると連載開始から1年経たないうちにアニメ化されたスピード感に驚かされます。

 八番目は、ゆでたまご先生の『キン肉マン』。王位争奪戦でキン肉マンチームと知性(フェニックス)チームが激突、死闘の末にロビンマスクとマンモスマンの予言書がたいまつに焼き尽くされ、両者ともに消滅してしまいました。

 九番目は平松信二先生の『キララ』。『ブラック・エンジェルズ』などで知られる平松先生が描いた破天荒なバイオレンス野球マンガでしたが、残念ながら短期間の連載に終わっています。2021年に「新装版 キララ」として刊行されたため、現在でも単行本を入手可能です。

 十番目は『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。両さんこと両津勘吉がアイスホッケーに挑戦する回です。

 その次は新沢基栄先生の『ハイスクール!奇面組』が続きます。ここまでのアニメ化作品はなんと九つ。信じられない数です。

 ここで登場するのが、本宮ひろ志先生の『赤龍王』。中国で紀元前に繰り広げられた項羽と劉邦の戦い「楚漢戦争」を扱った物語です。始皇帝が築き上げた大国・秦が滅び、新たな国「漢」が築かれる前の波乱の時代が描かれました。

 さらに続いて、北条司先生の『シティーハンター』、高橋よしひろ先生の『銀河―流れ星 銀―』、えんどコイチ先生の『ついでにとんちんかん』と、やはりアニメ化作品が並んでいます。この時代のジャンプの強さは空前絶後の領域に達しているといっても過言ではないでしょう。

 そして今泉伸二先生の『空のキャンバス』と、こせきこうじ先生の『県立海空高校野球部員 山下たろ~くん』の2作品で、掲載作品は全てとなります。最後まですべてのマンガを余さず読める、思い出に残る号だったのではないでしょうか。この号に掲載された漫画家の先生たちは、当時どれほどの競争を潜り抜けてきたのか、想像することすらできません。

※「週刊少年ジャンプ 1987年新年1・2号」は、「1月1日号」と表記されていますが、物流の問題や出版業界の慣習の影響もあり、実際の発売日は12月の上旬となります。ご了承ください。