TVアニメ『SPY×FAMILY』MISSION:10「ドッジボール大作戦」より、アーニャとダミアン (C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

【画像】アーニャ×ダミアンの「恋のからみ」(6枚)

名家の「ダミアン」が庶民の「アーニャ」に対する思いは?

『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』のアーニャは、ロイドの計画を手伝うためにクラスメイトの「ダミアン」と仲良くなろうと奮闘します。しかしダミアンは邪険にすることが多い一方で、アーニャの予測不能な行動に赤面したりもします。これは恋心? それとも憎悪? そんな彼のエピソードを振り返り、考察したいと思います。

ファーストコンタクトは最悪だったダミアン×アーニャ

 アーニャの父であるロイドは、平和を脅かす国家統一党総裁「ドノバン・デズモンド」の動向を探るため、彼の次男「ダミアン」とアーニャを友達にさせる「ナカヨシ作戦」を立案しました。アーニャはその意志をテレパシーでキャッチし、手伝うためにダミアンに接触を試みます。

 しかし名家の意識が高いダミアンは高飛車で、庶民のアーニャにゴミをぶつけたり、こてんぱんになじったりしました。最初は我慢していたアーニャですが「いじめにいじめぬいてやる」「べっこべこにしてやる」とあおられると堪忍袋の緒が切れ、母のヨル仕込みの右ストレートをダミアンの顔面に叩き込みました。

 このようにふたりの出会いは最悪で、以降ダミアンはアーニャを「庶民」と見下し、「ブス」などと罵りました。

高貴な者ゆえか恋心か? ダミアン肉壁になる

 普段はアーニャに憎まれ口をたたき、意地悪をするダミアン。アーニャ自身も世界平和のためにダミアンに取り入ろうとしているだけで、それ以上でも以下でもないようです。

 そんなある日の体育の授業。アーニャとダミアンがいる3組と、数々の球技大会を総なめにしてきた「魔弾のビル」ことビル・ワトキンス擁する4組がクラス対抗のドッジボールを行いました。

 ビルの猛攻に次々と3組は倒れ、ついにはアーニャとダミアンのふたりだけに。ダミアンは最後まで生き残り成績優秀者になることをもくろんでいましたが、コートでアーニャが転ぶと、肉壁となり彼女の身代わりになりアウトになりました。

 アーニャに「まもってくれた? おまえいいやつ?」と言われると、ダミアンは赤面しながら否定。あんなに毒づき見下すような発言を繰り返してきたダミアンでしたが、アーニャのピンチになるとしっかり男らしさをみせる、これは高貴な者ゆえの精神か、それとも恋心なのか……。



ダミアンは庶民の女(アーニャ)に心ときめかせるのを認められないでいる TVアニメ『SPY×FAMILY』MISSION:7「標的の次男」メインビジュアル (C)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

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アーニャに翻弄されるダミアンが見せる「赤面」はやっぱり恋?

優しさの奇襲に釣られるダミアン

 食べた者の多くが「皇帝の学徒(インペリアルスカラー)」になったという「知恵の甘味」(マカロン)をめぐり、ダミアンとアーニャらがトランプのババぬきで戦った際のこと。初戦はアーニャがチート能力テレパシーで圧勝するとイカサマを指摘され、次戦は手を抜き戦います。最後はアーニャとダミアン、サシの勝負となるとアーニャがベソをかき始め、その表情に心を動かされたダミアンはわざと負けて上げました。

 これにより「知恵の甘味」はアーニャのもとへいくことになりましたが、「はんぶんこするか?」と差し出すと、ダミアン赤面。照れ隠しか「いいいいらねーよバカ!」と動揺しまくり、その場を去って行きました。げん担ぎとはいえ皇帝の学徒を目指すダミアンが知恵の甘味を諦める理由とは……?

恋心の動かぬ証拠「トクン」と「うっとり」

「ドッジボール」や「知恵の甘味」の件では、ダミアンのノブレスオブリージュで救いの手を差し伸べた可能性もあり、普段は相変わらずアーニャに悪態をついたりツンツンしていたりします。

 そんなダミアンの恋心をうかがわせる描写があります。まずは、上述したダミアンが殴られたあとの出来事です。ダミアンは「兄貴にさえぶたれたことなかったのに……」と奥歯を噛みしめ、悔しさとも憎悪ともとれる表情でアーニャを意識し始めました。

 一方で、殴ってしまったアーニャは反省しダミアンに謝罪。このとき、アーニャは、しおらしく「いきなりなぐってごめんなさい。ほんとはおまえとなかよくしたいです」と号泣すると、ダミアンはなぜか顔を真っ赤に。

 これを取り巻きに指摘されると、怒りのせいだと誤魔化しますが、アーニャのしおらしい態度やまなざしを思い出し、ついには「トクン」と鼓動を鳴らしてしまいました。この自然に湧き上がる「トクン」に狼狽したダミアンでしたが「そんな恥ずかしいこと、死んでも認めてたまるか!」とその場から逃亡してしまいました。

 その後ダミアンは、アーニャについて「見ていて飽きない」ともらしたり、無邪気な笑顔でベッキーと登校するアーニャをうっとり見てしまったりしています。「トクン」と「うっとり」がかけ合わされば、これはもうラブ確定ではないでしょうか。

 ではアーニャはダミアンについてどのような気持ちでいるのかというと、父ロイドや母ヨル、そしてピーナッツは「好き」と自覚はあるものの、ダミアンには同等の気持ちはないときっぱり否定。ダミアンにとって、なかなか切ない結果ですが、根はいい男の子なので温かい目で見守っていきたいですね。