昨今、観光で注目を集めている国、メキシコ。映画「リメンバー・ミー」でそのカルチャーの認知度も上がり、また透き通るカリブ海ビーチ カンクンなどは相変わらずの人気観光地です。

しかしメキシコにはその他にも穴場で魅力的な街がたくさん。とても歴史深く、奥深い国なんです。今回はその中でも私のおすすめする隠れた世界遺産の街、サカテカスをご紹介します!

目次

サカテカスまでのアクセス
世界遺産の街
世界文化遺産、歴史地区を歩く
旧銀鉱山に行ってみよう
街のシンボル、ブーファの丘
おまけ~本場のメキシコ料理
まとめ

サカテカスまでのアクセス

まずメキシコを世界地図で探してみると、ご存じの方も多いと思いますがアメリカ合衆国の下(南)に位置しています。

そのメキシコ合衆国の「へそ」と呼ばれているサカテカスは、中央砂漠地帯の北部にあります。

アメリカ合衆国からサカテカスまでは、国内便で90分ほど、または長距離バスで8時間ほどです。もしくはアメリカのダラスからサカテカス行きの直行便も出ています。

世界遺産の街

現在メキシコには35のユネスコ世界文化・自然遺産が登録されています。

テオティワカン遺跡などは、日本でも聞いたことがある方もいるかもしれません。その35の中に、実はサカテカスの歴史地区も文化遺産として登録されているんです。

>>メキシコの世界遺産についてはこちら(外部サイトに遷移します)

また、ここ10数年の間、メキシコの中央高原地帯(バヒオ地区)に日産やトヨタといった日本の自動車産業が参入し、それに伴い多くの日系企業がメキシコの同地区に工場を構えていることもあり、日本人観光客や日本料理店もかなりの勢いで増えています。

その中でもサカテカスは、日産自動車の工場のある街、アグアスカリエンテスの隣に位置し、日系企業も数社ありますが、まだまだ観光客からの知名度はそこまで高くなく、隠れた世界遺産の街なのです。歴史地区のあるセントロやその周辺は、他の都市と比べると規模は小さく、観光で回りやすい大きさであり、また人々が素朴でとても親切なのもこの街の大きな魅力です。

他にもサカテカスのシンボル、ブーファの丘やその昔栄えた銀鉱山跡、まだまだ知られていないメキシコ料理など、魅力のたっぷり詰まった街です。



<映画「リメンバー・ミー」にも出てきた動物の民芸品”ALEBRIJES”と先住民族の作ったビーズのアクセサリー>

世界文化遺産、歴史地区を歩く

サカテカスの国際空港から車で20分ほど街中に入ると見えてくるのが、セントロと呼ばれる中心街。世界文化遺産に登録されている歴史地区です。景色は一気にコロニアル調に変わり、映画のセットに入ったような街並みに、思わず目と心が奪われます。

カテドラル(大聖堂)

そのセントロの中央に鎮座しているのがサカテカス大聖堂(カテドラル)です。スペイン統治時代1568年から建設が始まり、現在の主要部分は1904年に完成、そのゴシック様式の繊細で完美な聖堂は、壮観で大変見ごたえのある建築です。

壁の細かくあでやかで完璧な彫刻は圧巻。

夜はライトアップされ、昼間とはまた別の美しさを見ることができます。

サカテカスは芸術の街でもあり、サカテカス州には60もの美術館があります。

入場料もお手頃で、美術作品だけではなくそのスペイン統治時代のコロニアル建築も楽しむことができるので、歴史に興味のある方には美術館巡りがおすすめです。

その中でも主要なものをいくつか紹介します。

ペドロ、ラファエル・コロネル美術館

サカテカス出身の画家兼彫刻家兄のペドロ・コロネルと弟のラファエル・コロネル、両方の名の付いた美術館がそれぞれあります。

どちらも徒歩で10分ほどで行き来できるので、ぜひふたつ覗いてみるのをおすすめします。
まず、大聖堂を出て西に3分ほど歩くと、サント・ドミンゴ教会の隣に兄ペドロ・コロネルの美術館があります。

時に暴力的でぶっきらぼうな性格だったという兄ペドロの作品は、カラフルで色使いの特徴的な作品が多く、見る人を魅了するものばかり。

メキシコを代表するディエゴ・リベラやフリーダ・カロ、ホセ・クレメンテ・オロスコらから学んだという彼の作品を、ぜひ実際に見てみませんか。

休館日:月曜日
開館時間:10時~17時
入館料:$30ペソ(2023年現在 1ペソ約8円)

ペドロ・コロネル美術館を出て北に少し上っていくと、開けた広場に弟ラファエル・コロネルの美術館が見えてきます。

ラファエル・コロネル美術館は、通称お面の博物館。古い歴史ある建物の入り口を通って庭園を抜けると、そこには世界各国様々な時代のお面がずらり。

誰かに似た顔のお面や、古い時代の貴重なお面を見つけることができるでしょう。

開館日:木曜日~火曜日(休館日:水曜日)
開館時間:11時~17時
入館料:$30ペソ(2023年現在 1ペソ約8円)

サカテカスの歴史地区を中心に、約45分ほどで街の主要観光スポットを回ってくれる観光バス。

大人$150ペソ、子供$120ペソで乗れます。

LAS QUINCE LETRAS

サカテカスで一番古くて有名なバー。テキーラやいろいろなお酒が楽しめます。

年季の入った店内はカンティーナと呼ばれるメキシコならではの酒場で、雰囲気があって時代がタイムスリップしたみたい。

サカテカスに来たらぜひ1杯、サカテカス産のメスカルを味わいたいですね。お酒の飲めない方も雰囲気を味わえますので行く価値はあるでしょう。



<時代を感じる店内>

ちなみにメスカルというお酒があるのですが、テキーラと同じアガベという植物の蒸留酒です。ですが、テキーラはテキーラという地方原産のもの。メスカルはそれ以外の土地で造られたものです。

旧銀鉱山に行ってみよう

かつて銀の採掘で栄えた街サカテカス。エルエデン鉱山は、17~18世紀にその繁栄は絶頂期を迎えますが、のちの洪水が原因で1960年には閉山。その後、2005年にリノベーションして見事観光地へと変貌しました。

現在、鉱山の歴史をガイドしてくれるツアーが人気です。鉱山内には、世界中で採掘された岩石や鉱石のコレクションが展示されていたり、その奥はバーになっていて、週末土曜日はクラブとなり若者で賑わっています。

洞窟で鉱山に囲まれながら飲むカクテルとその唯一無二の雰囲気は、格別な旅の思い出になることでしょう。

また、入口からトロッコに乗って入山するのも鉱山の雰囲気を味わえて楽しいですね!

エルエデン鉱山

営業時間:10時~18時
入場料(鉱山ガイドツアー):大人$150ペソ、子供$80ペソ(2023年現在 1ペソ約8円)
公式サイト:エルエデン鉱山

Bar La Mina(鉱山内のバー)

営業時間:木、金曜日 16時~23時(要確認)、土曜日 21時~2時

街のシンボル、ブーファの丘

サカテカスの街を見下ろす丘が、セントロのすぐそばにそびえ立っています。その名はブーファの丘。半円のような特徴的な形状をしています。丘の上にはカトリック教会やスペインからの独立戦争で活躍した戦士の像などが立っています。

丘の上の教会

ブーファの丘から望む眺望。

アクセスは麓から車でのぼるか、セントロからロープウェイも出ています。

セントロから徒歩で上ることも可能ですが、勾配がきつめなので、歩いてみたい方は下山時に歩いて下ってみるといいかもしれません。

ロープウェイ運行時間:10時~18時(繁忙期は夜19時~22時も運行)
ロープウェイ料金:大人片道$100ペソ、往復券$160ペソ(子ども片道$50ペソ、往復券$80ペソ)

おまけ~本場のメキシコ料理

サカテカスの観光で最も重要なもののひとつが、文化として確立されてる「食」でしょう。メキシコ料理は日本でも人気ですが、タコスやテキーラだけじゃない、本場のメキシコ料理をご紹介します。

タコス

まずは、メキシコ料理と言えばのタコスですが、メキシコでも大変ポピュラーな食べ物です。タコス屋は、屋台なども含めて多数あり、メキシコのどの道を歩いていても容易に見つけることができ、夜遅くまで開いています。



<牛肉のタコス>

ひとつ80円くらいで食べることができ、玉ねぎ、パクチー、トマトなどの野菜やサルサをお好みで乗せ、レモンをたっぷり絞って食べるのが本場の食べ方。

ポソレ

ポソレはスープ料理で、主にスープの色で赤、緑、白があります。(写真は赤と緑のポソレ)

中には肉(鶏、豚)や白い大きなとうもろこしが入っていて、さらにレタスやラディッシュを入れて、これまたレモンを大量に絞って食べます。日本人の口にも合う、メキシコの伝統的なスープです。

トスティカルネ

これは他の地方のメキシコ人に聞いても知らない人も多い、サカテカスの料理です。揚げてパリパリになったとうもろこしのトルティーヤに、調理した豚の肉や内臓を乗せ、トマトのサルサをかけて、またまたレモンを絞って食べます。

路上でおやつのように食べたり、ビールのおつまみだったり、いわゆるジャンクフードのような位置づけですが、個人的には私の一番好きなメキシコ料理です。

まとめ

メキシコ料理は辛さを心配する方も多いと思いますが、辛くないサルサもたくさんありますので、ぜひいろいろ試してみてください。

本場のメキシコ料理を食べに行くだけでもあなたを満足させてくれる国メキシコ、さらにメキシコの小さな町でしか味わえない独特の文化や芸術、人との出会い、今まで経験したことない新しい旅、次の旅行はぜひ魅力いっぱいのサカテカスで貴重な体験をしてみませんか。

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