利用者視点、新たな新幹線の乗り方に広がり

新幹線の車内販売がなくなったら、出張や旅行で新幹線に乗るときの移動も変わるはず。

「車内でなにも買えない」と国民が知り始めれば、車内で飲食するドリンクやビール、サンドウィッチ、駅弁などを駅で事前に選ぶ・買うという時間が定着し、従来の新幹線移動にたとえば10分の余裕ができる。

いっぽうで、新幹線のぞみ よりも空席がある、各駅停車版こだま や、のぞみ よりも停車駅がある ひかり への分散乗車も期待できる。

自分のように、「新幹線車内でビールを呑みたい」という人は、移動時間に余裕があれば、こだま・ひかりにシフトするかも。

こだま・ひかり は、のぞみ を先に行かせるため、主要各駅で3分前後の停車時間があったりする。その時間に、ホームにある売店で、ビールや駅弁が買えるってことで、「ゆっくり帰るなら こだま・ひかり」というユーザーも、増えるんじゃないか。

ひいては、のぞみ の混雑率が減り、こだま・ひかり の空席が、埋まっていくんじゃないか―――とか。

そんなことを記していても、さびしいものはさびしい。残念だけど、それが時代だ。

―――ありがとう。東海道新幹線の車内販売。

新大阪で出張相手と晩酌(=飲み会)し、そのあと東京行き のぞみ 車内で何度もひとりでビールを買ったとき、「たくさん買っていただいてありがとうございます」といわれたあのシーンが、よみがえる。

もう一度。ありがとう。東海道新幹線の車内販売。JR東海の決断は、新しい新幹線移動時代の幕開けを知らせてくれたと思って、乾杯。